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『からだ・こころ・生命』(読書メモ)

木村敏『からだ・こころ・生命』講談社学術文庫

精神科医として京都大学で教授をされていた木村敏氏は哲学者でもある。その木村先生の講演録が本書である。

木村先生いわく、「各個体は、集団の構成員として集団的な主体性を生きるのと同時に、各自の個別的主体性をも生きている(p.43-44)」という。

だから、「家族、友人、強い思想的、宗教的、政治的なきずなで結ばれた同志たちからなる「われわれ」集団では、それぞれの個人は自分自身が生きることそれ自体を通じて、集団全体の生命を分有している(p.87)」のだ。

次の箇所が心に残った。

「仲間のだれかが死んだとき、それはたんにその人が死んだというだけのことではなく、その集団全体の生命が ということはその集団を構成しているメンバー一人ひとりの生が それによって痛切な変化をこうむるということなのです。そこでは死は死んでゆく個人の出来事ではなくなって、仲間たち全員に分有される、この上なくアクチュアルな出来事になります。「死の連帯性」という言いかたをしてもよいでしょう」(p.87-88)

生命には、個人としての生命だけでなく、集団としての生命もある、という考え方に感銘を受けた。



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