つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

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反日デモをめぐって―社会・政治・歴史から(1)

2012-09-21 17:52:27 | 日記
尖閣諸島の日本政府による買収に反発して、先週週末(15日16日)と満州事変発生の記念日である9月18日に、中国国内数十か所で反日デモが起こった。
その間、日本では、ニュースはこの話題でもちきりで、暴徒化した群衆が日本領事館に投石したり、日本企業の店舗や工場を破壊・略奪する様子が繰り返しテレビで流れて、中国中が反日デモで騒然としているような雰囲気になっていた。
この問題について、(1)社会、(2)政治、(3)経済、(4)歴史の各側面から、考えてみたい。
(1)社会:多くの人が中国にいる日本人の安全を心配したようだが、別に普通に生活している人にとっては何も問題はない。
それがよくわかる上海在住の友人・佐々木愛さん(島根大学教員・中国前近代史)がFacebookで伝えてきたかの地の様子を、ご本人の許可を得て転載します。

<以下、佐々木さんのFacebookより>
9月17日:中国でのデモを心配するメールを何通もいただきました。ご心配おかけしております。確かに尖閣諸島を日本が国有化するというので、テレビでみる中国政府の態度はかなり硬化し、それは先月段階のそれとは比べものになりません。しかし、”「政治・外交問題」と、「社会で生活する個人」とは関係ない”というのが普通の中国の人の考え方です。血の気の上がったデモ隊に近づいて挑発でもしないかぎり、私の身の上にはまず何も起こらないでしょう。心配ご無用です。
  さて、一昨日の土曜日、私は南京で、ちょうどデモをしているところに遭遇しました。地下鉄の駅から地上(南京の中心・一番の繁華街)に出たら、ちょうどデモが来たところでした。デモをしていたのは30人ぐらい。はああ?と思うほどの少なさでした。しかし道の両脇をずらりと警察が固めていて、まるで警察の駕籠のなかでデモをやらせているような感じでした。どうみてもデモ隊より警察のほうが数が多い。(当初想定より人数が集まらなかったということかもしれません。)デモは非常に整然としたもので、整然とスローガンを大声で言っていて、何も危険な感じは受けませんでした。デモ隊の先頭に大きな中国の国旗を持った人がいて、その次に何人かの人で横断幕を持っていて(何が書いてあるのかはよく見えなかったのですが、ちゃんと旗屋さんで作ったもの)、で、デモ隊が持っているのはそれだけでした。日の丸をどうとかしたりとか、それぞれ手製の何かを持っているとかいうこともありませんでした。デモより、「あ、デモやってる!」とたくさんの野次馬が携帯やスマホで写真を撮ってるのが印象的でした。あの「南京」でこういう状況であるというのは興味深いことでした。まあこんな感じのデモでも「中国全土でデモ○件」のうちに勘定されるわけですね。
9月20日:上海に駐在等で定住している日本人は5万人だそうです。上海といっても古北と浦東に日本人専用マンションというのがあって、駐在員やその家族はみなさんそこにお住まいだとか。
私はこういう駐在員社会とは無縁なので、そちらの様子はわからなかったのですが、今日会った上海の人は、駐在日本人家庭に中国語を教えにいっているそうで、様子を話してくれました。なんと上海の日本人学校はデモを考慮して二日間も学校が休みになり(←どうしてこういう判断になるんだ?)、家でお母さんは子供と「こんな怖いことになってどうしましょう」とおびえていたそうです。(ひえー!)そこで彼女が「そんなこと上海は全く関係ない、日本領事館の近くにさえ行かなければ何も起こらない」と言ったそうですが(←こう考えるのが普通でしょう、やっぱり)、しかしそこのお母さんには信じて貰えなかったとのこと。彼女曰く「あそこにいる人達は、日本人だけで住んで、日本の衛星放送のテレビを見て、日本のものだけを買って食べて暮している。上海の中に日本の社会がそのままぽんとあるようなもので、上海と関わりがない。」(以下、省略)
9月21日:今日は授業の日。学生たちに、反日デモの事について聞いてみました。「あれは政府のやったショー。私たちには、ま~ったく関係ない。」「デモに行くのは動員された人と、それから貧乏で不満がある人だ。普通は何も関係ない」(私:この大学でデモに行った人はいないの?)「まあいたかもしれないけど、それは騒ぎたかっただけ。アイドルのコンサートに行って騒ぐのと同じ。」「今、ちょうど中国は指導部が変わるところだから、それでこんなことになってるんだ」。云々と非常に普通な答えが。
 ちなみに、誰も上海でのデモを目撃していません。そりゃ大学から日本領事館までバスで1時間ぐらいはかかる。わざわざ見に行かないかぎり見られるものじゃない。私も上海ではデモを見ていません。(以下、省略)

このように、反日デモは中国のごく一部で起こっていることで、普通に生活している中国人にも日本人にも関係ない。
ごく一部の出来事の、特に過激な場面が繰り返しテレビで流れて、中国全土はあたかも日本人にとってとても危険な場所であるかのような印象が作られたのは、2005年の反日デモの時もそうだった。(マスコミの責任は大きい)
中国では、政治と自分たちの暮らしは別ものだと、普通の人は思って暮らしている。一部で過激なことを言っている人がいても、普通の中国人は隣の日本人を殴ったりしない。マスコミによって「作られた」印象であたふたしてはならない。(続く)




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