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祖父と同じ匂いの

島で、祖父と同じ匂いのする方と

今日ゆっくり話す機会があった。

1時間ほどだけの、宴会の角っこで、
それは現れた。

出で立ちから香り立つ空気が、
すごく祖父と似ていたその人は、

話をしてみて、実感を伴って、余計に


そうであった。



すごく好きな心の地層をなしていて、
交わす言葉は至る所に、
自分の考えが備わっている。

自らで自らのある形を規定してきた
そういう人が持つ高貴な匂い。


交わした言葉の全部は、
ただその人の、その人らしさを
漂わさせるためだけの意味しかなく、

風がふけば自然とキンモクセイの匂いがするように
良い風が吹けば何でもいい、そんな会話。


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細くて細くて細い糸

ひとは、その自分の生きている人生を
どんな風にとらえているのだろう。


私には、谷の間に架かった、とてもとても
細くて細くて細い糸に見えている。

風が吹けば、大きく揺れる。
少し重みをかければすぐ切れる。

手すりはなく、固さもなく、確かさのまるで無いもの。

生きるとは、
そんな細い糸の橋を渡るような作業に見える。

足下はおぼつかなく、
橋の向こうは霧にまみれ、朧。


私は冒険と生還を重ね、自分を小さく細くする。
冒険と生還の度に、私は小さくなり、
そうしてやっと糸の細さに少しづつ
足が乗るようになってゆく。


ふと隣を覗けば、同じように人がやってくる。
彼も糸を渡っている。


しかし、様子が違う。

彼は糸を渡っていない。
彼には足下がしっかりとした鉄といかなくとも、
木の橋に見えているようだ。

手すりもあり、慎重に渡れば、必ず渡れる橋。
それを違うことなく、渡りきるために、
彼はその真ん中を綺麗に歩いている。

身じろがず、動揺せず、真ん中を歩けばそれでいいと。

結果、彼は、糸の上から落ちない。


私は糸が糸であることを怖がりすぎて、
風に怯え、
太陽に怯え、
自分の重みに怯えている。

怖さにすくみ、
すぐにバランスを崩してしまいそう。

もし本当は、私の橋も
木の橋であり、手すりもあったとしても、
私は糸の上の幻想に怯え、
少しの風に恐れて転落するやもしれぬ。



人は、真実など、何も見えず、何も知らぬまま、
ただ、自分らしく、その橋をわたるのだ。

願わくば、悠然と、せめてその橋を
美しく眺めたい。
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何と戦い、何と勝負し、何をもって勝ちとするか

ただ日々を穏やかに暮らし、
太陽と共に目覚め、土と共に育ち、
月を仰いで眠れば、それ聖者の道に通じよう。


されどこの日々をそれに費やさぬは、
ひとえに今が平時にあらず、乱世にあればこそなり。


乱世にあればこそ、時を急ぎ、
生を急ぎ、苦難を越えんとす。


何をもって乱世となすか、
それ、戦いの中に生きるをもってである。


戦いたるは、相手、巨にして、虚なれば、
その戦いたるや、深くして、また長し。

戦争をもって実なる戦いを主とした時代は終わりを告げ、
今、貨幣と金融によって、戦争は日常となりしなり。


金利という名の賠償金と、
欲得まみれの文化の津波とに、我々は戦わなければならない。


敵は、国にあらず、人に非ず。

敵は
地球全土へと広がる、無限欲求と
利便性追及と科学による真理への到達という幻想とである。


何と勝負をすべきかについて
我々は落ち着いて見つめねばならない。


敵を知りえぬ間は、無知との戦いである。
敵を知りえてからは、非実行との戦いである。

友を得てからは、順序との戦いである。
組織を得てからは、渦と渦との成長速度との戦いである。

小さきところから一つ一つ、
階級を登らなければならない。

為せることの小ささを見つめる冷静なる力と
なお己を諦めない情熱とが必要になる。


世に一人で戦うものは無し。
共に戦いし友との、距離の遠近が違うのみである。

自ら友に歩み寄れば、また向こうも歩みよりて、
渦は力強くなるものなり。


それらを駆使して、われわれは
何をもって勝ちとなすのか。

前段2項に比較して、ここは希望に溢れている。

我々は、勝負出来うるか否かは
無明の未来に一条のくもの糸が垂れるのみであるが、

こと、この項においては、
夏至の太陽よりも強く輝いている。

人生を豊かに過ごし、豊かに終える
これをもって勝利となす。

友に恵まれ、友を誇り、
友と歩みて、友といく。

経過においてもたらされる幸福と、
結果を目指して前進する意義とにおいて断言する。


利を争いてともに共闘する敵に比べて、
平和に向かいて共闘する我々は、

目的と手段に矛盾なき場所へ
はたまたそれを希望足りえる未来を夢見る場所へ

行き着くことが可能なり。


人生に目的である真と、
手をつなぐための善と、
誇り高く生きるための美とを携えて

その生命を全うせしむことこそ、

終わりある生命としてのまことの勝利者とならん。

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好奇心

好奇心というのはね

自分側の その塊だけをひっさげて

相手に プレゼントしちゃ

だめなんだよ。



そこにはちゃんと、

for you

と 書かれてないとダメなんだ。

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われたりし、われなれば

我が性質は、火にして、義。
義にあれど、不遜にして、知は遠くを見れども、
心は近視なり。


なれば我が知は、知の中でのみ明るく、
人の中で暗し。


我が特質は、我を好みて、我を省みる。
ゆえに我は我を知るにおいては、一日の長あり。

されど我が過ちは、我を好みて、我を使えず。
過ちを知れど、再過を免るるに能わず。


我は知を得意とするから、知に弱く、
心を好みとするから、心に弱し。
体に不得手を思うから、ますます実に暗し。


我、己が凡夫なるを知るに四半世紀を要するも、
我、己が凡才なるを、諦めるに、まだ時を要す。

心足らずこそ、その因なれど、
心の育て方を知らず。


心を以て、我、我を見限りたく
知を以て、我、我を諦めれず、

病深まるばかりなり。
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