最近のニュースに雑感コメントを。昔はこういう記事をたくさん書いていたなぁと我ながら懐かしくなりました。
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プレーオフ
レギュラーシーズンで18.5ゲーム差つけられた西武が空気を読んだともいえる第一ステージ。
さて、プレーオフへの賛否については語られつくしている感がありますが、テレビ中継を見ながら思ったプレーオフの利点をひとつ。
それは「若手の育成がやりやすい」ということ。
「3位までに入れば優勝のチャンスが」ということなら、Aクラス圏内に入った上位球団はシーズン中の早い段階から思い切った選手起用も許されるわけで。
強豪チームであるがゆえにつきまとう「世代交代の難しさ」のハードルを、プレーオフ制度は引き下げる役割もあるかなと思った次第です。
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オリ中村新監督、珍目標「2位を狙う」
「今季の目標はプレーオフ進出でしたから、もうワンランク上ということで2位狙いでどうでしょうか」。新指揮官は恒例の優勝宣言を封印し、現実路線で会場の笑いを誘った。
「中村ノリ」「おかわり中村」に続いて「
ぬかよろこび中村」という得がたいキャラクターを誕生させたパシフィックリーグですが。
ウソでももうちょっと威勢良くぶち上げてくれないかなぁ。へたくそ。
冗談とはいえ、プロ野球に夢を求められている時代に毛穴まで見えるクリア画質のハイビジョン発言。
ただでさえオリックスファンはプレーオフと仰木監督と辻内を逃して傷が深いのに。
(そのうえ「四番DH清原」というよくわからないクジまで引こうとしてる。楽天・山崎より活躍できるだろうか?いっときますが、清原は劇薬。副作用をおさえて使いこなすには指導者の器とチームの成熟度が必要不可欠。大丈夫か?)
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黒田 先発で単独最多勝獲る
現在15勝で阪神・下柳投手と並んで最多勝の広島・黒田投手。
その15勝目は自身初となる「中継ぎ登板」によるもの。
中継ぎ・救援陣が壊滅的なカープで勝ち星を確実に拾おうとすれば、先発完投か、先発が4回までとばした後をうけての中継ぎ登板が確実。
その後者が実際に行われたわけですよ。
「意図どおりによく勝てたな、黒田」という驚きもあります。
しかしこれは金田正一氏やら前近代の野球人が200勝やら400勝を達成させた頃のやり方と同じ。
その試合にそれなりの感動はあったようですが、下柳の登板した甲子園最終戦にも多大なる感動がありました。
阪神ファンとして素直に言えば「そりゃないで、黒田」「そりゃないで、山本監督」ということ。
ただ、別の見方からすれば。
例えばホームランバッターがシーズン本塁打記録やらを狙うために消化試合で1番の打順に入ることがままあります。西武のカブレラなんかもそうでした。
で、それに関してはファンもけっこう許容するんですよね。
「いまファンが最も見たいものをみせるプロ野球」ということで。
実際その1番に入った状況でホームランを打てるバッターは少ない。
カブレラも、やっぱり1番では打てなかったように記憶しています。
それと似た状況で勝てた黒田っちゅーのはたいした男ですよ。
これは当日のスコア。
序盤で楽勝ペースの試合に登板したわけではなく、同点の場面から登板。
この日カープが確実に勝つためには、最多勝うんぬんを差し置いてもこの方法が最適だったといえなくもない。
というわけで、黒田という投手が好きなゆえに別アングルから語ってみましたが、「そりゃないで、黒田」の気持ちはきえない。
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西武・和田首位打者。終盤は打率維持のためにベンチで控え。
黒田の件に関連して、古い話になるがこれも語っておこう。
こういうことをするなら、改革元年のプロ野球のスローガン「フルスイング!」は白紙撤回してください。
うそつきです。
プロ野球をみていると、こんなこともよくあります。
この間たまたまジャイアンツ戦にチャンネルをあわせていたとき、ヒットで出塁した阿部が序盤で交代。
どうやら打率三割に乗せてシーズンを終了するためだとか。
それに関して解説のたぶん中畑氏が「いや、三割でシーズンを終えるのと、そうでないのとは気分が全然違いますからね」と、使い古した文言で当然のようにバックアップ発言。
それを「当然」としている体質からは、感動は生まれないですよ。
黒田の件といい、首位打者の件といい、打率三割の件といい、「首脳陣の親心」とやらがファンのガッカリを生んでいます。
特に「帳尻あわせで打率三割」と「帳尻あわせで首位打者」はタチが悪い。
なんせその選手が試合に出場しないわけですから。
僕はメジャーに関してプレーオフかワールドシリーズぐらいしか見ない人間ですが、こういうことってメジャーでもよくあるんですかね?
なかったとしたら「さすがメジャー」。
あったとしたら「上を行くチャンス」。
とにかくこういった現象は、日本におけるタイトル偏重主義の弊害ですね。
ファンだけは、同じ数字・同じタイトルでも、そこに含まれている意味まで問うぞ。
「あれは記録だけど、ある意味ドーピングだよ」と。
連続フルイニング出場の阪神・金本選手に感動と畏敬がつきまとう理由を、プロ野球は本気で考えた方がいい。そこに改革のヒントはある。