銀座に舶来の高級服飾メーカーが看板店を連ね連ねて何だかエライことになっていると聞いて色々観てきました。スワロフスキーとか、アルマーニビルとか、ランバンとか。。。大半の建物が表通りの外壁面の材質なり穴の空け方なりを工夫したもので、最初は楽しかったのすが、見慣れてくると「随分とお洒落な看板がたくさん出来たことだなあ」くらいにしか思えなくなって、暑いしもうシンドイから帰ろうかな、と踵を帰そうとしたところに忽然と現れたのがこのニコラス。。。なんとかセンター。何とも呼び難い名前には閉口しますが、建物はエクセレント!の一言。
壁一面に植栽や滝があしらわれた不思議な路地が1階にありまして、中々気持ちいいな、って思っていたら、そこいらに2m立方くらいの大きさのガラス箱が散らばっているんですね。んで、近づいてみるとひとつひとつがお店のショールームになっているんですね。そんでもって、入口に備え付けられたボタンを内側から押すと、ドアが閉まって、ガラス箱が突然音もなく浮かび上がり、上の建物に消えていくんです。実はこのガラス箱ショールーム、お店の入口とエレベータを兼ねている、というわけです。
このニコラス。。。何とかは、要はスウォッチグループのブティックの集合体で、全部で7つのブランドに各エレベータを通じてアクセスできるようになっています。このエレベータに乗ること自体が一種のアトラクションになっており、高級ブティックという特別な空間に入る行為の演出手法として、とても効果的だと思います。同時に、銀座というセセコマシイ場所に、心地良い通り抜けを提供してくれたことは、たとえ黒服さんが眼を光らせているとしても、尊いお心遣い、だと思います。
しかし、ワタクシがこの建物が凄い、エライ、と思うのは、各フロアとエレベータの関係が、これまでのビルと全く異なるところ、なのです。普通のビルって、各階のフロアは同じ形で、それをエレベータが縦に繋いでいく、っていうシンプルーな構成ですよね。ま、当たり前といっちゃ当たり前なのですが、これは専門家に言わせると、百年くらい前にエレベータが発明されてから世界中に普及したモダニズムっていう建築様式、らしいんですね。それ以来色んな建物が作られてきましたが、結局ソコソコの大きさのビルディングって、外壁やら内装やらは千差万別だけど、プログラムとしては、エレベータが各フロアを等価に繋ぐっていう、至極単純なものでしかなかったんです。
この建物は、各フロア毎に独立したエレベータがあって、それが全て1階で等価に繋がっている。従ってお客さんは、普通のビルなら当然の「行きたいお店が何階にあるか」ということは考える必要がなく、1階で行きたいお店のガラス箱を探すだけ、なんです。そのため、お客さんは自分が何階にいるかあまり意識しないでしょうし、それぞれのお店も何階だから有利だとか不利だとか思わないでしょう。全てのフロアが平等に1階からのアクセスを獲得することで、100年続いたエレベータによる階数意識の解体を試みたことこそが、この建物のエライところ、だと思います。設計者の坂茂先生は紙菅使った建築で名を馳せていますが、決して際物ではない、稀代のコンセプトメーカーであることを示してくれました。
あ、一応庶民なもんで、スウォッチだけちゃんと店員さんと会話してきました。他は怖くて、とてもエレベータを降りられない。。。
壁一面に植栽や滝があしらわれた不思議な路地が1階にありまして、中々気持ちいいな、って思っていたら、そこいらに2m立方くらいの大きさのガラス箱が散らばっているんですね。んで、近づいてみるとひとつひとつがお店のショールームになっているんですね。そんでもって、入口に備え付けられたボタンを内側から押すと、ドアが閉まって、ガラス箱が突然音もなく浮かび上がり、上の建物に消えていくんです。実はこのガラス箱ショールーム、お店の入口とエレベータを兼ねている、というわけです。
このニコラス。。。何とかは、要はスウォッチグループのブティックの集合体で、全部で7つのブランドに各エレベータを通じてアクセスできるようになっています。このエレベータに乗ること自体が一種のアトラクションになっており、高級ブティックという特別な空間に入る行為の演出手法として、とても効果的だと思います。同時に、銀座というセセコマシイ場所に、心地良い通り抜けを提供してくれたことは、たとえ黒服さんが眼を光らせているとしても、尊いお心遣い、だと思います。
しかし、ワタクシがこの建物が凄い、エライ、と思うのは、各フロアとエレベータの関係が、これまでのビルと全く異なるところ、なのです。普通のビルって、各階のフロアは同じ形で、それをエレベータが縦に繋いでいく、っていうシンプルーな構成ですよね。ま、当たり前といっちゃ当たり前なのですが、これは専門家に言わせると、百年くらい前にエレベータが発明されてから世界中に普及したモダニズムっていう建築様式、らしいんですね。それ以来色んな建物が作られてきましたが、結局ソコソコの大きさのビルディングって、外壁やら内装やらは千差万別だけど、プログラムとしては、エレベータが各フロアを等価に繋ぐっていう、至極単純なものでしかなかったんです。
この建物は、各フロア毎に独立したエレベータがあって、それが全て1階で等価に繋がっている。従ってお客さんは、普通のビルなら当然の「行きたいお店が何階にあるか」ということは考える必要がなく、1階で行きたいお店のガラス箱を探すだけ、なんです。そのため、お客さんは自分が何階にいるかあまり意識しないでしょうし、それぞれのお店も何階だから有利だとか不利だとか思わないでしょう。全てのフロアが平等に1階からのアクセスを獲得することで、100年続いたエレベータによる階数意識の解体を試みたことこそが、この建物のエライところ、だと思います。設計者の坂茂先生は紙菅使った建築で名を馳せていますが、決して際物ではない、稀代のコンセプトメーカーであることを示してくれました。
あ、一応庶民なもんで、スウォッチだけちゃんと店員さんと会話してきました。他は怖くて、とてもエレベータを降りられない。。。