証拠集め。

2016-10-16 | いろいろ
少しネタバレになってしまうのですが、次回の「らぶらぶ万歳サークル」さまの競作大会用に書いた話に「青蓮花寺」が出てきます。

青蓮花寺は亡くなった瑠璃母の乳姉妹が庵主をやっている尼寺で、瑠璃が出家しようと駆け込んだお寺でもあります。(と言うより、高彬が男として盛り上がってしまった尼寺と書いた方が早いかも知れません)

それで「青蓮花寺」を書くにあたって2巻のその辺りを読み返している時に、ふと気が付いたんです。

あぁ、そうか、この乳姉妹は瑠璃母の死を受けて、自分は出家して尼さんになったんだなって。

今まで思ったことがなかったので、私的には新発見でした。

『父さまも何かと援助をしている』と書いてあって、瑠璃父も本当に良い人ですね。

瑠璃は早逝なんてしませんけど、でも仮にそういうことがあったとしたら、小萩が尼さんになって、その面倒(援助)をずっと高彬がしてるって言う図式なんですよね。

せつなさと言うか、しんみりとした思いが広がってきて、しみじみと(あー、ジャパネスク好きだー)なんて(改めて)思ってしまいました。


さて、タイトルの「証拠集め」

私は初読当初からずっと、瑠璃の高彬への態度の「そっけなさ」に物足りなさを感じていました。(今風に言うと「塩対応」?)

なので、いつの頃からか「瑠璃だって高彬を好きに違いないはずだ」と言う、その証拠を集めるような読み方が癖になってしまいました。

瑠璃の言葉から、ちょっとした態度から、果ては行間の空気から、少しでも瑠璃→高彬の思いを汲み取ろうと言う読み方をしてしまうのです。

どうにも瑠璃の発言はクールに感じられて、何しろ最初の時の「右大臣家の四男だし」もそうだったし、まぁ、これは告白されてすぐの時だったからまだしょうがないとしても、あとは入道事件のあとに藤宮さまが三条邸に来た時も「あたしみたいなはねっかえりには高彬みたいな常識ある人の方がいいんです」なんて言い方をしていて、どうしてもっとこうはっきりと「あたしは高彬が好きなんです」と言わないんだよー、と、もどかしくもじれったくも感じていました。

瑠璃が色目を使ってるとは思わないのですが、鷹男にも守弥にも結局はもててしまっていて、身も蓋もない言い方をしてしまうと「なんだかなぁ」と言う感じ。

守弥とのこと「たとえ高彬と言えど、いいたくないことがある」なんて読むと、がっくりと言うか深いため息が出そうになって、でも、私はそこで諦めずに

(「たとえ高彬と言えど」の「たとえ」には、高彬の特別感が漂っているのではないか・・?)

などと、しつこく証拠集めをしてしまうのです。

実際、その頃の瑠璃は、高彬が自分にとってどれだけ大切な存在であるかを認識できていなかったんだと思います。

ある意味、空気のような存在。

あって当たり前、いて当たり前。

あたしを好きでいてくれて当たり前・・・。

後半の「あんたが右近少将じゃなくてもいいのよ」は嬉しかったのですが、でも、正直、私にはまだ不満でした。

どうしてかと言うと、高彬が色んな解決に向けて頑張ってくれて、それの感謝から出てきた言葉のようにも感じたからです。

私が一番、嬉しかったのは、非常にマニアックと言うかコア過ぎるのですが

『あたしはあたしで、高彬が生きるか死ぬかってときに、とても頭が鷹男のほうにまで回らない』

なんです。

そうそう、これ。これなんだよ、私が聞きたかった言葉は!・・・と言う感じ。

あとは、藤宮さまが事件の真相を聞くために鴛鴦殿にどんどん文を送ってきたけれど

『高彬の看病で、返事をかくどころではなかった』

と言う言葉。

どちらからも、高彬が大事、高彬が一番、と言うのが伝わってきて、もうこの言葉だけで、今までの瑠璃のそっけなさが帳消しになるくらいです。

瑠璃は、鷹男や藤宮さまとの付き合いを大切にもしてきたけど、ここにきて、優先順位がつまびらかになったと言う感じで、今までのじれったさやモヤモヤ感がすぅーと消えて行くのです。

藤宮さまはともかくとして、鷹男に対しては正直(ザマミロ、鷹男め。瑠璃の一番は高彬なんだぞ、判ったか)と思いましたもん(笑)

高彬が火傷を負う前と後では、瑠璃の中での高彬の見方が変わったはず。

変わったと言うか、気付いた、の方が適切かも知れません。

末永くお幸せにね~、と思わずにはいられない二人なのです。

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6 コメント

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涙の塩対応・・・ (あさぎ)
2016-10-18 00:38:38
瑞月さん、こんばんは~。

高彬が終始一途だったのに対して、ほんと瑠璃さんのそっけなさったらないですよねぇ。
私なんて物足りないどころか、もうハブられる事を覚悟で白状しますと、小面憎いとさえ思った事もありましたよ(笑)

あ、今はそこまで思ってませんよ、今は。
基本ラブコメですし、色んなパターンの男子を登場させて、幅広い読者のハートを掴まなきゃならないって事情もあるのかも、とも思いますしね。

