本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ムーンライト

2017-04-01 11:36:48 | Weblog
■本
21 仕事。/川村 元気
22 超企画会議/川村 元気
23 どうして人はキスをしたくなるんだろう? /みうら じゅん、 宮藤 官九郎

21 先月に読んだ「理系に学ぶ。」と同様の川村元気さんによる対談集です。「理系に学ぶ。」の方が、意外な人選だったので、先に読みましたが、出版はこちらの方が先です。川村さんが影響を受けた、山田洋次さんや鈴木敏夫さんといった、クリエイターやプロデューサーの方々との対談ですが、エンターテイメント業界に関わらず、タイトル通り「仕事」にどのように向き合うか、壁にぶつかったときにどのように乗り越えるのか、について語られているので、ビジネスパーソン全般に参考になる話が満載です。一流の人は、頭で考えるより、まず自分のやりたい方法で行動しているということがよくわかり、あまり頭でっかちにならない方がよいという学びがありました。

22 引き続き川村元気さんの小説じゃない本を読んでいます。この本は、ウディ・アレンやスティーヴン・スピルバーグといったハリウッドの巨匠と川村さんが新作映画の企画会議をしたらどうなるか、という空想を面白おかしく読み物としてまとめられた本です。毎回、ワンパターンな構成なのが少し気になりましたが、ハリウッド映画人のエピソードや映画に関する小ネタを巧みに交えつつ、エンターテイメントに徹した楽しい本です。ワインスタイン兄弟の回では、映画作品をプロデューサーというくくりで理解するという視点が、私にとっては新鮮でした。今後、監督だけでなくプロデューサーも意識して作品を観ようと思います。

23 こちらは、みうらじゅんさんと宮藤官九郎さんが連載されていた対談をまとめた本です。毎回、タイトルのようなお二人のささやかな疑問をテーマに語られていますが、基本は下ネタ全開となっていて、通勤中の電車内で読んでいてかなり気を使いました。しかし、下ネタ中心の対談の中に、時折、お二人の人生に対するいい意味での諦念と肯定感が伝わってきて、不思議と勇気づけられます。電車で読むことはあまりお勧めしませんが、嫌なことがあった日の夜にお酒でも飲みながら読むと、いい気分転換になり、翌日への活力の源になると思います。


■映画
18 のだめカンタービレ 最終楽章 後編/監督 川村泰祐
19 ムーンライト/監督 バリー・ジェンキンス

18 原作通りなのですが、自由奔放なヒロインのだめの内省的な葛藤が描かれる場面が多く、前編と比べるとあまり観ていて楽しくなかったです。その分、オーケストラ等の演奏シーンがすばらしくて印象に残りましたが、少し演奏シーンの比重が大きすぎる気もしました。いろんな事情により、二部構成にしたのだと思いますが、冗長な印象が残ったので、一本でコンパクトにまとめた方がよかったかもしれません。

19 今年のアカデミー作品賞受賞作です。映像や登場人物の心理描写にとても細やかな配慮がなされていて、丁寧に作られた感じが好ましいです。主人公の少年時代のメンター的な人物を演じてアカデミー助演男優賞を受賞した、マハーシャラ・アリを筆頭に俳優陣の演技も素晴らしいです。黒人社会の閉塞感もひりひりと痛いほど伝わってきます。でも、個人的には作品賞は「ラ・ラ・ランド」でよかった気がします。ダンスやストーリー展開など、ところどころに瑕疵があるところが、今一歩及ばなかったのかもしれませんが、あの才気が迸りまくった感じは作品全体としても評価されるべきです。一方、この作品は前回アカデミー賞での白人優遇批判に対する配慮や、加点主義ではなく減点主義で見た場合の欠点のなさがプラスに働いたのではと言う印象も残ります。そういう賞に対する個人的な感想を別にすると、ド直球の一途なラブストーリーをこれまでにないかたちで描いた隙のない佳作です。社会的な意義も高く、その点も評価されたのだと思います。多くの人に観られるべき作品です。
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