薬屋のおやじのボヤキ

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24節気の健康と食養:雨水から啓蟄まで

2018年02月18日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:雨水から啓蟄まで

 立春の次にやってくる24節気が雨水です。毎年2月19日頃(2018年は2月19日)になります。氷や雪が融け、雨水が増えることから、雨水と言われます。
 日増しに気温が上がり、
日射しも強まってきます。大自然の変化で誰しも目に付くのは梅の花です。満開になっている所もあちこちにでてきます。
 これによって、人は、気力が満ちて、やる気も起き、よりいっそう
心が大きくなり、楽観的で前向き、喜びの気持ちが持てるようになります。
 
人の体は立春の頃以降、冬ごもりの態勢から、命生まれる、つまり新陳代謝を活発にする態勢へと生理変化しています。冬:腎の季節(厳密には冬の土用:脾の季節を経由)から春:肝の季節への生理変化です。
 前回、立春のときに、このことについて説明しましたが、今回も春の養生法全般について下記の記事を紹介しておきますので、参照なさってください。
 春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

 この時期は、まだ寒気団がやってくることもあり、急に寒くもなり、また暖かくもなり、体調不良を起こしやすいです。それに伴って精神状態も不安定になりがちです。
 間もなく年度末の決算期を迎えることになり、ノルマ達成のために忙しく動き回り、心はあせり、不安にもなります。管理職であれば、頭に血が上り激怒することにもなります。心身の季節は既に春になっていますから、肝が高ぶってこうなりがちですが、ここは「激怒」するのではなくて「奮起」する程度に止めたいものです。

 前回も申しましたが、ヒトの体は、立春の頃に暖気運転を始め、雨水の頃に試運転し、啓蟄の頃に本格稼動に入り、春分以降はフル運転といったところでしょうか。
 このように、節気を一つ一つ迎える度に体が順々に動くようになる、と捉えていいのではないでしょうか。
 そこで、前回、まずは立春から朝起きて直ぐ行うとよい体操を一つ紹介しました。
  “金魚体操”で内臓と背骨にも運動を
 今回は、これと同じく既に戦前に編み出され、完成を見た「西式健康法」の一つで、今でも根強いファンが大勢いらっしゃる、おすすめの健康体操の2つ目を紹介しましょう。
 暖気運転に引き続く試運転として、朝の起き掛けにおやりになるといいでしょう。
  毛管運動“ゴキブリ体操” はじめッ!

 雨水から啓蟄までの食養について、特徴的なものを一つ紹介することにしましょう。
 一番最初に芽吹いてくる野草、それはフキノトウです。早春の最も代表的な野草で、雨水の頃に盛んに芽吹きます。なお、フキノトウは、どういうわけか春の七草に含まれておらず、なんとも不思議なことなのですが、これは強い苦味がために七草粥に馴染まないからでしょうかね。
 フキノトウは、冬眠していた熊が最初にあさる食べ物と言われます。熊も人も雑食性ですから、人もこれを見習いたいものです。
 フキノトウの栄養価なり薬効はいろいろ言われていますが、あまり定かではないものの、概ね次のようですから、春の食養として理にかなっているのではないでしょうか。
・カリウムを豊富に含み、ナトリウム(塩分)とのバランスを整え、血圧の正常化、むくみを取るのに効果的
・苦味成分はアルカロイドと抗酸化物質で、肝機能を強化し、解毒の促進、新陳代謝の促進に効果的に働く。
・苦味成分と芳香成分は、健胃薬として働く。

 フキノトウは、栽培ものも出回っておりますが、野生のものとどれだけも有効成分量は違わないと思われますので、大いに食したいものです。
 ただし、けっこう灰汁(あく)が強いですから、たくさん食べるときはどれだけか灰汁抜きが必要になるかもしれません。もっとも、てんぷらにすれば高熱でそれを殺せますから、その必要は
ないです。

 この時期に入手が容易な葉物野菜で旬のものとなると、立春の食養で紹介しましたように、もう旬が終わりがけのものばかりですが、ホウレンソウ、小松菜、春菊そしてネギが主なものとなりましょう。それ以外の淡色野菜も免疫力をアップさせる力がありますから、大いにとりたいです。

