マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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下笠間春覚寺十夜法要

2009年12月11日 07時31分25秒 | 宇陀市(旧室生村)へ
「じゅうにちじゅうや」と呼ぶ「十日十夜」の法要はその名のごとく十日間、十夜に亘って念仏を唱える法会である。

十日法要すれば、佛の世界では千年間も善行したことになるそうだ。

近年は数日間、或いは一日に短縮されるところが多い。

室生下笠間の春覚寺は17日の夜に法要をお勤めされる。

祭壇には住職が作られた生御膳が供えられる。



細長いドロイモを細工して作ったマッタケ。

ダイコンに挿して松を飾った。

もうひとつはニンジン三本を立てた色物御膳。

パセリの葉が妙に似合う。

生御膳は収穫したものを使い、閃いたインスピレーションで作り上げるから毎年同じ物とはならないという。

一番鉦が15分前に鳴らされた。

いわゆる呼び出しの鉦だ。

そのころから風呂敷に包んだ重箱を抱えた村人が集まってきた。



中には収穫した新穀一升で佛さんに納め供える。

法要後によばれるのっぺ汁の接待も収穫したもの。

十夜は、勤労に感謝し収穫を喜ぶ夜でもある。

オヒカリが点され二番鉦が鳴ると法要が始まった。

約70人も集まった堂内。

読経のなか導師が入堂する。

「願わくばー、ゆうーずーねんぶつ、ナムアミダー、ナムアミダー」と協奏曲のように和音が響き渡る。

しばらく時が経ったころ焼香が始まった。



永代、追善供養など回向が続く。

新穀献上の方々の名前を詠みあげ「ぶっしょうけんじょう」。

「家内安全、身体堅固、五穀豊穣、ナームアミダブー」と祈りを捧ぐ。

法要後は数珠繰りが行われる。

集まった人は輪になって数珠を手に持つ。



大きな房が目印がぐるぐる回る。

心経一巻で一回り。

大勢の手で繰られていく数珠がは二回りになった。

その後は数珠を束ねて肩にあてていく身体堅固が行われる。

ひといき休憩したのちは恒例の法話時間となる。

お寺の外は竹灯りが並べられている。

蝋燭の灯りが雨に濡れた石畳を厳かに映し出している。

堂内は暖かな村人の温もりで満ちている。

天得如来さんの掛け軸を戻し、法要を終えればのっぺ汁が振る舞われる。



お勤めの十夜は一緒によばれて収穫に感謝する日でもある。

なお、九頭神社の秋祭りに振る舞われるのっぺ汁は同じ材料であるが名称は「にごみ」と名が替わる。

「にごみ」は煮込みが訛ったものである。

(H21.11.17 Kiss Digtal N撮影)
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