アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

女殺油地獄

2009年06月18日 | 歌舞伎


6/9(火) 
 歌舞伎座 3階1列下手

片岡仁左衛門
  一世一代にて相勤め申し候

女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)

近松門左衛門69歳という最晩年の作品で、
文楽(人形浄瑠璃)の為に作られた。

初演は享保6年(1721)大坂竹本座。
長らく上演が途絶えていたところ、坪内逍遥らの研究もあり
明治42年に歌舞伎として初上演。
昭和27年にラジオ放送。
昭和37年に文楽として復活を遂げる。

主人公大坂天満の油屋河内屋与兵衛の人生、
どこで歯車が噛み合わなくなったのか。
或いは、最初からこうなる運命だったのか。

母が貰った後添えは店の番頭。
新しい父は、与兵衛をついつい甘やかす。
兄は、自ら店を持つまでになり、
妹は、母と新しい父の子供。
彼だけが、取り残された気になったのではなかろうか。
若さというパワーを持て余し、23才にして親掛かり。
女にちょっとモテル顔。油屋の次男坊。
いつしか悪い友人と連れ立って歩くようになる。

そこから先は、もう誰もが想像する通り、
転落して行くのよ~。

参道の賑わいの中、
幼い子供を連れてやって来たのは
豊島屋のお吉(孝太郎

この子供・お光は千之助
キャワイイわ~♪

金太郎くんも人気だけど、
松嶋屋の坊もエエんやでぇぇ。

お花畑で、チョンチョン。
指先でお花を触ってるぅ。
キュ~ト♪

与兵衛(仁左衛門)の馴染みの芸者が
野崎参りに!
田舎のお大尽と一緒らしい。

待ってましたっ!!

芸者を追っかけてきたぁぁあ!!
グワァァァァァ!!仁左衛門じゃ~。
う…嬉しいぃ♪

与兵衛ったら、
お吉にたしなめられてまっせぇ。

この2人親子やん、本当は。
それが全然逆転してみえるから、
不思議ぃぃ。
松竹座で観た時もおんなじ事感じたなぁ。

仁左衛門&孝太郎のカップリング
大好きぃぃぃ♪

芸者小菊(秀太郎
いや~ん♪やっぱり色っぽ~い♪

「小菊という名が一つ出れば、
与兵衛という名は三つ出るほど深い仲ではござんせんのか」

仁左衛門&秀太郎のツーショット!
しかも恋人同士♪
ほんまは兄弟やねんけどぉ。
ズデギィイイ♪これお宝やでぇ♪

田舎のお大尽と土手で大喧嘩!
投げた泥が…。
ゲ~ッ。
通りすがりのお武家様にビチャッッ。

お供の一人が、なんと叔父(弥十郎)!
「帰りには首を刎ねる!」

1人パニクッてる与兵衛っっっ。
そこへお吉が通り掛って、
「地獄で地蔵とはこのこと」
店の中で、着物の泥を拭いてもらうよ。

やってきた
お吉の旦那・七左衛門(梅玉)が激怒っ!

