Dying Message

僕が最期に伝えたかったこと……

阿部コミュニケーション

2014-03-21 09:22:05 | Weblog
 脈絡のない紙芝居をめくるように日替わりの思いを抱いて日々過ごす僕がいる。

 僕は棄ても失くしもできぬ人間で、どこまでも一途な人間で。きっと狂おしいほど愛しているはずなのに、天邪鬼が悪事を働くかのように、気持ちと裏腹なる言葉が口をつく。僕の「死にたい」は「生きたい」で、あべこべの阿部コミュニケーションが君の背中を遠ざけてゆく。

 自転車のカゴに憂鬱を乗せ走りながら、僕は思い出の欠片を拾い集める。三つ編みの彼女はもう後ろに乗っていないのに、風の中に君の香水の匂いを見つけたようで、僕はペダルを止める。だけど、振り返ればきっと胸が痛むから、僕は今日もまた君の影から逃げ回ってる。

 移り気なる春の空模様のように毎日違った自分がいる。昨日の俺は君を嫌いで、今日の僕は君が欲しい。冷徹な目で拳を振り上げる俺がいて、涙を浮かべ心の中でそっと詫びる僕もいる。分かってもらいたい俺もいれば、そこに存在してくれるだけで満足な僕もいる。

 風に吹かれてしまおう。タンポポの綿毛に成り果てよう。想えば想うだけ気持ちは空回るようで、僕が頭で考えることなんて1ビットコインの価値さえないのだろう。巡りゆく季節にその身を任せ、悪霊が跋扈する俗世間に背を向けながら、僕は永遠に平安なる人生を送りたい。

 あの日、涙の止み間に眺めた桜は記憶の彼方にて枯れ散ったようで、僕は今日も葉桜の中に次のストーリーを探してる。


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