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研究という悪魔の奴隷

『さようなら、オレンジ』には、オーストラリアの大学で働く研究者の妻が出てくる。この夫婦が娘を亡くしてしまうのだが、その時の記述が印象に残った。

「夫のことを娘が死んでも研究に没頭していられる冷酷な人だと軽蔑していましたが、いまになってわかりました。彼は研究という悪魔の奴隷で、何が起きようがそれから逃れられることはできない可哀想な人なのです。心ではなくした娘のことをすすり泣きながら、ヴォーフやサピアやらにそれらの感情は拉致されて、実生活には役立たない学問の囚われ人になることをみずから望んだのです」(p.107)

この箇所はとてもよくわかる。自分はまさに「研究という悪魔の奴隷」になってしまっていると感じるからだ。「研究」を「仕事」に置き換えれば、ワーカホリックに陥っている多くのビジネスパーソンにも当てはまるだろう。

奴隷状態
から抜け出さなければならないと感じた。

出所:岩城けい『さようなら、オレンジ』ちくま文庫

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