「帯といて~ベベぬいで~」
千之助くんのこの台詞にククク。
そりゃ~勘違いするわいなぁ。

こざっぱりして出てきた与兵衛。
「面目ない」
そう言いって殊勝な顔してるけど…。

やっぱり与兵衛やなぁ。
難を逃れてみたら、いつもの傍若無人。

ケロッとした顔で、
義父・母・妹を殴る蹴るの暴力三昧。

母おさわは秀太郎
なんと2役目っ。
さっきはあんなにキレイなベベやったのにぃ。
でも着こなしてるわぁ。
メイクももちろん、おっ母さんに変~身。

フツーなら、竹三郎が演るんだろうけど、
坂東竹三郎の世界』があるから
秀太郎ってことになったんじゃぁ…。

嬉しい♪
竹三郎もエエお母ちゃんやねんよ。
でも、秀太郎のこういう役って珍しいやん♪

上方言葉がしみついてる役者が醸し出す
”大坂の空気”が歌舞伎座に充満♪

ええなぁ、やっぱり。
なんも考えんとボ~ッと観れるって♪
ちょっとアクセント違うと、カチンってくるやん。
それがないもんやから。ああ極楽♪

ほ~ら!勘当されても~た。
「判ったわい!」
そう言いながら花道で
弱気になって心はオロオロ。

でもお父っつぁんが見てることに気がついて、
キッと表情固くして行っても~た。
あ~あ…。

実は与兵衛、借金の返済で崖っぷち!
明日の朝までに一貫目を手にしなければ…。
最後の頼みの綱は、お吉。

豊島屋では
子供が髪を梳いていると、
櫛の歯が折れたり…。

旦那が1度帰宅して、
また掛取りに出かける時に、立ち酒。
「野辺の送りの時のもの縁起が悪い」

お吉の最期を暗示するのか…。
ああ、悲劇の予感…。

与兵衛がやって来た!
そこへ両親がっ…。
隠れて、耳をダンボにしてる与兵衛。

なんと、金を置いて行きよったっ!
ちまきも!
それ食べたぁい♪

「先程から門口で蚊に食われるのにも我慢して
親たちの愁嘆聞いて、涙こぼしておりました」

しおらしいですなぁ与兵衛さん…。
そんな事言いながら

「この金では足りない!ちょっとお金貸してぇ」

ちょっぴり心が動くんだよねお吉さん。
でも”狼少年なんだ”って、思い直してきっぱり断るよ。

パキッッッ
与兵衛の心の何かが折れた…。
非情な眼つきになってしもうた…。

あの目!!
忘れられまへん。
もののけが取り憑いたみたいな、あの…。

「不義になって貸して下され」
お吉に迫る与兵衛!

最大の見せ場は、
油でツルツルの床を滑る場面。

文楽は、スピーディーで
摩訶不思議なリアリティがあるけど、
歌舞伎は、スローモーション。

そう、このシーンはいつも美しい♪

なのに…笑いはりますかぁ、そこで。お客さん。
2人がズルッと転ぶたんびにっ!
怒るでしかし!(by横山やすし)

床に広がったお吉の帯。
その上を歩く与兵衛の姿が好き。

やがて…
明かりが消えた深の闇。

鼻をつんざく臭いはお吉の血なのか、
流れ出た油か。
耳に届く荒い息使い…。
…何も…動かない…。

与兵衛は、血と油と汗だらけの手で、
震えながら戸棚から金を掴み取り、
店を後にした…。

花道で、見据える与兵衛の目には
何が写っているのか…。

上からほぼ真正面でガッツリ!
目撃したよぉぉお。
あの眼差し…。
忘れへん。一生忘れられへん!

与兵衛ってどら息子やん。
どうしようもないヤツやん。
ムカっとくる時あるのよね。観てて。

でも、今日は
与兵衛の心の底を感じた。
今までだって、
キャッチしてなかったわけじゃないけど…。

 ”上方歌舞伎で大事なのは
          人間描写役の性根”

仁左衛門が演じる与兵衛の集大成を観た!
御本人は「いつも通りです」みたいなことを、
スタジオパークからこんにちは”で
言うてはったけどね。アハハ。

ビエ~ン…
わたしゃ幸せ者だよぉぉ。
クッキリ心にグッサッリぃぃ。

さらば…さらば…仁左衛門の与兵衛…

レポ → 彼が去った跡は
              6月歌舞伎座特別ポスター
              一世一代の与兵衛

こんな「女殺油地獄」もあるよ
   → 浪曲  
             
松田優作

6/3~27
昼の部 正札附根元草摺 角力場 蝶の道行 女殺油地獄

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16 コメント

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場違いな「笑い」? (よんたん)
2009-06-18 12:09:43
まいど~!

そう!そうなんですよ!
何故にここでお客さん笑うんでしょうかね?
全然笑うところじゃないのに・・・・。
スッテンコロリンと転がるのが可笑しいから?

すごい違和感を覚えます・・・・
そうなんですよ!! (かしまし娘)
2009-06-18 12:52:16
よんたん様
私が観た日だけじゃなかったんですね!!
よんたんさんの時も!
…以前からあそこで「笑い」があったのかしらん…。
全然気がつきませんでした…。11年前はこんなことなかったはず!

