変人技術士の備忘録(別称:すいりき板改)

技術士の日々の思いつきを列記。
すいりき板は、出身研究室の掲示板(現在閉鎖)
専門用語を不定期掲載

Human Resources Department observing(人事部は見ている)

2017-09-23 12:22:51 | 読書
 図書館で借りて読んだ楠木新の”人事部は見ている”の感想を以下に記す。元々橘玲の”幸福の「資本」論”で引用されていたので、読んだ。本書の主張が、橘玲の”幸福の「資本」論”と重なる個所が多いように感じた。
 著者の人事部での所属経験や人事部の(元)担当者からヒアリングした内容を元に、人事部の役割や今後の姿、人事部を含めた会社員の働き方について述べられている。人事部は、経営や個々の社員の働き方に結びついていることがよく分かった。また、日本の大企業でよく見られる年功序列や終身雇用が、高成長かつ社員を一律に扱える環境で機能することが明言されている。自分自身が働き方を考えるうえで役に立つ本だった。

 気になった個所の引用と補足を下記に記す。
第7章 社員の人生は社員が決める
 P.187 では、これからは、どのような人事の運用が機能するのか。この点について、私なりの考えを述べてみたい。まず会社は、3つのタイプの社員によって構成されるようになる。
 ①高機能で専門性の高いプロ集団(専門社員)
 ②プロ集団を支えるルーティンの仕事をこなす比較的低コストの社員(支援社員)
 ③経営と一体となって組織を機能させる中核社員(コア社員)

 従来の正社員がコア社員にあたる。一つの会社に200人が限界で、入社から退職までが30年、採用ミスや適性、社外流出を考えても、年間の採用は30名で良いと書かれている。
 コア社員が会社の方向性の舵取りをする一方で、現場で実力を発揮し、収益に直結する仕事を担当するのは専門社員である(P.189)。新卒中心では、この専門社員の育成は難しい。専門家を外部から迎え、一部の業務を委託することで、会社のコスト削減と専門家の柔軟な働き方が可能であることが実例を交えて述べられている。橘玲が”幸福の「資本」論”等で述べているように、多くの人は、この働き方を目指すのが良いと自分も思う。全員がコア社員を目指す働き方は、色々と無理があるように思う。
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