 これも立春の食養で紹介しましたが、春は肝の季節になりますから、5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、春は<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。
 おすすめの料理、これを紹介せねばいかんのですが、ネット検索するも、あまりらしいものがなくて、うちで作っている料理を参考までにあげておきます。春菊を少々混ぜたホウレンソウのおひたしにポン酢をかける、というものです。ポン酢の酸味、ホウレンソウの甘味、春菊の苦味という組み合わせです。
 年中出回っているホウレンソウですが、本当の旬は真冬以降です。寒締めホウレンソウといい、甘味が増し、一番おいしくなります。当然に露地ものです。
 ところで、市場に出回っているホウレンソウの中には、えぐみや苦味を感ずるものがあるようです。これは化学肥料の多用によるもので、なかでも苦味は、窒素肥料の撒きすぎで、溶けた肥料がまだそのままホウレンソウの中に残っていると考えていいでしょう。
 ホウレンソウは化学肥料、有機肥料で味が大きく異なってくる代表的な野菜です。当然、うちは有機肥料だけ(苦土石灰は使いますが)で栽培しています。また、うちの畑は沖積層ですから鉄分が少ないと思われ、使い捨てカイロから取り出した酸化鉄をホウレンソウの畝作りのときに撒いています。ホウレンソウが欲しがる鉄をこうして補給しています。使い捨てカイロは金属類のゴミ出しのときに集積場へ行って監視員の方にお願いすればいくらでもいただけます。難点は、金槌で叩いて粉々にせねばならず、けっこう手間が掛かりますが、これもおいしい野菜作りのため、労力を惜しまず、です。もっとも、近年は年を食ったせいで、夫婦で使ったものだけを少々処理するだけですが。
 

 最後に、今回も、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 畑では各種の冬野菜がだいぶ少なくなり、余裕があるのは、春菊、小松菜、ネギ、キャベツ、カブそして玉を巻いていないハクサイぐらいのものです。例年、かなり余る大根は11月以降の冷え込みで大きくならないものが多く、残っているのはニンジン並の大きさ。ホウレンソウは間もなく終わりそうですし、カリフラワー、ニンジンはすでに終わり、ブロッコリーはもう少し暖かくならないと脇芽の収穫ができそうにありません。
 自家用には、幾種類も何とか毎日
食卓にのぼっていますが、この先少々心配です。
 なお、これからが旬の甘夏がたわわに実っています
。そろそろ収穫して良さそうです。<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせになっている甘夏です。皆さんも食後のフルーツにどうぞお召し上がりください。 

 次回は、「啓蟄」(3月5、6日頃)の健康と食養です。

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24節気の健康と食養:立春から雨水まで

2018年02月03日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:立春から雨水まで

 立春(2月4日頃:2018年は2月4日)は春の始まり。
 数日前に最低気温が底を打ち、気温が上がり始める
時期が立春です。
 この時期、昼間の時間がけっこう長くなり、日射しも随分と強まってきています。
 野山では動植物が早くも春の訪れをキャッチし、活発に活動を始めています。
 人も、気力が満ちて、やる気も起き、心が大きくなり、楽観的で前向き、喜びの気持ちが持てるようになります。
 
それと同時に、人の体は冬ごもりの態勢から、命生まれる、つまり新陳代謝を活発にする態勢へと順次生理変化します。冬:腎の季節(厳密には冬の土用:脾の季節を経由)から春:肝の季節への生理変化です。
 これを踏まえた春の養生法を下記の記事で紹介しています。参照なさってください。
 
春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

 ヒトの体は、立春の頃に暖気運転を始め、雨水の頃に試運転し、啓蟄の頃に本格稼動に入り、春分以降はフル運転といったところでしょうか。このように、節気を一つ一つ迎える度に体が順々に動くようになる、と捉えていいのではないでしょうか。
 そこで、まずは立春から朝起きて直ぐ行うとよい体操を一つ紹介しましょう。体全体の暖機運転をする、といった体操です。既に戦前に編み出され、完成を見た「西式健康法」の一つで、今でも根強いファンが大勢いらっしゃる、おすすめの健康体操です。
 “金魚体操”で内臓と背骨にも運動を

 次に、春の始まりである立春から雨水までの食養について、まず特徴的なものを一つ紹介することにしましょう。
 七草粥(かゆ)というものがあります。今では、西暦の1月7日に7種類の野草を入れた粥を食べる習慣ができていますが、これから冬本番という時期に、そうそう何種類もの野草が野山で手に入るわけがありません。ちょっと時期がずれています。
 七草粥の起源は、中国の華南において旧暦の正月七日に野草を摘む習慣があり、5世紀頃に書かれた歳時記に「正月七日…七種の菜を以って羹を為る」とあります。
 つまり比較的温暖な地域にあっては、この頃に幾種類かの野草を摘んできて、これを入れた羹(あつもの:熱い汁物orとろりとしたスープor雑煮)を食べていたというものです。一般に野草は葉が硬くて消化に悪いですから、これをすり潰して他の食材に混ぜた雑煮(必ずしも餅が入ったものではない)を食べていたのではないでしょうかね。
そんなふうに思われます。
 旧暦の正月七日は、年によって随分と変化しますが、大ざっぱに言って立春の前後になります。季節感からすれば、立春に七草粥を食べたいものです。

