めいすいの写真日記

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新国立劇場 「ワルキューレ」 

2016-10-14 | オペラ・バレエ

  10月12日(水)に、新国立劇場にリヒャルト・ワーグナー作曲のオペラ「ワルキューレ」を見に行きました。
 今年の6月にワーグナー作曲のオペラ「ローエングリン」を見て以来です。
 指揮者の飯盛泰治郎が新国立喜劇場の音楽総監督になって以来、ワーグナーを積極的に取り上げ、本人が指揮をし、ピアノで解説する映像をホームページに載せるというスタイルを取っているのはこれまで通り。
 また、新国立劇場で行われるワーグナーのオペラ作品を欠かさず見に行こうという私のプロジェクトの第4回目でもあります。
 ところで、「ワルキューレ」はワグナーの代表作、楽劇「ニーベルングの指輪」4部作の内、第1夜に当たります。序夜の「ラインの黄金」は、昨年の10月13日に、このブログにすでに載せました。このあと第2夜「ジークフリート」、第3夜「神々の黄昏」と続きます。
 「ワルキューレ」はこの「指環」4部作の中でも最も人気の高い作品となっています。第1幕のジークムントとジークリンデの双子兄弟の禁断の愛のデュエット、第3幕冒頭「ワルキューレの騎行」の音楽、父ヴォータンと愛娘ブリュンヒルデの親密なやりとりと永遠の別れと魔の炎の音楽、などワーグナーならではの胸を躍らせる名曲から成っていて、叙情的な作品となっています。なお、「ワルキューレ」とは「戦乙女」のことです。
 上演時間は4時間5分、休憩時間を含めると5時間にも及ぶので、延々と続く美しい叙情的な音楽を聴くには、集中力と忍耐力が必要となります。
  なお、新国立劇場では、「ニーベルングの指環」の今後の上演は「ジークフリート」が2017年6月、「神々の黄昏」は2017年10月とのことです。

  楽劇「ニーベルングの指輪」の音楽は独特な歌と大編成の管弦楽からなり、いくつものライトモチーフ(示導動機)により成り立っているということは「ラインの黄金」でも触れましたが、『ワルキューレ』でも「剣の動機」、「ワルキューレの騎行」、「ジークフリートの動機」、「フンディングの動機」など多くのライトモチーフが使われています。その中でも金管楽器が活躍します。ワーグナーは金管部門だけ増やし、当時の楽器では出せなかった高音のために、ワグナー・チューバを開発しました。

ワルキューレのあらすじ

 ヴォータンはヴァルハル城にいることに、とっくに飽きている。彼は今、ヴェルゼという名の人間を装って世界を渡り歩き、神々から独立した新しい種族を生み出している。彼らの方が首尾よく神々の遺産を実現してくれるだろうと考えているのだ。
 ヴォータンはまた、アルベリヒの攻撃に備えてヴァルハル城を強化しようとしている。ヴォータンは9人の娘をもうけ、この娘たちをワルキューレに育て上げた。彼女たちは戦死した最強の勇士たちを集めて、彼らをヴァルハル城に運び、神々の防衛のための軍団を作るのである。

第1幕 嵐が荒れ狂っている。フンディングの館で彼の妻が夫の帰宅を待っている。疲労困憊した見知らぬ男が、嵐を避けるため館に入ってくる。フンディングの妻は彼に飲み水を与える。二人は互いに奇妙に惹かれ合うものを感じる。
 フンディングが帰宅すると、彼は妻の求めに応じて見知らぬ男を客人として扱う。客人は自分の名前を告げることなく、彼らに自分の幼少時代の話をする。父親はヴォルフェと呼ばれていたと彼は言う。ある日、彼と父親が狩りから戻ってみると、母親は殺されていて、双子の妹は誘拐されていた。それに続いた辛い戦いのさなか、少年は父親とはぐれてしまった。それ以来、彼は災いに取りつかれていた。ある少女が彼に助けを求め、そこで起こった戦いで、少女に結婚を無理強いしようとした兄たちを若者は惨殺してしまった。
 フンデイングは一族の者たちを殺した男を追跡していたのだが、いまや自分の家の食卓の前に坐っている男こそ下手人であることに気づく。フンディングは客人に、一夜は安全な宿を提供するが、翌朝は戟いの覚悟をするよう告げる。
 フンディングと妻が寝室に消えると、残された逃亡者は父親ヴュルゼに呼びかける。父は彼に、最大の危機のときに一振りの剣を見つけるだろうと約束していたのだ。
 フンディングの妻が、夫に知られずに広間に戻ってくる。彼女は夫に眠り薬を飲ませたのだった。彼女は彼を助けるために、彼に剣の話を教える。その剣は彼女がフンディングとの結婚を強いられたとき、ある片目の旅人が残していったものだった。多くの男たちが、その剣を刺さっている木の幹から引き抜こうとしても叶わなかった。この見知らぬ男が剣を引き抜こうとして成功すると、二人は自分たちがヴォルフェの子、すなわちヴュルズングの兄妹であることを悟る。いまジークムントは自分の名を双子の妹ジータリンデの口から聞く。こうして一族の血が愛で結ばれたのだ。

