社内抗争が「お家芸」とまでいわれる日航で、また内紛が明るみに出ましたのは先月10日のことで、国際線会社の取締役4人が、管理職約50人の“連判状”を携え、持ち株会社(本社)の新町社長と副社長、専務の3代表取締役の退陣を迫ったことから始まりました。
普通の企業ならトップは造反役員を直ちに解任し、内部態勢を固めるものですが、そうはならなかったところにこの会社の異常さがあるといえます。
新町社長は要求を拒否しましたが、造反した役員4人も引かず、約3週間で、この要求に同調する部長ら管理職の署名は約400人に達する事態となり、社内の混乱収拾のためついに異例の社長交代となりました。
新体制は新町社長が代表権のない会長に残り、新社長には新町退陣を迫った反対派ではなく、「中間派」ともいえる財務担当の西松遥取締役が6月の株主総会後に昇格すると報じられました。
『これで日航の迷走が終わるかどうか予断を許さない。社内抗争の「妥協の産物」的な色彩もある西松新体制がどこまでリーダーシップを発揮できるか不透明な上に、日航を取り巻く環境は一段と厳しさを増しているからだ』(2006.3.2 日経)。
社長の解任劇といいますと、1982(昭和57)年、日航機の羽田沖墜落が起きた年ですが、老舗百貨店・「三越」のケースが有名で、その後ろ盾があることで出入り業者の女社長竹久みちが「女帝」と呼ばれるなど、当時の社長岡田茂氏の権勢は絶大でしたが、取締役会で突然退任動議が可決されました。岡田氏が動議賛成で起立する役員らを呆然と見回して言った「なぜだ」の言葉は後世に残りました。
『草の根の市民が立ち上がるケースが目立つが、日本を代表する企業の人事抗争で使われたのには驚かされる。日本航空で社長退陣を求め、約四百人の管理職たちが署名した。それもあってか、きのうの臨時取締役会で経営陣の交代が内定した▲長年にわたる激しい派閥争いでも知られる同社で、署名は営業や労務といった旧来の派閥を超えて広がったという。突き動かした背景は何か。経営陣の求心力不足を指摘した幹部もいる』(2006.3.2 中国・天風録)。
日航はこれまでも営業部門と管理部門などで激しい派閥争いが繰り広げられ、旧日本エアシステムと経営統合したことで、これに拍車がかかり、社内の風通しはさらに悪くなったといわれています。労組が九つに分かれているため、合理化は遅々として進まない。機材が老朽化し、運航費のコスト競争力も弱い。路線の見直しも不十分だ。と指摘されています。
さらに、「管制官の許可なく滑走」「尻もち着陸」「タイヤ脱落」「エンジン出火」「空から部品落下」。昨年来、日航が起こしたトラブルは枚挙にいとまがなく、昨年3月には国土交通省から事業改善命令を受けました。企業イメージが下がって、乗客離れが進み、原油高に伴う燃料費高騰にも見舞われています。
業績は今三月期は470億円の最終赤字になる見通しで、負債は2兆円を超えており、複合的な要因による赤字転落だけに、再建は容易ではなさそうです。
『今の航空サービスは中型機を短い間隔で頻繁に飛ばすシャトル型の運航モデルが中心になりつつある。ところが、日航は依然としてジャンボ機への依存度が高く、少ない便数で大量の乗客を運ぶ一昔前のモデルを続けている。弱体な財務基盤のままでは機種更新が遅れ、「いつ空港に行っても短時間で乗れる」というニーズに的確に応えられない』(2006.3.2 日経)。
『会社を窮地に追いやる経営陣には二通りある。ふた昔も前、旧住友銀行の会長だった磯田一郎氏から持説をうかがったことがある◆「ばか同士が仲良くしているか、りこう同士が反目し合っているか、どちらかだ」と。(中略)◆業績は悪い。ひやりとさせる運航トラブルはつづく。内紛のおまけまでついた騒々しい会社に客が命を預けたいと思うかどうかは、日航自身が肌で知っていよう。りこうな人たちの考えることは、つくづく分からない』(2006.3.2 読売・編集手帳)。
普通の企業ならトップは造反役員を直ちに解任し、内部態勢を固めるものですが、そうはならなかったところにこの会社の異常さがあるといえます。
新町社長は要求を拒否しましたが、造反した役員4人も引かず、約3週間で、この要求に同調する部長ら管理職の署名は約400人に達する事態となり、社内の混乱収拾のためついに異例の社長交代となりました。