 これは、立春の食養として理にかなっています。
 野生の動物で、草食性なり雑食性であれば、冬越ししている野草なり、早々に芽吹いてきた野草の葉や芽を食べるのは当たり前のことであり、これでもってイキイキ元気になっていくのです。
 ヒトは、本来は草食性で、その後に雑食性になりましたが、原始人は季節折々の旬の野草を盛んに食べていたに違いなく、5世紀の人たちと同様に現代人も、これを見習うことによって、はじめて健康になれるといえましょう。
 そして、野草は現代栄養学で言えば、ビタミン・ミネラルが濃厚ですから、新陳代謝の大いなる助けになりますし、ミネラルは肝臓での解毒作用を促進してくれます。
 また、近年注目されるようになったポリフェノールなどのフィトケミカルが春の野草には多く含まれ、抗酸化作用など有用なものが多いです。なお、アルカロイドを含むものもけっこうあり、これは適量なら薬になります。
 漢方の面から言えば、この時期の野草は苦味があるものが多く、総じて健胃薬になります。また、野草の中には酸味があるものもあり、特に春は肝の養生に酸味が必要ですから、これが最適なものとなりましょう。

 今日では野山の野草はめったに手に入るものではなく、入手が容易な葉物野菜で立春の時期が旬のものとなると、もう旬が終わりがけのものばかりですが、ホウレンソウ、小松菜、春菊そしてネギが主なものとなりましょう。
 この中で、最近の中医学(中国)で立春に最も適したものとしてすすめられているのが、ネギ、加えてニラです。「ネギは、発汗して邪気を取り除き、寒を散じて陽を通わし、殺菌解毒、血液循環を促進し、消化液の分泌を増やし、食欲を高める。ニラはまたの名を起陽草と言い、古くから長寿の野菜とされ、肝臓を温め、陽を助け、精を固め、脾臓や胃を強め、逆気を降ろし、鬱血を散じ、元気をつける。」と言われます。

 こうした葉物野菜や、それ以外の淡色野菜もこの時期は大いにとりたいです。
 と申しますのは、前回の「
大寒から節分」で書きましたように、この時期も厳しい寒さがためにインフルエンザに罹患することがまだまだ多くなりますから、免疫力をアップさせること、体の抵抗力を落とさないこと、これが重要になり、そのためには免疫力をアップさせる力がある淡色野菜が大切な食材になってくるのです。

 さて、立春から春となり、肝の季節ですから、5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、春は<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。
 特に、酸味は肝に効き、肝が喜びますから、酸っぱい梅干を朝に1粒いただきたいものです。梅干が広まったのは鎌倉武士からです。「梅干を1個食べ、いざ出陣!」 これで、活動的になれます。春、活発に動き回るようになるのですから、おすすめです。梅干の主成分であるクエン酸は、血液をサラサラにして血流を良くし、エネルギー産生回路に働いてエネルギー産生を円滑にし、活動的にしてくれるのですからね。
 ところで、鎌倉武士は出陣に当たって「腹が減っては戦ができぬ」とばかり、梅干入りのおにぎりでも食べたのでしょうか。いえいえ、胃の中を空っぽにして、つまり空腹状態で挑んだのです。当時は武士も庶民も1日2食の朝食抜きでしたから、前の晩に食べて以来、何も口にせず、そうであっても少なくとも午前中は目一杯の活躍ができたのです。
 これは現代人にも言えることであり、そうしているスポーツ選手もいます。下記記事で、それを紹介していますので、ご覧ください。皆さんにおすすめします、朝食抜き。
  不謹慎ですが、被災は断食のチャンス

 最後に、今回も、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 畑では各種の冬野菜がだいぶ少なくなり、昨秋以降の天候不順と早い冷え込みにより、全般に生育が悪いものが多いのですが、まだまだ残っております。そのなかでも春菊とキャベツは豊作です。ホウレンソウ、小松菜、大根(小さなもの)、カブ、ハクサイ(玉が巻いてない)、これらをボツボツ収獲しています。
 当地特産の「徳田ねぎ」は大量作付けしていますが、やはり生育は悪く、収穫量は上がりませんが、お客様に差し上げる分も含めて3月までは何とかなりそうです。
 
