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キャリアを左右する何げない一言

腹話術師のいっこく堂さんは、沖縄出身。コメディタッチの役者を目指して上京し、放送映画専門学校に入学するも中退。何年間かカラオケ大会の司会の仕事をしていたが、やはり役者になりたくて劇団民藝に入団したらしい。

しかし、まじめな芸風になじめず5年目くらいから退団を考えていたという。その頃を振り返って、次のように語っている。

「そんな91年の秋、米倉斉加年さんが座長を務めるお芝居があり、みんなで泊まった信州の旅館で宴会を開くことになりました。そこで、僕が宇野重吉さんや米倉さんのものまねを披露したら、米倉さんが「似てないけど、おもしろいから優勝。お前は一人でやっているほうが生き生きしてるね」とおっしゃったんです。その言葉に背中を押されて、僕は翌年に劇団を離れました」(p.3)

その後は独学で腹話術を修業し売れっ子になった彼だが、米倉さんの一言が人生を決めたといってもいいだろう。影響力のある人からの何げない言葉が、キャリアを左右することもある。

尊敬する人からの言葉に気をつけたい、と思った。

出所:ビッグイシュー日本版Vol.263(2015.May.15)

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