新体制は新町社長が代表権のない会長に残り、新社長には新町退陣を迫った反対派ではなく、「中間派」ともいえる財務担当の西松遥取締役が6月の株主総会後に昇格すると報じられました。
『これで日航の迷走が終わるかどうか予断を許さない。社内抗争の「妥協の産物」的な色彩もある西松新体制がどこまでリーダーシップを発揮できるか不透明な上に、日航を取り巻く環境は一段と厳しさを増しているからだ』(2006.3.2 日経)。
社長の解任劇といいますと、1982(昭和57)年、日航機の羽田沖墜落が起きた年ですが、老舗百貨店・「三越」のケースが有名で、その後ろ盾があることで出入り業者の女社長竹久みちが「女帝」と呼ばれるなど、当時の社長岡田茂氏の権勢は絶大でしたが、取締役会で突然退任動議が可決されました。岡田氏が動議賛成で起立する役員らを呆然と見回して言った「なぜだ」の言葉は後世に残りました。
『草の根の市民が立ち上がるケースが目立つが、日本を代表する企業の人事抗争で使われたのには驚かされる。日本航空で社長退陣を求め、約四百人の管理職たちが署名した。それもあってか、きのうの臨時取締役会で経営陣の交代が内定した▲長年にわたる激しい派閥争いでも知られる同社で、署名は営業や労務といった旧来の派閥を超えて広がったという。突き動かした背景は何か。経営陣の求心力不足を指摘した幹部もいる』(2006.3.2 中国・天風録)。
日航はこれまでも営業部門と管理部門などで激しい派閥争いが繰り広げられ、旧日本エアシステムと経営統合したことで、これに拍車がかかり、社内の風通しはさらに悪くなったといわれています。労組が九つに分かれているため、合理化は遅々として進まない。機材が老朽化し、運航費のコスト競争力も弱い。路線の見直しも不十分だ。と指摘されています。
さらに、「管制官の許可なく滑走」「尻もち着陸」「タイヤ脱落」「エンジン出火」「空から部品落下」。昨年来、日航が起こしたトラブルは枚挙にいとまがなく、昨年3月には国土交通省から事業改善命令を受けました。企業イメージが下がって、乗客離れが進み、原油高に伴う燃料費高騰にも見舞われています。
業績は今三月期は470億円の最終赤字になる見通しで、負債は2兆円を超えており、複合的な要因による赤字転落だけに、再建は容易ではなさそうです。
『今の航空サービスは中型機を短い間隔で頻繁に飛ばすシャトル型の運航モデルが中心になりつつある。ところが、日航は依然としてジャンボ機への依存度が高く、少ない便数で大量の乗客を運ぶ一昔前のモデルを続けている。弱体な財務基盤のままでは機種更新が遅れ、「いつ空港に行っても短時間で乗れる」というニーズに的確に応えられない』(2006.3.2 日経)。
『会社を窮地に追いやる経営陣には二通りある。ふた昔も前、旧住友銀行の会長だった磯田一郎氏から持説をうかがったことがある◆「ばか同士が仲良くしているか、りこう同士が反目し合っているか、どちらかだ」と。(中略)◆業績は悪い。ひやりとさせる運航トラブルはつづく。内紛のおまけまでついた騒々しい会社に客が命を預けたいと思うかどうかは、日航自身が肌で知っていよう。りこうな人たちの考えることは、つくづく分からない』(2006.3.2 読売・編集手帳)。








今までANAしか乗ったことがなく、別にJALがどうなっても構わないといえばそれまでなのですが、役員から辞職を迫られる、というのは異常事態ですよね。
新町社長の記者会見を聞いていても、危機意識が感じられず、他人事のような話しぶりに大いに疑問です。
JALの機材が古いのもよく言われますね。旧JASのMD型機が未だに幅を利かせているようでは先が思いやられます。
経営陣がこんな体たらくで、批判の矢面にたたされる現場の人たちが本当に気の毒です。
コトを大きくしたり、混乱させる背景って何でしょう? 自己保身でしょうか。
まだまだJALは“第二弾”があるような気がしてなりません。墜落事故だけはカンベンです。
何を問題として、どう解決していくのかが見えないままに
社長だけが交代した感しか残りませんでした…
航空という人命を多数預かる業種だと思うと
「会社の体質だからね」と言い切って
他人事だと思うに、思えないというか…