なお、ブロッコリーも少し栽培していますが、寒さで花芽の成長がどれほどもなく、もう少し暖かくなればどんどん収穫できましょう。

 果物についても紹介しておきましょう。
 立春から旬となるすぐれものがあります。それは、甘夏です。
 うちの庭に1本ある甘夏の木に実がたわわと生り、黄色く色づいています。去年は大豊作でしたが、今年はそこまでいかないまでも、豊作なのは間違いないです。
 甘夏は、肝臓が欲しがる酸味がたっぷりとれます。加えて甘みがあります。さらに好都合なことに、中袋を噛むとかすかな苦味があります。<主・酸味、従・甘味、添・苦味>と、実に理想的な味の配合になっていて、これでもって体全体の臓器のバランスを整えることができようというものです。
 もう少し日にちが経つと甘味が増すでしょうが、畑のみかん(今年は裏作で収穫量わずか)が既に終わっていますから、ぼつぼつ甘夏を食べようと思っています。

 次回は「雨水」(2月19日頃)の健康と食養です。

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春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

2018年02月03日 | 漢方五季の食養

春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

 2018年2月4日は立春、春の到来です。
 でも、春といっても、漢方の世界における春です。その春は、立春(2月4日頃)から始まって穀雨(4月20日頃)の4日ほど前の4月16日頃までです。一般的に考えられている春よりも約1か月早く始まり、ど真ん中で終わりを告げます。
 なお、その後、4月17日頃に「春の土用」に入り、立夏(5月5日頃)の前日までの18日間ほどが「春の土用」です。漢方での「土用」とは季節の変わり目をいい、「春の土用」であっても「春」にあらずとなります。
 ところで、これは中国の中心部での話です。日本列島では、おおむね九州から関東の平野部までが該当することになりましょう。北日本では遅い春となるのは当然で、桜(ソメイヨシノ)が散り終わってからが「春の土用」入りと考えてよいかもしれません。

 さて、この春においては、自然界では順々にあらゆるものに命が宿りだし、活動を始めていきます。立春の頃には昼間の時間がけっこう長くなり、日射しも随分と強まってきています。すでに野山では所々で万物の息吹が感じられます。一部の草木が芽吹き、花を咲かせるものも出てきます。そして、雨水、啓蟄と節気が進むにつれ、梅が咲き出し、フキノトウ、ツクシが勢いよく芽吹いてきます。春分を過ぎれば春爛漫、桜の開花を迎え、さらに清明、穀雨へと節気が向かえば、あらゆる草木はものすごい勢いで芽吹き、花を付け、春たけなわとなります。
 この時期、自然界は、こうして猛烈な変化を遂げていきます。
 人の体も同様で、冬ごもりの態勢から、順次、命まみれる、つまり新陳代謝(細胞の生まれ変わり)を活発にする態勢へと生理変化していきます。立春の頃には、まだ
暖気運転といったところでしょうが、順次、試運転に入り、そして本格稼動に入っていくのです。
 また、野山に本格的な春が来た、これを実感することによって、人は、気力が満ち、やる気も起き、心が大きくなり、楽観的で前向き、喜びの気持ちが持てるようになりますし、心がウキウキしてきます。

 春も後半になった4月1日から日本では新年度となり、進学、就職、異動でがらりと生活環境が変わることが多いです。大いなる期待が持てる一方で、緊張し、不安にもなります。
 この頃には、「春眠暁を覚えず」という体調になったりします。体が重だるくて寝床からなかなか出られないのです。また、「木の芽時(どき)は健康に注意を」と言われます。たびたび頭痛がしたり、目が充血(花粉症とは別)したりと、この時期に特有の症状が出ることも多いです。そして、イライラしたり、逆に落ち込んで鬱(うつ)になったりと、精神が不安定になるのも、この時期が圧倒的に多いです。
 これら身心のトラブルは、年度替りの時期であることも影響しています。
 でも、9月が年度替りでこの時期は年度の途中にある中国でも、こうしたことが言われていますから、トラブルの原因は他にもありそうです。
 いずれにせよ、精神の安定、心の健康に特に留意すべき時期ですから、その備えを怠らないようにしたいものです。
 おすすめなのが、朝日を浴びてリズム運動をすることです。その御利益はたっぷりあります。次の記事をご覧になってください。