第1幕 ジークムントとジークリンデは、愛のデュエット『冬の嵐は過ぎ去り』を過ぎ去りを歌う。

第2幕 ヴォータンは自分のすべての希望をジークムントにかけている。フンデイングと手下たちは兄と妹を地球の果てまでも追ってゆく。ヴォータンは、エルダとの間の娘であり最愛のワルキューレであるプリュンヒルデに、戦いにおいてジークムントを守るよう命じる。
 しかし隠れ家にいる夫を見つけ出したフリッカは、結婚の女神としての立場からフンディングのための正義を要求する。
ヴォータンは矛盾する願望に悩むが、神々によって定められた秩序を守るため、ついに息子を犠牲にすることを誓わされてしまう。
それはジークムントが打ち破るのを見たいと彼が望んでいた秩序だったのに。
 ひとりブリュンヒルデを相手に、ヴォータンは自分の存在の深く解決できない矛盾について語る。法の秩序を守ることが仕事である彼は自由を求めることはできない。法の番人であるヴオータンは、みずから法の奴隷であることも知っている。最終的にヴオータ
ンの望みはただひとつ、すなわち万物の終焉である。
 プリュンヒルデはヴオータンのためにジークムントを救いたいと思う。しかしヴォータンはプリュンヒルデに、もし命令に背いてジークムントを守るならば厳罰を科すと脅す。
 法の保護を失ったジークムントは妹と共に地上を放浪している。ジークリンデは取り乱し、愛と罪のはぎまで揺れ動く。ジーグリンデがついに疲労のあまり倒れて眠りにつくと、プリュンヒルデが現れてジークムントに差し迫った死を告げる。しかしジークムントは、
ジーグリンデがいっしょでなければヴァルハル城には行かないと言う。彼は激昂して自分の双子の妹と、彼女のお腹に宿った子供を殺そうとさえする。ブリュンヒルデは彼を制止し、父の命令に逆らってジークムントをフンディングから守ることをすぐさま約束する。
 始まった戦いにヴォータンが介入する。ジークムントの剣はヴオータンの槍で砕かれ、フンディングの一撃でジークムントは死ぬ。プリュンヒルデは、まだ生まれていないヴオータンの孫を救うため、こっそりジータリンデと共に逃亡する。フンディングは、かつて
木の幹に剣を刺していった片目の旅人の正体を知ったとき、ジークムントの傍らに倒れて死ぬ。

第3幕 後方は8人のワルキューレ(戦乙女)とジークリンデとブリュンヒルデ ワルキューレたちの登場場面で演奏される有名な『ワルキューレの騎行』は迫力満点です。

第3幕 ワルキューレたちが、いつものようにヴォータンの命令で始めた戦いの喧騒を後にして、勝ちどきをあげて集まってくる。
彼女たちは倒れた勇士たちをヴァルハル城に運ぶのである。しかしブリュンヒルデが運んできたのは男性でないことが明らかとなる。ワルキューレたちの誰ひとりとして、ブリュンヒルデとジークリンデをヴォータンの憤激から守ってくれようとしない。そこでプリュ
ンヒルデはジークリンデに砕けた剣ノートウングの破片を渡し、子を宿した彼女を未知の世界に送り出す。それからプリュンヒルデはヴオータンの罰を受ける覚悟をする。人間の愛が彼女の心をとらえたがゆえに、彼女は岩の上に眠らされ、行きずりの男のものになるというのである。
 しかしプリュンヒルデは、ヴォータンが言葉で語っている以上に父親の胸に秘めた望みを知っていた。彼女は罰を受ける場所を炎の輪で囲ってくれるようヴオータンにせがむ。ここでブリュンヒルデは横たわって眠り、彼女を救い出す英雄を待つことになるだろう。それはヴオータンの槍を恐れず、哀れな神々の希望を成就してくれる「自由な男」である。

                                 ゲッツ・フリードリヒ              

終幕 ヴォータンと炎に囲まれ、緑の三角錐の下に眠る愛娘ブリュンヒルデ

演出 ゲッツ・フリードリヒ
指揮 飯守泰治郎
管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団

配役

ジークムント    ステファン・グールド
フンディング         アルベルトベーゼンドルファー
ヴオータン            グリア・グリムスレイ
ジークリンデ         ジョゼフィーネ・ウェーバー
ブリュンヒルデ   イレーネ・テオリン
フリッカ      エレナ・ツイトコーワ
ゲルヒルデ     佐藤路子
オルトリンデ    増田のり子
ヴァルトラウテ   増田弥生
ヘルムヴィーゲ   小野美咲
ジークルーネ    日比野幸
ジークネーネ    桧浦麗
グリムゲルデ    金子美香
ロスヴァイセ         田村由貴絵

  私は、WOWWOWで放映されたMETの「ニーベルングの指環」、J.レヴァイン指揮R.ルパージュの演出、を全曲録画しているので、前作と同様、この「ワルキューレ」(2011年5月14日MET上演)もあらかじめ見ておきましたが、演出や個々の歌手に多少の差はあるものの楽しめました。飯守泰治郎指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏は素晴らしく、ライブということもあり、大いなる感銘を受けました。また、ホール全体が盛り上がり、カーテンコールでは、ブラボーの声があちこちで沸き上がりました。お隣の人の大声にはビックリ。
  ジークムント役のグールドは世界的なヘルデンテノール(ワーグナー作品の英雄役を務める力強いテノール)といわれるだけあって頑張っていたと思います。もっともMETのジークムントはヨナス・カウフマンでイケメンでスタイルが良く、軟らかでしなやかな声でとても聞きやすかったですが・・・。一方フリッカ役がスタイルが良く美人だったのはとても良かったと思います。METの方は太りすぎていて声は良くても魅力がありませんでした。

  なお、ゲッツ・フリードリヒは、すでに亡くなっていますが、「指環」演出の第一人者で、今回の演出もフィンランド国立歌劇場のプロダクションということです。

 余談ですが、最終の炎の場面では、炎の壁とはいえませんが本当の炎を使っていました。METは映像。スイスのジュネーブのオペラハウスは1951年ワルキューレのリハーサル中に、この場面で出火し消失しました。再建は1962年とのことです。

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