舞台でラブシーンがあったりして、観客が恥かしい時、笑ってごまかす。
そう聞いたことがありますが、この場合、恐怖を克服するためでしょうか。

それとも物語に入り込んでないってことかも。
何気に観てるだけじゃ、スッテンコロリンってされると、
プププってなりますもんね。
なんだかなぁ…。
あの笑いは (麗)
2009-06-19 00:25:39
毎度のことなんですか!
緊迫した殺しのシーンで笑うなんてありえないんですけどぉ。
私が観た回だけじゃないんですね・・・。
滑って転ぶ姿って面白いかもしれないけど、
このお話のこのシーンで笑うとは。
>物語に入り込んでないってことかも。
まさしく、そうなんでしょうね。

しかーし!
仁左衛門さんの与兵衛は美しかった♪
惚れ惚れしちゃいましたよ~。
若干23歳!(笑)
若干無理がありそうな23歳!(笑)
でもでも美しかったから許しちゃいます♪
ええ! (かしまし娘)
2009-06-19 16:51:32
麗様
毎回なんだぁ。麗さんの時もか…。
最近は、「ここ笑うか!?」って場面で
よく笑いますけどねお客さん達…。
そういう時は、
私だけの貸切公演にして欲しくなります!(笑)

ええ!無理なんかじぇんじぇんありませんよぉ(笑)
皺なんて見えないし、どっから観ても23歳!
よかったですね (みゆみゆ)
2009-06-19 22:45:22
お芝居自体が初見でしたので新鮮な気持ちかつ気合で見てました(笑)
最初で最後なんだなぁ・・と思うと残念ですが、見ることができてよかったです。
こんばんは~♪ (真あさ)
2009-06-20 00:17:26
仁左衛門さんの与兵衛が見たくて1階席(二等だけど・笑)にしたのよん

うん、いやもう素晴らしかったです。
かしましちゃまのブログ読んで、舞台がよみがえってきました~
ありがとうございます。

心に深く深く刻んできました。
で、きょう演舞場の帰り歌舞伎座寄って舞台写真買おうって思ったら・・・
ありゃまあ、時間制限があったのねとほほ~
そ~なんよ (どら猫)
2009-06-21 08:34:17
まいど
最近はどうしてここで笑うのってところで、笑いが起きます。めちゃ、ハラが立ちます。
芝居に入り込んでいないのか、役者の顔だけ見てたらそれでいいのか分かりませんが、邪魔になるったらないんですよね。
楽日にはそんな客がいないことを切に祈ってます。
 仁左様、やっぱり素敵だったんだねぇ。もう今週の末になりました観劇日。嬉しいけど、寂しいという複雑な気分を味わってます。
松嶋屋ファミリー! (masachan5♪)
2009-06-21 22:27:43
かしまし娘さんまいどこんばんはです!
キャー♪ 松嶋屋ファミリーで「女殺油地獄」
うーん...観れないですが、この面白さは感じ取りました!笑いが...与兵衛とお吉油まみれの場面で起きたのですか。二月に松竹座で観ましたが笑えない...真剣に観ていたから?

え、浪曲もあるんですか!? 先月、名古屋でおもだか屋の芝居に浪曲が使われていて、それから浪曲CDを探しては聴いてまふ。
ですね♪ (かしまし娘)
2009-06-22 13:00:01
みゆみゆ様
ラストに立ち会えた幸せ♪
これは一生もんですね♪ウフ
ちわ~っす (かしまし娘)
2009-06-22 13:00:33
真あさちゃま
OH!エライ!1階とは羨ましいぃ。

時間制限って…。終演まで売ってるわけじゃないんですよぉ。
売ってくれればいいのにね。終わった後「最後のヨカッたなぁ」って
気持ちの人が絶対に購入するのにね。
後、休憩時間も入れてもらえないし。
タイミングをはかって飛び込まないと…。残念でした真あさちゃま(涙)
あ!私も舞台写真見に行かなくっちゃ。

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