 「幸せホルモン」セロトニンと「睡眠ホルモン」メラトニンを十分に出す生活習慣を

 春は、「肝」の季節です。これからの1年間を健康で過ごすために、肝臓が肝細胞をリフレッシュしようとして、盛んに働こうとする季節、それが春なのです。
 ところが、今までずっと肝臓が酷使され続け、お疲れさん状態になっていると、肝臓はウオーミングアップがうまくできず、盛んに働こうとしても空回りし、寝起きが悪くなったり、気分が沈みがちになったりするのです。でも、肝臓は、春が来たから頑張らなくっちゃと、必死に働こうとしますので、逆に精神が高ぶってイライラしたり、動悸がしたり、のぼせたり、寝汗をかいたりするようになるのです。
 
ここまでに挙げた症状がどれか一つでも感じられる方は、“肝臓が無理してくれているんだなあ”と、思ってください。この季節、肝臓は無理してでも、これからの1年間の生命維持を確かなものとするために、猛烈に頑張ってくれているのです。
 肝臓は「沈黙の臓器」と言います。酷使されても決して音を上げるようなことはないのです。“肝臓さん、ごめんなさいね。毎日、懸命に働いてくれて、ありがとう。これからの1年間、よろしくお願いします。”と、感謝したいです。

 そこで、肝臓さんに何か手助けをしてあげねばなりません。
 肝臓さんが喜んでくれることは何でしょうか。
 第1に、肝臓に無理をさせないことです。飽食が大敵です。
 吸収された栄養は、全て肝臓に送られ、分解、再合成、解毒されてから、体中に配給されます。過食すれば、肝臓は大忙しになります。加えて、引き取り手がない栄養は、肝臓で蓄えるしかなく、脂肪肝になって肝臓の働きを悪くします。
 春は、自然界には食べ物が極端に少なく、本来は断食の季節ですから、少食を心がけたいものです。
 特に、春に特有の症状が出て、食欲が落ちたら、肝臓がオーバーワークで疲労困憊していると考えてください。その場合は、極力少食とし、1日1食にしてもかまいません。
 でも、いきなり1日1食にしては体を壊しますから、まずは朝食抜きをおすすめします。最初はこれまで取っていた朝食より消化によいものを少量食べるだけにし、それに慣れたら量を半分、これにも慣れたら一口だけ、といった塩梅で漸減させ、最後は朝食抜きにするのです。“朝食を抜くなんて身体に悪いんじゃないの?”と、一般に言われていますが、それは逆です。
 (参照 → 朝食有害論の歴史的推移
 第2は、肝臓に酸素をたっぷり供給してあげることです。血液をサラサラにし、血流を良くするしか方法はありません。少食、断食で、これが可能となりますが、それ以外の方法もあります。そうです、運動です。外へ出て体を動かすのが一番です。新鮮な空気を美味しく感ずるということは、肝臓がたっぷりと酸素が貰えて喜んでいるからでしょう。
 第3は、肝臓が欲しがる物を差し上げてください。春が旬のものなどを召し上がっていただくと良いです。これについては、このあと詳しく説明します。

 春先の肝臓の最重要な仕事は、解毒です。冬の間に溜まった毒素を分解し、尿として排出できない毒素は汗として排出しようと、懸命に働き始めます。
 なお、解毒を促進するためには、少食や断食が必要になります。
 太古の人は、冬場は木の実や芋がまだ食べられたでしょうが、春になると、これらが底を尽き、芽吹きだした木の芽や草を食べるしかないですから、自然と少食になりますし、雨の日はじっとして断食したでしょうから、よりいっそう解毒も進みます。
 こうして、体全体がリフレッシュされ、特に肝臓が蘇ります。これで、これからの1年間を健康に暮らしていける体づくりの基本的な準備が整うというものです。

