かたつむり・つれづれ

アズワンコミュニテイ暮らし みやちまさゆき

細胞の一つになったつもりで

2016-10-16 10:40:10 | わがうちなるつれづれの記

 朝がグッと冷えて、昼になるほど秋晴れの土曜日、きのう。

「つくろう!演奏する!つくろう細胞の音楽」というワークショップに

行って来ました。

大阪の高槻、JT生命誌研究館。

娘桃子と孫晴空と3人で出かけました。


<まさか、まさかの重なった日>

「音楽のワークショップ、しかも自分が何かの楽器で演奏をする」

まさか、ぼくがでかけるなんて。

「こんなイベントあるけど、行くかい?」と娘にきいたら、まさかの

「行くよ」

孫の晴空。学校に行かず、部屋でゲームの日が多い。

娘が「行く?」と聞いたら、まさかの「行く」という返事だったらしい。

行く前日、「明日、お弁当つくってくれない?」と妻小浪に聞いたら、

「いいよ」と軽いノリ。

小浪は、当日朝5時ぐらいからおむすびを握ってくれました。

留守番の孫娘の分も。

そして、小浪は亀山まで送ってくれました。

聞くのは聞くだけなので、先ず聞いてみるって、ダメなときもあること

納得していたら、面白い展開になることもあるかな。

 


<38億年の階段>

三人は11時前に生命誌研究館に着きました。

受付で、音声ガイドを借りました。

生命誌館って、無料なんです。手続きがカンタンなんです。


晴空は、受付に一番近くにあった水槽のなかの肺魚を見て、

「目が可愛い」といっぺんに気に入ったみたいでした。

音声ガイドの順番で見ようとなって、生命誌絵巻、マンダラ絵巻の

コーナーにいきましたが、晴空はけっこう、真剣に見て、聞いて

いました。

      


38億年の階段では、晴空から「上ってみたい」とボソッと言うのを

聞いたので、三人で上りました。

晴空はどんなことをおもっていたのでしょうか?


骨のコーナーから、DNAのコーナーに行った頃、「おなかが空いた」と

なって、見学をいったん、終わりました。

 

<アリと卵焼き>

館内で食事はしないことになっています、と聞いたので、生命誌館の

外に出て、敷地内の芝生で、小浪作のおむすび弁当を三人で

食べました。

秋の日差しは、ひんやりした空気のなか、暖かでした。

気がつくと、卵焼きにアリが上ってきました。

三人「アリが来たよ」、三様に捉えたと思います。

一致したのは、アリさんに「ちょっと、どいててね」だったかな。

しばらくすると、晴空が、突然「ガードマンがやってくる」と言い出し

ました。

背中のほうかららしい。実際、やってきて「ここでは食事できません」

と伝えてくれました。

「はい・・」と言って、引越しの準備しようとしたとき、若いガードマンが

振り返って、「もうすぐ、終わるんですよね、それならいいですよ」と

声をかけてくれました。

娘とぼくは、ありがとうございますと、残りを食べていたら、晴空は、

「もう、行こうよ」と何度もぼくらを急かしました。

 


<細胞と音楽にはどんな縁が?>

おととし、ぼくは生命誌館が開催しているサマースクールに参加

しました。

「ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろう」という研究チームに受け

入れてもらいました。

細胞と細胞がくっついていく仕組みを実験によって、観察する体験を

しました。

その時、小田広樹研究員や岩崎佐和さんなどチームの方々に

とても世話になりました。

今回のワークショップは、どうもその研究チームが核になって、企画

されたようです。

ぼくは、参加にあたって、佐和さんからのお誘いが大きかったと思い

ます。

(左端、佐和さん。右から3人目小田さん)

 

ワークショップは13時からはじまりました。

開放的なホールに20人余の人が寄り集まりした。

 

はじめに、三人のミュージッシャンによるセッションがありました。

 

小田研究員が、ショウジョウバエやオオヒメグモなどの細胞がどの

ようにそれぞれの形をつくっていくか、細胞の動きを、顕微鏡で捉えた

映像を見ながら、解説してくれました。

「細胞がお互いつながり合っていく過程は 相互作用があります。

細胞間で、化学物質でシグナル出すときと、物理的な接触などの

ときもあります」

 

そのあと、今日のワークショップが細胞と細胞の間の動きを音楽に

してみようという話が、ミュージッシャンの方からありました。

呼吸を吸って、吐くときに声を出してみる。それを、他の人の声に

耳を傾け、乗って吐いてみるのを、みんなでやりました。

今回は各自持参の楽器のほかに、ミュージッシャンが用意してくれた

いろいろ音の出る、珍しい楽器があったので、各自それをもって、

鳴らしました。

そのうち、「その楽器の音色を誰かに投げてみてください」という

課題があって、相手の人の目も見なが音色の投げ合いをしました。

 

小田研究員の話と、きょうの試みが少し感じ取れるように

おもいました。

桃子と晴空は、この辺まではみんなの中にいました。

 

 

<細胞の音楽をつくる>

ショウジョウバエやオオヒメグモなど、4つの細胞の動きを捉えた

映像にがあります。

参加者がやってみようという映像4つに分かれました。

その映像を見ながら、チームで音楽をつくる趣向だとやっと分かりました。

娘と孫はそこから消えていました。

 

