マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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大谷町の苗代作り

2016年03月13日 09時03分19秒 | 民俗あれこれ(四季耕作編)
橿原市の大谷町八幡神社の行事を調べていた。

誰もいなかった。

仕方なく近辺を散策する。

家族4人で苗代作りをしていた場に遭遇する。

話しを伺いたく作業を拝見する。

59歳の奥さんは大字の生まれ。

作業の合間に行事の現況を話してくださる。



72枚の苗箱はモミオトシをしたヒノヒカリ。

おじいさんが生前のころは専業農家だった。

定年退職された旦那さんは農業を継いだがまだ慣れていない。

奥さんが総監督になって作業の指示をする。



次世代を継いでもらいたい息子、娘も一緒になって作業する。

一枚、一枚の苗箱を運んで手渡し。

畑に咲いていたシロバナやキバナを写し込んで作業を撮らせてもらう。



苗箱すべてを並べて寒冷紗被せのポールを挿す。

ここで気がついた穴あきシート。

苗箱を並べる前にしなければならないものを忘れていた。

総監督の指示で巻いたシートを敷き込みながら一枚ずつずらして並べなおす。

並べ方が崩れないようにチョナワを張って移しながらの再作業。



寒冷紗を被せて終えた。

昔は直撒きだった苗代。

育った「ナエサン」は束にして田んぼに入れていた。

おじいさんがしていたころの話しだから随分前のようだ。

同家では苗代作りを終えてもイロバナは立てない。

おじいさんの時代でも立てたことはなかった。

大谷町では同家以外に4軒が苗代を作っている。

いずれもイロバナは見られないという。

(H27. 5. 5 EOS40D撮影)