 でも、現代においては、このような食生活は不可能です。どうしたらよいでしょうか。
 これは、いつの時期についても言えることですが、まずは旬の物をいただくことです。
 でも、春先の野草で食べられるものは、フキノトウ、ツクシくらいしかなく、山菜はまだ小さくて採れません。野菜では、今は冬野菜となっている春菊くらいなものでしょう。
 なお、これらは皆、灰汁(あく)が強い植物です。特に、ツクシや山菜は、灰汁抜きが必要になります。でも、本来は、あれこれ少しずつ食べるものですから、その必要はなく、かえって、その灰汁が体に良いのではないかと、小生には思われます。
 と言いますのは、「灰汁」とは、昔の人がうまく名付けたもので、「植物を燃やしてできた灰から溶け出したもの」つまり「各種ミネラル」なのですから、これを捨ててしまうのは、いかにも勿体無いです。春の野草や山菜には、ミネラルがぎっしりと詰まっていると考えて良いでしょう。もっとも、灰汁抜きをしても、ミネラルがそれほど溶け出すことはなく、多くは可溶性のアルカロイドなどが溶け出すのでしょうが、そのアルカロイドなども、大量に口にすれば、湿疹が出たり、胃を荒らしたり、下痢したりするものの、少量であれば、何らかの形で有用な働きをすると考えて良いのではないでしょうか。毒も少量であれば薬になることが多いのですからね。

 そうは言っても、これだけでは食べられるものが大幅に不足します。ゼロに等しいと言ってよいです。であるから、この時期に断食すると効果が高いのですが、飽食時代の今日にあっては、到底それは不可能なことです。
 加えて、どんな食材でも年がら年中手に入る時代ですから、ここは、偏食に気を付け、露地物の野菜を中心にして、あれこれ食べるしかないですね。
 これでは、一般的抽象的無内容なアドバイスになってしまい、お叱りを受けることになりますが、この春の時期に、肝臓がイキイキ元気に働いてくれる、良い食事、調理法を漢方栄養学からお話しましょう。

   

 肝臓が欲しがるものは、酸味です。
 この時期、酸っぱいものを意識的に摂るようにしたいです。梅干を朝にぜひ1粒いただきたいものです。そして、とっておきの果物があります。それは、この時期が旬となる柑橘類の甘夏あるいは夏みかんです。
 もっとも、当然にして限度というものがあって、過ぎたるは及ばざるが如しでして、酸度が強すぎれば、胃を荒らすことになりますから、ご注意を。
 いずれにしても、酸味は
胃に負担をかけますから、胃を守るために、少々甘みのある食材を足すと良いです。これに苦味のある食材を添えると、より良くなります。
 こうすると、体全体の臓器のバランスを整えることができるからです。
 避けたいのは辛味です。肝臓は、辛味でダメージを受けやすいからです。
 なお、塩味は、ほどほどであれば気にする必要はありません。
 ここに漢方の五味(ごみ)を登場させましたが、これは日本料理の調理法の基本にもなっています。隠し味と呼ばれるもので、酢の物であれば、酸味が強いですから、甘味を少々足し、苦味のあるものがさりげなく添えられます。
 
春は、<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせを最適とします。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。

 以上3つの対処をしていただけば、肝臓の働きに余裕が出てきて、さわやかに目覚め、新鮮な気持ちになり、心の奥底から楽しくなることでしょう。
 
それでも体調が思わしくないという場合には、漢方薬の助けを借りたいものです。
 肝のエネルギーがぎっしり詰まったのが胆石で、牛の胆石「牛黄(ごおう)」が、肝臓にとって最高の滋養強壮になります。また、弱った肝臓には田七人参が機能回復の大いなる助けになります。

(追記)
 ところで、春は長いです。そこで、「24節気」ごとの健康と食養について、うちで採れる野菜などもおりまぜながら紹介しています。併せてお読みいただければ幸いです。
 24節気の健康と食養:立春から雨水まで
 24節気の健康と食養:雨水から啓蟄まで
 24節気の健康と食養:啓蟄から春分まで
 24節気の健康と食養:春分から清明まで
 24節気の健康と食養:穀雨から立夏まで(春の土用)

(備考)本稿は、次の過去記事を2016.2.3に編集し統合しました。これにより次の過去記事は消去することにします。
 2011.3.11 春、肝臓の季節です。肝臓が欲しがる食品を少量ずつ食しましょう。
 2011.3.29 春、肝臓が求めているものは?肝臓は少食と運動を願っています。そして、肝臓にいい食品。
  なお、2017
年から、毎年部分修正をかけていきます。

五行配当表
(下図) 各ブロックの端に味が表記されています。
     
 「水」・「冬」のブロックの左端が味の「鹹」ですが、塩のことです。

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ひなたぼっこのすすめ(三宅薬品発行の生涯現役新聞N0.276)

2018年01月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.276:2018年1月25日発行
表題:ひなたぼっこのすすめ

副題:お日様に当たってできるビタミンDは様々な働きをします
(2日前に投稿した「冬はお日様に当たって健康づくり」の要約版です)