でも鷹男にときめくのはまだしも、愛染明王の後、小萩達との密談時に守弥の事を、
「高彬がマネできない、大人のシャイな感じがいい」みたいに言ってたのは、ほんと分かってないな~とがっくりきました。
もうちょっと高彬を大事にしてあげてよーって。

「たとえ高彬と言えど、いいたくないことがある」もしかり。
それを「夫には言えない」くらいにしか聞こえなかった私は、まだまだなのかもしれません(涙)

ほんと、「ある意味、空気のような存在」だったんでしょうねぇ。
それが、高彬を失うかもしれないというこの上ない緊急事態になって初めて、
その空気の大切さというか、空気が無ければ生きていけないって事に気付いたんでしょうね。
・・・って、遅いよ、遅すぎるよ!!

それにしても、瑞月さんの一番嬉しかった瑠璃の言葉、ほんと意外な一文でした。
でも確かに、最優先感がにじみ出てますよね!
いつもそんな考察を拝見しては、瑞月さんの読み込みの深さに脱帽しております(笑)
>>あさぎさま (瑞月)
2016-10-18 08:50:58
あさぎさん、おはようございま~す(*^-^*)

私も瑠璃が守弥を褒めてる(ときめいてる)のが一番、嫌だったですねぇ。
しかも、必ずと言っていいほど高彬を引き合いに出してる!(笑)
もし瑠璃が吉野君、鷹男、守弥の中で誰かと浮気をするとしたら(いえ、絶対にしませんけどね。)守弥って一番、しちゃいけない相手のような気がするんですよ。
だって、一番、高彬に近い相手でしょう?
「彼の親友を好きになってしまいました」的なシチュエーションじゃないですか。(守弥は決して親友じゃありませんけど。決してね)
またまた変な例えですけど、高彬が小萩と秘密を共有してるってことですからね、立場を変えて考えて見たら。
絶対に嫌に決まってますよねぇ。なのに瑠璃ったら。

守弥もイヤな奴じゃないし、大前提が「若君命」な人だから、最後は「瑠璃姫のような人こそ若君にふさわしい」って感じで瑠璃を評価してたし、瑠璃にいたっては、どの辺りからか完全に「守弥へのほのかなときめき」が消えてたから、まぁ許しますけど。
(帥の宮おびきだし失敗あたりから?)

氷室先生は絶対に瑠璃には高彬って決めてたと思いますし、だから他の男ども(笑)はどこまでも「彩り」だったと思いますが、もしも、最後に一緒になるのが高彬じゃなかたとしたら、私はジャパネスクを好きになってなかったとすら思いますもんね。

>・・・って、遅いよ、遅すぎるよ!!

ほんとにほんとに。
8巻と言う大作の中、気付いたのが終わりの数十ページと言う・・・(笑)
Unknown (ベリー)
2016-10-19 10:48:21
わかります〜。
確かに瑠璃は、ねえねえ本当に高彬のことすきなの?ってくらい、こき下ろしてますよね、時々。幼馴染の所以ですかね。遠慮がない!爆
私が結構な愛情を感じたのは「自分が高彬の文句行ってもいいけど、他の人に色々言われるのはいや」みたいな事を言った時に、瑠璃の独占欲がほのみえたっていうか。
もともとがヒーローな高彬なので、少し塩対応要素を言っておかないとかっこ良くなりすぎちゃうのかな。
「右近の少将でなくてもいいのよ」」のシーンに、"高彬の首はまだ若いから細かった、その分可愛かった"っていう心のコメントがない方が、私の中ではもっとグンと色気が上がるんですけど。まあ、鷹男にも、吉野の君も、守弥とも(笑)それなりに抱きついた瑠璃ですから、そうゆうコメントだったんですかね。もしくは、イノシシの首のセリフを強調させるためにはその文が必要だったのかなっていう。
いずれにしろ、高彬の事をエンディングで誘ってるのは、間違いなく、まぎれもなく、瑠璃なんですから、もうそれでいいわよ、仲良く、やってね、ウフフって感じです。^o^
>>ベリーさま (瑞月)
2016-10-19 18:59:17
ベリーさん、こんばんは~(*^-^*)

ほんと、瑠璃はこき下ろしてますよね~。高彬があれ読んだら落ち込みそう(笑)

>「自分が高彬の文句行ってもいいけど、他の人に色々言われるのはいや」

確かに!そこも貴重な瑠璃の恋心がほの見える部分でしたね。これって身内に思う感情ですもんね。
やっぱり瑠璃にとっては、ドキドキとかよりも最初から身内感覚なのかも知れませんねぇ。(それも悪くないと思いますけど)
>高彬の首はまだ若いから細かった、その分可愛かった
私はこの部分、自分の父親とかと比べたのかなぁ、なんて思いましたよ。
父親に抱き付いたわけじゃないでしょうけど、瑠璃パパってでっぷりと太ってるって書かれてたし、瑠璃が良く見てる男性って言ったら父親かな?って感じで。
でも最後はほんと瑠璃が高彬にベタ惚れって感じでしたら、もうほんと十分です!(笑)
証拠提出 (みそ)
2016-10-22 01:10:19
みずりんさん、こんばんは。( 〃▽〃)
瑠璃の塩対応、確かにもの足りませんよね。
そこで、私の独断と偏見で「もう、瑠璃ったら。素直じゃないんだから~☆」と(無理矢理)思っていた部分を抜粋してみました。

