「ウメ(梅)」の花のことばかり見ていたようで、「ジンチョウゲ(沈丁花)」の花には申し訳ないような気がしています。
春は忙しいのです、あちらでもこちらでも、庭木の物だけでなく、空き地でも花やらが咲いてきますし、草や木の葉の芽などが伸びてきますから。
と、別に言い訳をしているわけでもないのですが、「ジンチョウゲ」の蕾が膨らんできました。しかも「ウメ」の蕾とは違い、たくさんついていますからねえ、また今年もいい香りで楽しませてくれそうです。
昨日、強行軍でスリランカへ行っていた教員二人が学校へ戻って来ました。彼らの手元には言付かった荷物やら、ビデオに撮った学生達の父兄の様子やら…が、しっかりと。
強行軍の割には収穫があったようです。
で、それを見せてもらったスリランカの女子学生、妹さんの話やらお母さんの話をやらを聞いているうちに、目からポロポロ…と涙が…。
妹さんが一人ぼっちでとても寂しいと言っていた…私もとても寂しい…。それを見ていた同じくスリランカの女子学生。もらい泣きでポロポロ…。いやあ、学校に来るなり、涙、涙、涙。
勿論、授業が始まった時にはいつも通り、しゃきっとしていましたから、女は強い。
そして、この「Fクラス」、また仲間が増えそうです。
実は、昨日、五六時限目が終わり、職員室に戻ってきますと、お客さんが来ているよう。話では、どうもいろいろな問題を抱えている人と言います。けれども本人はとても勉強したいので、やはり日本語学校で日本語を学びたい。それで、知り合った日本人や、日本に住んでいる親切な同国人に助けられ、この学校を訪れたという次第。
話が終わり、早速、授業を見てもらいます。本当はサッと見てサッと帰るのかと思っていたのですが、結局最後まで見ていたようです。それに(一緒についてきた)日本人の方もタイ人の方も付き合っていたようで、お疲れ様としか言いようがないのですが、本当に勉強したかったのでしょう。
このクラスには、一月の末に「イロハ」から始めた17歳のタイ人少年がいます。彼は系統立てて覚えるのがどうも苦手らしく、いまだに「『ひらがな』、『カタカナ』、大変!」でやり過ごしてやろうという魂胆が見え見えなのですが、彼を見ていると、大学進学などを考えていないのなら、これでもいいかなという気になってきますから、不思議です。
単語の導入の時にも、音を耳で拾って、タイの文字に置き換え(それを本に書き込み)、それで覚えているようなのです。最初は注意したのですが、それなりに進歩(話す、聞くの分野だけです)が見られるので、今では好きにさせています。
往々にして「漢字圏」の学生は、理屈がわからないと動きが取れないということもあるのですが、彼の場合、見ているうちに、こちらの方が「そうか、こうやって生活していくんだ」とか、「なかなか生きのびでいく術を知っているな」とか、変なところで感動を覚えさせられたりしています。
彼はきっと、どこへ行っても、同じようにして、言葉を覚え、そして周りの人達と馴染み、その地に自然に溶け込んでいけるのでしょう。いつも自然体のように見えます。
で、この少年。私が教室を出るなり、ベトナムやスリランカ、中国、フィリピンの学生達に「彼女はタイ人じゃない」と触れ回っていたようです。先に「タイから来た人です」と紹介していたので、他の学生達は何が何だかわからない。
キツネ(狐)につままれような顔をして、帰りしなに、
「先生、彼女はどこの国の人ですか」と私に訊きに来ました。
「言ったでしょ。タイの人ですよ」
「でも、タイ人のG君が、『あの人はタイ人じゃありません。言葉が違います』と言いましたよ」
「こらあ、G」
「はあい、ごめんなさい」
彼は、いつの間にか、みんなのマスコット的存在になっています。
日々是好日
春は忙しいのです、あちらでもこちらでも、庭木の物だけでなく、空き地でも花やらが咲いてきますし、草や木の葉の芽などが伸びてきますから。
と、別に言い訳をしているわけでもないのですが、「ジンチョウゲ」の蕾が膨らんできました。しかも「ウメ」の蕾とは違い、たくさんついていますからねえ、また今年もいい香りで楽しませてくれそうです。
昨日、強行軍でスリランカへ行っていた教員二人が学校へ戻って来ました。彼らの手元には言付かった荷物やら、ビデオに撮った学生達の父兄の様子やら…が、しっかりと。
強行軍の割には収穫があったようです。
で、それを見せてもらったスリランカの女子学生、妹さんの話やらお母さんの話をやらを聞いているうちに、目からポロポロ…と涙が…。
妹さんが一人ぼっちでとても寂しいと言っていた…私もとても寂しい…。それを見ていた同じくスリランカの女子学生。もらい泣きでポロポロ…。いやあ、学校に来るなり、涙、涙、涙。
勿論、授業が始まった時にはいつも通り、しゃきっとしていましたから、女は強い。
そして、この「Fクラス」、また仲間が増えそうです。
実は、昨日、五六時限目が終わり、職員室に戻ってきますと、お客さんが来ているよう。話では、どうもいろいろな問題を抱えている人と言います。けれども本人はとても勉強したいので、やはり日本語学校で日本語を学びたい。それで、知り合った日本人や、日本に住んでいる親切な同国人に助けられ、この学校を訪れたという次第。
話が終わり、早速、授業を見てもらいます。本当はサッと見てサッと帰るのかと思っていたのですが、結局最後まで見ていたようです。それに(一緒についてきた)日本人の方もタイ人の方も付き合っていたようで、お疲れ様としか言いようがないのですが、本当に勉強したかったのでしょう。
このクラスには、一月の末に「イロハ」から始めた17歳のタイ人少年がいます。彼は系統立てて覚えるのがどうも苦手らしく、いまだに「『ひらがな』、『カタカナ』、大変!」でやり過ごしてやろうという魂胆が見え見えなのですが、彼を見ていると、大学進学などを考えていないのなら、これでもいいかなという気になってきますから、不思議です。
単語の導入の時にも、音を耳で拾って、タイの文字に置き換え(それを本に書き込み)、それで覚えているようなのです。最初は注意したのですが、それなりに進歩(話す、聞くの分野だけです)が見られるので、今では好きにさせています。
往々にして「漢字圏」の学生は、理屈がわからないと動きが取れないということもあるのですが、彼の場合、見ているうちに、こちらの方が「そうか、こうやって生活していくんだ」とか、「なかなか生きのびでいく術を知っているな」とか、変なところで感動を覚えさせられたりしています。
彼はきっと、どこへ行っても、同じようにして、言葉を覚え、そして周りの人達と馴染み、その地に自然に溶け込んでいけるのでしょう。いつも自然体のように見えます。
で、この少年。私が教室を出るなり、ベトナムやスリランカ、中国、フィリピンの学生達に「彼女はタイ人じゃない」と触れ回っていたようです。先に「タイから来た人です」と紹介していたので、他の学生達は何が何だかわからない。
キツネ(狐)につままれような顔をして、帰りしなに、
「先生、彼女はどこの国の人ですか」と私に訊きに来ました。
「言ったでしょ。タイの人ですよ」
「でも、タイ人のG君が、『あの人はタイ人じゃありません。言葉が違います』と言いましたよ」
「こらあ、G」
「はあい、ごめんなさい」
彼は、いつの間にか、みんなのマスコット的存在になっています。
日々是好日