(表面)↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。 

 

(裏面)瓦版のボヤキ
    白菜をたんと食べて百歳の長寿に

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9万9千Kmの毛細血管を健全に

2018年01月24日 | 血流改善が最重要

9万9千Kmの毛細血管を健全に

(本稿は別立てブログ「銀杏葉の百科事典 銀杏葉惚れ惚れ」で、同日に投稿したものですが、このブログでも記事にしました。)
 ヒトの血管の総延長は10万Kmになると言われています。また、そのうち毛細血管が99%を占めるとも。この数字は、ともに大雑把な概数ですから、本来なら「血管の総延長は10万Km、毛細血管の総延長も10万Km」と言ったほうがいいでしょう。でも、毛細血管以外の血管(大動脈、動脈、細動脈、静脈も同様の3種類)が1%を占め、その総延長が、これまた概数ですが1千Kmになるのですから、「血管の総延長は10万Km、うち毛細血管の総延長は9万9千Km」と言った方が「毛細血管は血管のほとんどを占め、とてつもなく長い」ことが理解しやすいかと思い、表題はそのように書きました。
 さて、毛細血管の役割はなにかというと「栄養と酸素の運搬」ということになるのですが、飽食時代の今日にあっては、たとえ毛細血管に不具合があっても、栄養は十二分に運搬されるでしょう。ですから、毛細血管の役割は「酸素の運搬」に特化しているといっても過言ではないです。
 ちなみに、通説となっているヒトの体細胞の数はというと「ヒトの体細胞の総数は60兆個、うち赤血球は20兆個」ですが、詳しく調べたら「ヒトの体細胞の総数は37兆2千億個、うち赤血球は26兆個」ということが分かり、細胞総数の70%もが赤血球で占められていることが判明しています。
 これらのことからすると、ヒトの体というものは「あらかたが赤血球とその通り道である毛細血管でできている」と言っても過言ではなく、ヒトが健康であるためには、健全な赤血球が十分にあることは当然ですが、毛細血管も健全なものでなければならないということになります。
 赤血球が足りなくなったり不健全になったりすると、ダイレクトに酸素運搬力に影響しますから、自覚症状として表れやすいのですが、毛細血管の不具合は直ちに自覚症状として表れることはないようです。
 というのは、常時、毛細血管の全部に血液が流れているのではなく、休止している毛細血管が多いからです。例えば、激しく運動するとなると酸素要求が高まりますから、血圧が急上昇し、その圧力によって休止している毛細血管へも血液が流れ、そこを通過する赤血球から酸素がふんだんに供給される、という仕組みになっています。よって、平常時に働いている毛細血管に不具合が生ずると、その隣の休止している毛細血管がバイパスの役割を担ってくれる、といったふうに血流は概ね確保されますから、問題は解消します。
 ところが、毛細血管の不具合は、じわりじわりと全部の毛細血管にやってくると考えた方がいいです。例えば、ごく軽い打ち身で(手や足を指でギュッと押さえただけの場合でも)青あざが出来る方がいらっしゃいますが、これは毛細血管が老化して切れやすくなっているからでして、これは手や足の一部にとどまらず、体全体の毛細血管が同じ状態になっていることでしょう。
 老化して切れやすい毛細血管は、血液中の血漿が漏れやすくなっていますから、毛細血管にかかっている内圧でもって血漿がいたずらに漏れ出した状態をかもし出し、毛細血管内外の圧力差を小さくし、これがために赤血球から放出された酸素が毛細血管外へ出て行く量が少なくなります。
 こうなると、体全体に酸素欠乏をきたします。休止している毛細血管がどれだけか動員できたとしても、原因が原因だけに体中の全細胞に十分な酸素を供給するのは不可能となります。その結果、何となく体が重い、だるい、すぐ疲れるといった体調不良を招きます。こうした体調不良は少しずつ進行していきますから、自覚することなく進んでいきがちで、年のせいにしたりします。
 