オオヒメグモの細胞の映像を選びました。

そこには、女の人3人と小学生の女の子がいました。

大学院博士課程にいて、クラブで管楽器をやっている人。

タイの打楽器がやれるお母さん。親子で、音楽に関心があるお母さん。

小田さんが、すこし、アドバイス。

「オオヒメグモの細胞は、はじめ集団でまとまっているけど、そのうち

そこから抜けていく細胞ができて、けっこう自由に動きまわり、そのうち

次のグループにまとまっていく」

わがメンバー、映像も見ながら「そうだね」

とっても、カンタンなストーリーができたようでした。

「・・・カスタネットで、一定のリズムでまとまりのある状態を表現して

くれます?」

「まとまっているところから、抜けていくところは、それぞれ楽器を

もって、ステージからバラバラに散っていったら」

一回、やってみようとなってステージに乗って、練習。

散っていくところが面白かったのかなあ。

小学生の娘かんなちゃんが、何か目覚めたよう、散るとき2階まで

行ってみようかな」と言い出した。

「いいね、いいね」

どうして、そうなったか思い出せないが、お母さんも娘の反対の

2階まで散っていくことになりました。

チーム名を決めよというので相談。「かんなとオオヒメグモの仲間たち」

初めて会った年齢も違う人たちが、一期一会。

 

演奏発表。

わがチーム、2番目。何がどうだか、分からないまま終わりました。

ほっ、と。

ほかのチームの出来はそれぞれ味があり、楽しかった

です。

 



<細胞の一つになったつもりで・・・>

ワークショップでは、ミュージッシャンの人から、いくたびか「自分が

細胞の一つになったつもりのイメージで・・・」と聞いてきました。

最後に、真ん中に広場をつくって、輪になりました。

ボーカルのArisAさんに合わせて、一人ひとり自分の楽器を鳴らし

ました。

人と人がくっついたり、リズムをとって、輪になって廻ったり。

ボーカルの人が響く声が、なにかシグナルを出している感じがして、

ぼくも「ワーオ」とか声出したら、コトバというより、楽しげな心持になって、

それが面白かったです。

いつの間にか、娘と孫がその輪のなかにいました。

3人で、つながって輪の中に入ろう、って声かけたら「いやだ」と

言うことでした。楽しそうに見えました。

思ったんだけど、「細胞の一つ」ということになったら、何かしていようが、

していまいが、古くからの知り合いだろうが、初めて会うひとだろうが、

お互いの間には何かの作用が働いていて、もともと一つのものが、

多様に現れていて、それで親しいんではないかと見えました。

 

<細胞たちは家路に・・・>

さっきまでまとまっていた細胞群の一人ひとりや家族は各地に散って

いきました。

わが3人も、家路につきました。

高槻の商店街では、コロッケを買いました。歩きながら食べました。

孫は「おいしい」ぼくは「なつかしい」

一個5円、生まれ育った商店街の、あつあつコロッケは格別でした。

高槻から草津、草津から柘植、最後関西線で亀山まで

電車の旅でした。

「今回は、帰ろう、帰ろうっていわなかったなあ」

「まあね・・・。最後のとき、面白かった・・・」と晴空。

 

娘と孫との旅は、これからも滅多にないだろうな。

とっても、満ち足りた気分で電車に揺られています。

孫が、今日の経験というだけではないけど、コトバにならなくとも、

何か真なるものに気がついてくれたら・・・

いや、ちょっと待ってまって、そんなことは当たり前のこととして

知っていて、日々表現しているかも知れない。

知らぬは、わが身なりけり、かも。

疲れて、ウトウト。

 

     黄昏れてガタンゴトンと揺るる秋

 

 

追伸。

 

<帰ってきて、知ったこと>

帰ってきて、翌日、生命誌研究館のHPを開いて、「クモの分子生物学」

というのを見ました。

専門的なことは、とんと理解できませんが、昨日、小田さんがやろうと

していたことの背景をぼんやりですが、知りました。

「私たちは、ショウジョウバエで背側を誘導することが分かっている

重要な分泌型シグナル分子Dppに相当するクモの遺伝子(AtDpp) を

クローニングし、この遺伝子がクムルス内部細胞で特異的に発現している

ことを明らかにした。

表層上皮細胞とクムルス内部細胞との間で、AtDppを介した細胞間の

コミュニケーションが行われている可能性が考えられる。

ここで最も興味深いことは、そのシグナル分子を発現している細胞の性質や

ふるまいがクモとハエでは極端に異なっていることである。

ハエ胚でDppを発現している細胞は上皮形態を終始維持しており、胚内部

に入って長い距離を移動するようなことはない。

この違いは重要な意味を持つと考えられるが、どうしてこんな違いが生じた

のかを理解するにはまだまだ研究が必要である」

    

 

もう一つ。

3人のミュージッシャンは、作曲家の西井夕起子さん、笙の大塚 惇平さん、

ボーカルのArisAさんです。

この企画の前に、研究員の方々と細胞の映像を見ながら、準備したそう

です。

  

そのときの、西井さんの感想。

「細胞の映像を見ながら初めて音を出した時の感動は忘れられません。

私たち3人、科学者たち、場に集まる様々な人々が、今日一つの生き物を

思考しようとコミュニケーションを行います。


一つの生き物といっても、どの細胞も、他のすべての細胞をコントロール

しようとはしていません。

そこが、ワークショップという形にぴったりだと思います。

ークショップは、とても"生き物的"なのかもしれません。

WS前にこんなに安心していたことはないかも…生きているそのまんまを

やったらいいと、思っているからでしょうか。相変わらず楽器のパッキング

でパニックになりましたが…💦

それではみなさん、よろしくお願いします!」

 

企画していただいたみなさま、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 

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