アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

わが心の歌舞伎座

2011年02月09日 | 歌舞伎


歌舞伎を愛する全ての人に贈る、
史上初のドキュメンタリー映画

2011年1月20日(木) 
東劇

わが心の歌舞伎座
配給:松竹
監督:十河壮吉
撮影:柏原聡
照明:藤井克則
音楽:土井淳
出演:市川團十郎/尾上菊五郎/片岡仁左衛門/
 坂田藤十郎/ 中村勘三郎/中村吉右衛門/
 中村芝翫/中村富十郎/中村梅玉/坂東玉三郎/松本幸四郎

もうね~オープニングで、
舞台から見た客席ってのが
映っただけで…涙ドッバ~

あんなこともあった、こんなこともあったって
思い出しては、鼻水ジュルジュル~

歌舞伎座が戦後再建されて60年。
私が通ったのは
その内のたった10数年…。

「いろは」で並ぶ席番を見た時、
観劇人生の中で、
やっと日本ならではの劇場に
出逢えた喜びに、
心がフルフルしたっけ♪

寝ても覚めても歌舞伎♪歌舞伎♪
レロレロのデレデレだったなぁ。

何度も何度も何度も足を運んだ
1階席から幕見席まで…。
って、天井桟敷は映らなかったぞぃ。
残念無念…。

通えば通うほど、
もっともっともっと早く
歌舞伎と出逢ってたらヨカッタのにぃ。
チクショー!って。

芝翫から始まる幹部達の思い出話。
それが花道だったり、
舞台の上だったり、奈落の脇だったり、
3階ロビーだったり、楽屋だったり…
100%歌舞伎座!

毎年12ヶ月間、フル稼働する劇場で、
様々な役を演じてきた俳優達。
その珠玉の舞台の数々も…。

吉右衛門
義経千本桜 大物浦』『俊寛』『熊谷陣屋

想い入れドップリな演目ばかり♪
も~ど~にも止まらなぁい。涙ぁ

知盛が身体に巻きつけた
碇の綱がズルズルと伸びていく…
クルクルと螺旋状に海底へ引っ張られ…。
グゥゥウウ

相模と藤の方、両方を制して
「騒ぐな。お騒ぎ召されるな。」
低く、鋭く、小さく、優しく言う直実。
ズームで見ると、
こんなに細かい表情なのか…。

衝撃的だったのが、
「十六年は一昔、夢だ、夢だ」
あの引っ込み。
ドアップで見る直実の顔に
涙がツーっと…。
私も一緒にポロポロ…

団十郎弁慶(『勧進帳』)
飛び六法で、揚幕に戻ってきてから
弾んだ息がなかなか静まらない。
そのまんま、階段を降りて、
弟子に押してもらいながら昇って、
楽屋へ帰って…。
衣装を脱いでいると、
楽屋口から、口々に聞こえる
「お疲れさまでした」「ありがとうございました」
その度に、優しい声で
「はい」「はい」と答える成田屋♪

玉三郎はなんじゃろうと思ったらぁ。
来たぁぁ。
天守物
富姫が灯らせた燭台を、
受け取ろうとする図書之助(海老蔵)。
その顔を見ながら…。
言うぞ~言うぞ~もうすぐ言うぞ~
富姫えぇぇ…
「帰したくなくなった」
ウッキャァア。
泉鏡花ワールド全開♪

富十郎の元気溌剌な姿に…
ジ~ン…

まるで川の流れのように、
時は留まることをしらず
世代交代はゆっくりと進むんだ…ね。

エ!休憩あるんかい…っ。

やっと仁左衛門の出番が。
わぁああ!
菅原伝授手習鑑
菅丞相を演じる仁左衛門。
粛々と楽屋で過ごす姿が…。
これ!本邦初公開でっしゃろぉ。

若かりし頃、初めて
上方から東京に来た時、
歌舞伎座の楽屋に床の間がある!
ビックラこいだ話を、
あの笑顔でするんやでぇぇえ。
エヘエヘ~♪

ウッピョ~~♪♪
大部屋が映ったぁぁあ。
大感動~~!!
野郎どもがたっくさんっっ。
あ、レディースな男性達もっっ。
あのザワザワがなんともいえねぇ♪

そうして、
歌舞伎座の一角で、
とんぼを切る練習に励む人たち。

名のある人ばかりじゃぁない。
こういう人達あってこその
華やかな舞台なんだね。

仮名手本忠臣蔵
「由良之助は…」
判官切腹の場面
客席から見えないんだけど、
舞台の袖では、
何十人もの御家来衆が、
平伏してるんよぉ。
いっつもその状況を、
想像するだけだったのにっ。
うぎぁああ!目の前にぃ。ウルウルゥ

裏方さんの仕事もバッチリ公開!!
ヒャッホ~~~イィ♪

座頭の注文を頷きながら聞いてる。
絶対に「出来ない」
なんて言わないんだろうなぁ。
歌舞伎座の中にある作業場で
背景の塗り直しが黙々と…。

『仮名手本』の舞台転換がブラボ~。
回る舞台の上で場面転換ってのにクラリ♪

舞台袖から見る幕引きさん!
幕を押して、引っ張って、走って。
体重の掛け方がカッチョエェ~♪

ウキャキャ♪
狂言方の仕事もツボ♪
拍子木の音が好き♪

鳴物、下座、附け打ち
嗚呼ぁぁ悶絶しそぉぉおお♪

2009年1月「古式顔寄せ手打ち式」から、
今年4月30日の歌舞伎座閉場式まで、
16ヶ月間が終わる…。
最後の幕が降り…
楽屋を出る俳優たち…。

誰もいなくなった歌舞伎座の廊下。
掃除をする人の後ろ姿が、
だんだん小さくなって行く…。
嗚呼…ビエェエエン

芝居小屋って、
ただの建物じゃないんだね。
人間の色んな心の積み重ねで、
息づいているものなんだ。
私の想いもそこに。
銀行から引き出しまくったお金もそこに…。

映画館を出て、
いつものように銀座方面へ…。
右手に…
見えるはずの歌舞伎座は…。
ついさっきまで
スクリーンに映し出されてた
あれはもう幻か…

わが心の歌舞伎座よ、永遠に…。
感謝をこめて…ありがとう



わが心の歌舞伎座HP
シネマトゥデイ (写真ギャラリー)

画像:前売り券特典
“昭和26年第四期歌舞伎座開場式版
復刻デザイン”チケット袋


2 コメント

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私も見てきました (みゆみゆ)
2011-02-09 23:36:19
こんばんは。

私も見てきました。
仰るとおり、冒頭から涙で(^^;
そして歌舞伎を好きになってよかったと思った映画でした。

東劇でご覧になったら、余計に今の歌舞伎座の風景が~・・ってなってしまうでしょうね。
新しい歌舞伎座も素敵な芝居小屋になることを願うばかりですね。
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涙なしでは… (かしまし娘)
2011-02-10 11:40:57
みゆみゆ様
やはり冒頭からですか!
こんなに鼻水ズルズルで泣きまくるとは思わず…。
ハンカチ持っててヨカッタ(笑)
私が行った日はガラッガラだったので、左右に人もおらず
おもいっきり涙しました。

レポも書き出したら止まらず(苦笑)
もっと簡潔に書くはずだったのに。
もっと歌舞伎座について書こうと思ってたのに。
結局、演目話になってしまって…。トホホ

歌舞伎に出逢えてヨカッタ。
私の人生への衝撃的な出来事の1つです。

新しい歌舞伎座には、これほど深い愛を持たないかもしれませんが(笑)
愛していきたいと思います♪
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