本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ディア・ドクター

2009-07-20 07:06:10 | Weblog
■本
57 反貧困―「すべり台社会」からの脱出/湯浅 誠
58 改訂版 環境社会検定試験eco検定公式テキスト/東京商工会議所

57 現在の日本の貧困の状況とその改善のための市民レベルでの取り組みや行政機関への働きかけについて、抑制の効いた文体で冷静に書かれたいい本です。抑制が効いて冷静であるだけに、貧困で苦しむ人々への筆者の共感と国家や国民の理解不足への筆者の憤りが強く感じられます。「生活保護受給者がもらいすぎている」などの「底辺への競争」や作られた対立(例えば、給食費未払いの親と学校の先生など、当事者間は別に対立したいわけではないが、利害関係の構図としては対立しているとマスメディアなどからは取り上げられやすい)を回避し、貧困解消に向けての取り組みを促進し、「人間を再生産」できる強い社会を作ろう、という筆者の取り組みは、非常に説得力があると思いました。「自己責任」と言う言葉が、社会や国家としての責任を回避するために使われすぎている現状についてもよく理解できます。他人に対する寛容さと本当の意味でフリーライドしているのは誰か(貧困ビジネスの経営者や福祉事業に天下りしている役人など)を見抜く力が今まで以上に私たちに必要とされている気がします。今度の選挙は各候補者や政党の貧困問題への取り組みも参考に投票したいと思います。

58 エコ検定の公式テキスト。ちょっと機会があって受験してみようと勉強しています。まあ、テキストですから、読んでいて楽しいものではないですが、それなりにこれまで学校でならった社会や理科の知識をエコという観点から整理・復習できるのでよいかと思います。


■映画
20 ディア・ドクター/監督 西川美和
21 アルセウス 超克(ちょうこく)の時空へ/監督 湯山邦彦

20 「ゆれる」があまりによい映画だったので、西川監督の新作も観にいってきました。「ゆれる」と違って、序盤でネタばらし(というか予告編の時点で内容はほとんど想像がつきます)をして、あえてサスペンス的な要素を廃しているために、緊迫感は若干和らいでいるものの、人の心の複雑さや闇の深さ、美しさは前作以上にとても丁寧に描かれていて、さすが西川監督だと思います。 笑福亭鶴瓶さんの人懐っこく、やさしく、腹黒そうな演技に注目が集まりそうですが、余貴美子さんと香川照之さんの演技が凄まじくよかったです。香川さんが刑事と話すシーンでいすに座ったまま後ろにひっくり返りかけて、その後言うセリフが圧巻でした。周りの演技がよすぎるためか、井川遥さんもなぜかちゃんと女医さんに見えました。

21 ポケモンの新作を子どもと一緒に観にいってきました。展開が速く神と呼ばれるポケモンたちの戦いも大迫力で、この3部作の中で一番おもしろかったです。前2作で張った伏線もきちんと回収してましたし(幾分あっさりしすぎていて、これまでの戦いは何だったのか?という気も若干しましたが)。こだわるところではないかもしれませんが、この種の映画で吹き替えにタレントさんを使うのはやはり違和感がありました。ちょっと、子どもには難しい内容(アルマゲドンとバック・トゥ・ザ・フューチャーを足したような映画)かという気もしますが、喜んでいたのでまあよしとします。
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