本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

永い言い訳

2016-10-16 12:18:55 | Weblog
■本
81 ヤバい統計学/カイザー・ ファング

 先週読んだ「ナンバーセンス」が面白かったので、その前作にあたるこちらも読みました。数式を一切用いず、ディズニーランドの「ファストパス」と「ランプメーター」による高速道路への流入制限による混雑緩和の受け止められ方の違い、クレジットカードの与信ロジックと感染症の原因究明の考え方、大学入試の属性別の不公平是正の取り組みと災害保険破綻の背景、ドーピング検査・テロ対策の難しさ、飛行機事故・宝くじの当選が自分に生じる可能性、などの事例を対比させることにより統計学の考え方の神髄を伝える手法は見事です。「平均でではなくばらつきを考えことの大切さ」、「間違ったからこそわかること」、「グループ分けの難しさ」、「犯人を取り逃がすことと、冤罪のトレードオフ」、「ありえないことが自分に生じる可能性」などについて、統計学はどのようにとらえているのかが理解でき興味深いです。


■CD
60 Day Breaks/Norah Jones

 ファーストアルバムに似た雰囲気の原点回帰とも言える作品です。少ない音数のじゃジーで落ち着いた楽曲が多く、ノラ・ジョーンズの独特の深みのある声が堪能できます。現状、キラーチューンと呼べる曲はあまりなく地味な印象ですが、これからの秋の夜長にじっくり聴き込むには最適な作品だと思います。


■映画
72 華麗なるギャツビー/監督 バズ・ラーマン
73 永い言い訳/監督 西川 美和

72 「ロミオ&ジュリエット」を現在を舞台に映画化したバズ・ラーマン監督らしく、F・スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」を、時代背景こそは原作に忠実なものの、ヒップホップの音楽を挿入するなど独特の解釈で演出した癖の強い作品になっています。抒情的な原作が好きな方からの賛否は分かれると思いますが、個人的にはロバート・レッドフォードとミア・ファローが共演した、1974年の映画化作よりは楽しんで観ることができました。お城での豪華なパーティーシーンなど映像がとにかくきれいで印象的ですし、ギャツビーを演じるレオナルド・ディカプリオの濃すぎる演技と、ニック・キャラウェイを演じるトビー・マグワイアの、飄々とした、いい意味での存在感控え目な演技が絶妙のバランスを醸し出しています。キャリー・マリガン演じるデイジーも最初の悲劇のヒロインから、魅力的な女性へと印象を変え、最後は狡ささえ感じさせる存在へと巧みに演じ分けていると思います。原作が淡い印象だったので、少し過剰さが鼻につきますが、逆にこの作品のエッセンスをわかりやすく体験できた気がします。

73 原作と同様に、人間の内面の醜さ、弱さをこれでもかと表すセリフが続出し、それが生身の役者さんの感情に乗せられて発せられるので、よりいたたまれない気持ちになりました。ただ、自分ではなかなか表に出せないその感情の醜さ、弱さが、次々と映像で展開されるので、露悪的な不思議な快感も同時に感じます。原作と比較すると、時間の制約から感情を深堀するキャラクター(妻を亡くした男性2名とその息子さんが中心です)が減った分感情移入がしやすくなっていますが、その分ストーリーの複合的な深みは若干乏しくなっています。エンディングは原作以上に救いを感じさせる内容で、これまでさんざん爆発させてきた感情表現も控えめで若干拍子抜けしましたが、かえって本木雅弘さんの演技の凄みを感じられた気がします。母を亡くした少年役の演技も素晴らしく、彼の演技を観るだけでも映画館に行く価値があると思います。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ナンバーセンス | トップ | Walls »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。