まずは、鷹男に対しての「高彬にほうっておかれて淋しかった」や「あたしの高彬」発言でしょうか。
無意識に出たであろう瑠璃のセリフに、(高彬と瑠璃の間に鷹男が入る隙間なんてないのよ~♪)なんて悦に入って読んでおりました。
そして、鷹男にときめいた後の「なにがどうあろうと、あたしが高彬を好きだってのは変わらない」といった独白。
どんなに、好みでイイ男(鷹男)に言い寄られても
、揺るがない自信があるんだな~なんてニヤニヤしたり。(笑)

高彬からの求婚の文や歌が届かないことに対して、瑠璃がイライラしたシーン。
「重ね重ね、憎らしい高彬め。そんなにあたしと結婚したくないのか。『ええい、腹のたつ!』」なんてあって、ちょっと前まで瑠璃が独身主義者だったことを思い出してはにやけちゃいますね。
独身主義を覆したのは、やっぱり相手が高彬だったからこそなんでしょう。
他の殿方じゃダメなんです。

夏姫に対しての「高彬さま高彬さまと、耳障りな女だな、もう」は完全に瑠璃のヤキモチ☆
高彬に縁談話が出ていることを知って「十五やそこいらのこわっぱに、なあにが縁談だ。(中略)あたしはやたらと腹が立ち」や「高彬の年上妻になったほうが、よっぽどまし」なんて思ったりするのも、なかなかツボだったりします。
まだ高彬から求婚される前にも関わらず、不機嫌になったりするのは、無意識に高彬を特別視してたからなのかな、と。
いや~、瑠璃のセリフや行動を深読みして高彬への想いを感じ取るのは楽しいです‼(((*≧艸≦)

例外としては、「瑠璃の唇は、蓬莱山の山頂にあって触れるものみな、すべてを黄金に変えるといわれる、幻の湖にもまさる極上品」でしょうか。
帥の宮との接吻を思い出しての独白ですね。
これに対しては、(こんな極上な瑠璃の唇に高彬は何度も接吻しちゃってるのね~、うふふ♪)なんて、どこかピントのズレた楽しみ方をしてたりします。
>>みそさま (瑞月)
2016-10-22 15:32:40
みそさん、こんにちは~(*^-^*)

>と(無理矢理)思っていた部分

無理矢理(笑)
やっぱり多少の無理矢理感は否めませんよね。お願い、そう思わせて・・と言う祈りにも似た気持ち(笑)

>鷹男に対しての「高彬にほうっておかれて淋しかった」や「あたしの高彬」発言でしょうか。

確かにこの頃の瑠璃って、そういう発言多かったですよね。
そういえば私は瑠璃が鷹男に「あなたたちはまだ・・?(結ばれていない?)」と聞かれた時に、どうして嘘でもいいから「結ばれてま~す!」とでも言わなかったんだろう、と思っていました。
だって、その場でそう言っておけば、その後の面倒事が起きなかったってわけじゃないですか。
(鷹男のことだから、たとえそうだったとしてもちょっかい出してたんですかね?)

>「重ね重ね、憎らしい高彬め。そんなにあたしと結婚したくないのか。『ええい、腹のたつ!』」

確かに怒りの大きさは、そのまま高彬への愛と思って良さそうですよね。
みそさんが挙げたたくさんの証拠、これってどれも瑠璃本人は気付いていないっていうところがポイントですよね。
ほんと、瑠璃はずっと高彬のことを特別に思ってたんだと思います。
弟みたいなもん、なんて言ってるけど、違うんでしょうね。ちゃんと異性として見てはいたんだと思います。

でもねぇ、きっと高彬にも問題があるんですよ。
裳着を済ませた辺りから、高彬だってもっときちんと瑠璃に意思表示をしてればよかったんですよね。ちゃんと瑠璃にも確認して、瑠璃父に結婚の内々の承諾を得ておく、とか。
それをしなかったのは、高彬はまさか瑠璃が忘れているとは思ってもいなかったからなのでしょうが、でも、高彬も(あれ?忘れられてる?)と気付いた時点で、確認をしておけば良かったんですよ。
あ~、でも、それが出来ないくらいに恋心が募っていたとか?
うーん、でも、何となく高彬のイメージって「思い詰める」って言うのが似合わなくて、どこか楽天的だったような気がして、その性格が災いしてズルズルと「管弦の宴」まで来ちゃったんじゃないかなぁ・・と言う気もしたり。
自分の気持ちに鈍い瑠璃と、楽天的で、ゆえに言葉が足りない高彬って感じの二人。
この頃の二人の心のすれ違いって色々と想像出来て楽しいです!

瑠璃の唇を独占してる高彬は幸せものですね!
そして高彬の唇を独占してるのは瑠璃なんですよね~

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