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『はじめての森田療法』(読書メモ)

北西憲二『はじめての森田療法』講談社現代新書

森田療法に関する本は3冊目であるが、もっともわかりやすかった。

ところで、森田療法とは何か?

勝手な理解によれば、次のような考え方である。

「悩まないようにしよう」と思うほど悩んでしまう悪循環に陥ってしまうので、まず悩んでしまう自分の状態を放っておくこと。その上で、自分にできる作業に集中し、創意工夫をすればよい。そのうちに、悩みはどこかに消えていく。人間が精神病になる主な理由は、「かくあるべし」という理想の自己が肥大化してしまい、現実の自己と乖離してしまうことにある。

著者の北西先生は言う。

「「できないこと」をありのままに受け入れて、「できること」に注目し、それに取り組み、没頭することが問題の解決の鍵となることです」(p.88)

この考え方は、一般の人にとっても示唆に富む。

実は、デカルトも『方法序説』において近いことを述べていることに気づいた。デカルトは研究を進めるために4つの規則を提案しているのだが、第2と第3の規則が森田療法の考え方に近いのだ。

「第二は、わたしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること。第三は、わたしの思考を順序にしたがって導くこと。そこでは、もっとも単純でもっとも認識しやすいものから始めて、少しずつ、段階を昇るようにして、もっとも複雑なものの認識に昇っていき、自然のままではお互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと」(p.28-29)

まず目の前の「できること」から始め、ステップ・バイ・ステップで昇っていけば、結果的に「あるべき地点」に到達できるのである。

当たり前のようだが、これが実行できるかどうかが成長のカギとなるように思った。





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