 毛細血管の老化現象は加齢により防ぎ得ない面もありますが、けっこう若返らせたり、老化の進行を遅らせたりすることができるものです。ヒトの体細胞は一般に数か月もすれば新しい細胞に置き換わります。これを新陳代謝というのですが、加齢に伴い、その生まれ変わりの頻度が落ち、一つの細胞が長々と働き続けることになります。そうした老化細胞はどうしてもガタがきて、正常に働くことができにくくなります。これが老化現象で、基本的に毛細血管の老化もこうして起きます。
 毛細血管の新陳代謝を促進する一番の方法は、力学的刺激です。赤血球は毛細血管の内壁を擦りながら、あたかもヘビが卵を飲んだごとく、ほんのわずかですが毛細血管を膨らませながら通過していきます。このときの摩擦による赤血球細胞内物質の揺れ動きで酸素が血漿中に放出されます。それと同時に毛細血管の内皮細胞も揺れ動きます。この摩擦という力学的刺激は、運動することによって赤血球の通過頻度の高まりと比例して増えることになり、運動すればするほどに力学的刺激が増え、その結果、新陳代謝も促進されるのです。使うものは使うほどに良くなり、使うものを使わなければ衰えるのは、筋肉や脳と一緒です。
 言うは易く行うは難しが毎日の十分な運動でして、誰しもができるものではありませんが、少しは意識して体を動かしたいものです。

 ここから先は少々専門的になりますが、しばしお付き合いください。
 まず、毛細血管の構造について概説します。毛細血管は次のような構造になっています。ただし、脳内に存在する毛細血管は神経細胞が必要とする物質しか通さない特殊な構造(これを脳関門という)になっていますが、その説明は省略します。

 先ほど説明しました内皮細胞は幾つもがつながっており、内皮細胞同士がくっつき合っているわずかな隙間から栄養物や酸素を含んだ血漿がしみだしていきます。
 内皮細胞の外側を取り巻いているマトリックス(細胞外基質)は内皮細胞を保護する膜で、内皮細胞がバラバラにならないよう守っています。主成分はコラーゲン繊維で透過性があり、血漿は難なく通過します。
 その外側で所々に張り付いているのが壁細胞で、ヒトデのような格好をしており、内皮細胞同士をしっかりとつなぎとめる役割を担っています。マトリックスだけではつなぎとめが不十分ですから、壁細胞の働きはとても重要です。
 このように毛細血管は2種類の細胞と基質でできていますから、その3つともが正常な状態を保ち、それぞれの機能を十分に発揮せねばなりません。
 そのためには、先に述べましたように運動することによって新陳代謝を図ってやることですが、それ以外にも打つ手は幾つかあります。
 まず、内皮細胞ですが、活性酸素や高血糖で傷つきやすく、これらによって内皮細胞の老化が急速に進行しますから、それらを防ぐ手立てが必要となります。
 その最も効果的なものが銀杏葉エキスです。銀杏葉エキスには10数種類のフラボノール配糖体と数種類の総テルペンラクトン(テルペノイド)が含まれており、これらの相乗効果で内皮細胞を守り、また、若返らせるようですし、何よりも赤血球の通りをスムーズにしてくれます。
 次に、マトリックスですが、主成分のコラーゲン(細胞外たんぱく質)は体内合成できるものの、加齢により、その合成力が落ちますから、良質のコラーゲンを補給してやると、胃や腸でいったん分解されるも再合成がスムーズに進み、健全なマトリックスが出来上がるようでして、先に述べました、ごく軽い打ち身で青あざが出来る方は、良質のコラーゲン補給でこれが解消することが多いです。
 3つめの壁細胞ですが、内皮細胞の外側に突き出しているTie2(タイツー)という受容体によって壁細胞が接着し、壁細胞が内皮細胞同士をしっかりとつなぎとめているのですが、えてしてTie2が不活性になることがあり、壁細胞がはがれてしまいがちです。こうなると、内皮細胞同士の隙間が広がりすぎてしまい、血漿がだだ漏れすることになってしまいます。
 そこで、Tie2の活性化を図る必要が生ずるのですが、近年、これに効果があるハーブや生薬が幾つもあることが分かりました。ヒハツ、月桃葉、ツルレンゲ、スターフルーツ、ハス胚芽、シナモン、サンザシ、シジウムグァバ、インディアンデーツ、かりん、ルイボスといったものです。
 これらの中で、もっとも効果的なものがヒハツのエキスのようです。そして、ヒハツエキスは、他に体内熱産生作用が知られており、冷え症改善にもいいですし、また、高血圧改善効果もどれだけかあるようです。

 ということから、毛細血管の健全化のためには、銀杏葉エキス、コラーゲン、ヒハツエキスをサプリメントとして毎日補給するのが望ましいことになります。
 こうしたサプリメントの補給によって、「9万9千Kmの毛細血管」を健全に保ちたいものです。(サプリメント製品の紹介はこのブログでは割愛しました。)

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