自死遺族とうきょう自助グループ みずべの集い
大切な人を自死で亡くされた方へ。
私たちは自死遺族だけで、わかちあいの会を運営しています。
 



「冬晴れ」



息子が生まれた冬の朝、
古びた産院の窓ガラス越しに見た青空。

やわらかな朝の光が射すベビーベッドに、
生まれたばかりの小さな赤ん坊が、静かに眠っていました。

若い母は我が子の顔を飽きずに眺め、
「私があなたのお母さんよ」と、何度も話しかけました。

あの冬の朝の記憶は、今も心にあざやかに残っています。

―どうか、この子が幸せな人生を送ることができますように―
母親となって最初の願いでした。

あれから29年目の今日も、
見あげれば、高く青い空。
あの産院の窓をのぞいたら、
小さな我が子がすやすやと眠っているような、
そんな気がしてならないのです。





 心の風景◎バックナンバー

(1)渚の子守歌

(2)蒼い夕べ

(3)凪の海へ

(4)夕空見あげて

(5)夕暮れ埠頭

(6)秋の純情

(7)野に咲く花

(8)秋の夕暮れに

(9)いにしえの祈り

(10)家路

(11)川のほとりで

(12)冬空暮色

(13)星月夜




にほんブログ村 メンタルヘルスブログ  自死遺族へ
にほんブログ村


「トップへ戻る」




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


« 1月の分かち合... 夕食会を楽し... »