旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

音はことばを運んでくる

2021-06-03 23:56:13 | 音楽
音はことばを運んでくる
さわやかに
さりげなく

音はことばを運んでくる
かなしげに
目を閉じて

音はことばを運んでくる
うれしげに
ほこらしく

ロザリオのソナタ
ハインリッヒ イグナツ フランツ ビーバー




はなもも

2015-02-25 23:57:08 | 音楽
上野駅の近くの病院に患者さんを見舞って 上野駅前の歩道橋を歩いていると 何とも美しい歌声が流れてきます。

こころは何ともほろ苦い青春時代に戻ってゆきます。



街じゅうにあふれている  どんなラブソングよりも
今 君の声が聴きたくて 立ちどまってしまうの



広い道路にくっついたほうの歩道の端に 若い女性が二人 路上ライブ
ひとりはギター もうひとりはキーボード

寒いけどずっと聴いていたい デュオ

恋を失った せつない おとめの心 を 歌っているのかな

透明性のある歌声は 澄んでいるのに あたたかい


「今の歌が最後の予定でしたが、立ちどまって聴いてくださった方がいるので
もう1曲歌います」

えっ ぼくのこと

詩が終わる前に パンフレットがおいてあるのに気づいて
1枚いただき
よく見たら CDがおいてある

「CDは1000円でーす」 おお買うぞ 郵便局で お金おろしておいて よかった

なんと握手付     てへー  何十年ぶりだ 

うれしくて踊るように駅に向かうと  CD1枚でいいかな
思い出の人 病の床にある人に もう1枚買おう と二人のところに戻りました

「もう1枚ください。病気の人にプレゼント します」

ぜひとせがまれて (ぼくからでなく 向こうから) もう一度 握手

てへー 一度で十分なのに     きょうは4回も

ところでパンフレットによると デュオの名前は「HANA MOMO」

遠い青春を思い出させてくれた歌は「Snow Night」


強制収容所での音楽

2014-01-28 23:49:01 | 音楽
人間の健康をつくり出すものとして、首尾一貫性(ストレス対処能力)が注目されています。

その研究の端緒はナチスの強制収容所を生きぬき、しかも更年期障がいにならずに生活できた人の生き方の秘訣を明らかにしたものです。

イギリスのチェロ奏者が、収容所のなかでクラシック演奏が許されていたことを証言したニュースを見ました。

ナチスの幹部はクラシックの愛好家が多かったとのことです。

音楽を愛する人がすべて善人とは言えませんが、音楽が危機的状況にある人を救う力を持つことは確かです。

北海道農民管弦楽団

2013-02-03 22:56:38 | 音楽
余市町で農園を営む牧野時夫さんが代表を務める楽団です。

農民の幸せには芸術が必要と訴え実践したのは宮澤賢治です。

賢治は昼間農作業にいそしみ、夜には農民たちを集め、科学やエスペラント、農業技術などを教えました。また、それとともに自らが唱える「農民芸術」の講義も行いました。

賢治は周囲の人々を集めたレコードの鑑賞会や、子ども向けの童話の朗読会も行いました。さらに賢治は農民による楽団の結成も考えて自らチェロを購入して練習に励んだほか、4人で向かい合って使えるようにした特注の譜面台まで製作していたそうです。もっとも、賢治自身もチェロの技術はほとんど上達せず、楽団は練習だけにとどまったというのもほほえましいですね。

牧野さんの発想は賢治から得ています。次は牧野さんのHPであるエコファームから。

主旨: 北海道在住の農家、および農業関係の仕事に携わる音楽愛好家が、農閑期に一堂に会して演奏会を行うことにより、自らの研鑚と地域文化の発展に寄与することを目的とする。農村文化の担い手との交流を図るとともに、都市住民に農村と農業についての理解を深めてもらう一助としても、積極的に各地での公演を行う。

団員の資格: 農家、非農家に関わらず当団の主旨に賛同して協力を惜しまない者であれば、誰でも参加できる。

現在団員数: 67名(道内全域の農家、農協職員、農業試験場研究員、道農政部職員、農学関係学生教員など)
ヴァイオリン17名、ヴィオラ8名、チェロ8名、コントラバス3名、フルート5名、オーボエ3名、クラリネット3名、ファゴット2名、ホルン5名、トランペット5名、トロンボーン4名、テューバ1名、パーカッション3名

先日賢治の故郷花巻と陸前高田で演奏会が開かれました。ベートーベンの田園などが演奏されました。その様子はNHKで取り上げられました。3月1日にも特集が組まれているそうです。

コレッリのコンチェルト

2013-01-26 06:51:10 | 音楽
随分久しぶりでNHK-FM「音楽の泉」を聞きました。けさはコレッリの曲です。

今年はコレっリの没後300年になるそうです。1653年生まれ1713年没。イタリアのボローニャ近くのフジニャーノで生まれました。その25年後にイタリアのヴェネチィアに生まれたのがヴィヴァルディです。

二人はイタリア後期バロックの作曲家ということになります。日本では圧倒的にヴィヴァルディのほうが有名です。「四季」を聞いたことのない人は稀でしょう。

久しぶりに菅野浩和『神の歌 人の歌―音楽史との対話』を読み返してみるとヴィヴァルディを酷評している。

・・・どの作品においても和声の進行は決まりきった流刑的なもの、リズムも変化に乏しく、曲の形式にも新鮮味がない。そうした内面の弱点を、表面的な旋律線の表情性や、名人芸風の技巧、そいてしばしば楽し気な表題性で補っているに過ぎない。

一方コレッリは

・・・新鮮で繊細な表情の妙味。憧れを望みつづけているような奥行きの深い楽想の進行・・・

と激賞する。確かに品性、格調の高さというものを感じます。

ボローニャとヴェネチィア。 

まちが人を育て、人が曲をつくるのでしょうか?