本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

みみずくは黄昏に飛びたつ

2017-05-13 11:05:23 | Weblog
■本
36 キラーストレス 心と体をどう守るか/NHKスペシャル取材班
37 みみずくは黄昏に飛びたつ/川上 未映子、村上 春樹
38 すべてはあの謎にむかって/川上 未映子

36 死の原因にもなり得るストレス、という意味の造語であるタイトル(「キラーストレス」)のテレビ番組(NHKスペシャル)の取材過程で得られた知識がまとめられた本です。最先端の研究の取材を通じて、ストレスが脳やホルモンなどに影響を与える(正確にはストレスが脳を反応させ、各臓器に影響を与えるホルモンを分泌し、その分泌が過度になると各臓器に悪影響が生じる)メカニズムをわかりやすく解説してくれます。最近はやりの「マインドフルネス」(「瞑想」のようなもの)や「コーピング」(「気晴らし」のようなもの)など、ストレスへの対処方法についても、研究成果に基づきその成果を科学的に説明されているので、安心して気軽に試してみたくなります。時には専門家に相談することの重要性にも触れられていて、意識や行動の変化につながるよい本だと思います。

37 村上春樹さんのファンでもあり、自身が芥川賞作家でもある川上未映子さんと村上春樹さんの4回にもわたる対談集です。1回目は村上さんが自身の小説家としての考え方を語った、「職業としての小説家」出版直後の対談なので、「創作」についての話題が、2回目以降は「騎士団長殺し」完成後の対談なので、この小説についての具体的な話題が中心となっています。と言っても、話題はいろんな方向に展開し、村上さん、川上さんの小説を読んでいるだけではわからないキャラクターが垣間見えてファンとしてはとても楽しめました。川上さんが、村上さんのインタビューなどの過去の発言を事細かに記憶されている一方で、村上さんは「騎士団長殺し」のキャラクターの名前を含め、過去の作品についてほとんど覚えてらっしゃらないところが面白かったです。それでも、村上さんはそれぞれの作品の核となる部分はきちんと記憶し、かつわかりやすく言語化されていて、プロの小説家としての凄みを感じました。

38 その川上未映子さんのエッセイ集です。東日本大震災直後に書かれたものが多く収録されていて、その影響が随所に見られますが、基本的には関西人らしくサービス精神旺盛な(自虐的な失敗談に思わず笑ってしまいます)楽しい本です。川上さんが妊娠されていた時期にも重なるので、出産や女性という性をテーマにしたものも多いです。村上春樹さんとの対談でも垣間見られたように、基本的には「死」を常に意識されている方だと思うのですが、その理解不能な「死」という現象への戸惑いや恐怖を、隠すことなく素直に語られているところに共感します。


■CD
21 達磨林檎/ゲスの極み乙女。

 もろもろの騒動により活動が休止されていた、「ゲスの極み乙女。」の最新作です。突如差し込まれる「ポエトリーリーディング」のような青臭い独白など、やりたい放題の内容で、楽曲に騒動の影響が受けていないところが頼もしいです。癖の強い歌詞以上に、メロディはどれも印象的で心地よく耳に残り、川谷絵音さんの迸りまくる才気が堪能できます。


■映画
27 みなさん、さようなら/監督 ドゥニ・アルカン

 「たそがれ清兵衛」がノミネートされた2003年のアカデミー外国語映画賞を取った作品です。「おくりびと」のような人の死を真っ向から取り上げた感動作かと思っていたのですが、意外と風刺の効いたコメディ作品でした。いかにもフランス人(実際には、カナダ、フランスの合作映画)らしい、どこか斜に構えた下ネタ満載のセリフまわしは観る人を選ぶと思いますが、子どもや友人に囲まれてこういう風に人生を終えられたらよいな、と思わせる作品です。個人的にはどのキャラクターにも今ひとつ共感できませんでしたが、その人を好きか嫌いかは別として、一人の人間の人生が終わるということが周囲にどのような影響を与えるか、ということが巧みに描かれていると思います。
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