ひざの痛みはガチョウの足

~いま、整形外科医の診察力がヤバイ! ~

ガチョウの足の痛みを取ってみる 5

2017-05-06 09:32:03 | 日記
このところの記事の題目『ガチョウの足の痛みを取ってみる』というのは、『筋肉の痛みを取ってみる』という意味を代表したような表現です。

今回の記事は、まさに『ガチョウの足の痛みを取ってみる』になります。
つまり、ひざ下の内側に3本の筋肉がくっつく場所『鵞足/がそく』の痛みを取る話です!

先の記事では『3、ひざの内側』の痛みについて下記の様に書きました。

■最も痛い人が多い部位は『3、ひざの内側』の痛みです。
人の骨の構造上、人はひざの内側に負担がかかる動物なのです。

ひざの内側の痛みは、大きなケガの直後でない限り鵞足に関連する筋肉が原因のことが多いです。



つまり、縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はっきん)、半腱様筋(はんけんようきん)です。
なお、半腱様筋は半膜様筋と合わせてももの裏にあるハムストリングスで内側ハムストリングスと呼ばれています。





この痛みは一般的に『鵞足炎』と呼ばれていますが、レントゲンしか見ないで痛い部位も確認しない病院の先生の場合は、やはり関節の中に問題があると考えるでしょう。
そして、お決まりのヒアルロン酸の注射で終わり・・・もしも鵞足炎なら関節の外の問題なのでヒアルロン酸の効果は全くありませんね。

ひざの内側の痛みがすべて鵞足炎ではないかもしれませんが、まずは一般的に良く起こる鵞足炎を疑い触診すべきではないでしょうか?

皆さんには、鵞足を構成する3本の筋肉(鵞足3筋と略す)の触診を試みてほしいと思います。


【鵞足3筋の触診】鵞足3筋=縫工筋、薄筋、半腱様筋
難しい名前の筋肉が3本。
その筋肉はももの前側から見るとこのような形をしています。


骨盤の前、中間、後から出発した筋肉は3本まとまって膝の内側の下にくっつきます。
このくっつく場所が鵞足と呼ばれている場所です。(青い〇)
筋肉名や筋肉の位置など明確に覚えなくて結構です。


■右ひざが痛むときの鵞足3筋の触診法■
椅子に座ります。
左手を右ひざの裏に入れます。
左手の手のひら側を上にして、右ひざの裏の内側を触ってみて下さい。
軽く右ひざを曲げると、右ひざ裏内側のスジがはっきりとわかると思います。
そのスジは、詳しく触ると2本あると思います。
そして、その2本の間をさらに深く触るともう一本のスジが見つかります。
どのスジでもいいのでその先はどこまで続いているかを確認してみて下さい。
きっとひざ下の鵞足まで続いています。


■ひざ内側の痛みの取り方■
下の図で皆さんが触診している部位は青い矢印の部分です。
この3本のスジ(正確には腱といいます)の少し上側には鵞足3筋が集まってきているのですから、そこをほぐせばいいのです。
つまり、下の図の赤い丸の部位を徹底的にほぐしてみるのです。


椅子に座ったまま、ももの内側の下にテニスボールを入れて、両手でももを押さえつければ、鵞足3筋がほぐせます。



↑イメージとしてはこんな感じです。
もう少しひざに近いももの内側にテニスボールを入れると良いと思います。


これが、ひざの内側の痛みを取る方法なのです。






昔は、椅子に座って足首に重りを付けてひざを伸ばすように指導されて、『痛いのなら筋力をつけなさい。』と言われたものです。
私の中ではもう20年以上前の考え方です。
しかし、いまだに筋トレをしなさいと指導する先生は非常に多いのです。

もしかしたら、疲れきっていて痛みを出している筋肉をさらに疲れさせようとしているかもしれませんね。

ひざの痛みの原因を『筋力低下』と考えてしまうとこのような指導になってしまうのです。
つまり『ひざの痛みは、ひざ周りの筋力が低下するから痛いのだ。』と考える先生が意外と多いのです。

ひざの痛みの原因に『筋力低下』はありません。
筋力が低下したら膝が痛くなるのであれば、鍛えているスポーツ選手のひざの痛みの説明が付きません。
また、寝たきり状態の方は筋力が低下しますが、皆さん膝が痛いのでしょうか?

と、書きながら・・・実際は、筋力は低下しているかもしれません。
しかし、筋力低下をひざ痛の原因と考えるのではなく、その筋力低下の原因を掘り下げて考えた時、真の原因が見つかるのです。

その真のひざ痛の原因とは関節内の炎症性の痛みか、関節外の筋肉の病気による阻血性の痛みなのです。




今回は記事が長くなったので最後の■『4、ひざの外側』の痛みについては次回にまわすことにします。

今回の記事は非常に重要ですので、ひざの内側が痛む方はぜひ試みて下さい。
少しでも改善の兆しがありましたら、ひざの痛みはきっと改善します。







関節の痛みは、本当に関節の痛みですか?





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