薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

不謹慎ですが、被災は断食のチャンス

2011年03月25日 | 朝食抜き・断食で健康

不謹慎ですが、被災は断食のチャンス

 三陸沖の巨大地震で被災された方々は、とんでもない禍をもろに受けられ、悲しみに打ちひしがれておられることでしょう。謹んでお見舞い申し上げます。
 
あまりにもお気の毒で、被災しなかった小生は、今の自分の幸せをしみじみと感じています。そうしたことから、出来る限り可能な支援をさせていただこうと思っていますし、毎日の生活において、現地で不足する物資は極力買わないようにしています。
 
たいした力にはなりませんが、それでお許しいただきたく存じます。

 “禍を転じて福と為す”という諺があります。
 被災された方々におかれましては、何ごとも前向きにお考えいただき、この大災害を乗り切っていただきたいです。
 小生は薬屋をやっておりますが、生活習慣病を抱えたお客様には、常日頃、少食、そして可能ならばミニ断食をお勧めしています。
 “食い物が底をついている上に、救援物資が来ない”という“禍”の状態に落とし込められているときに、このようなことを言うのは、不謹慎極まりないことを承知しつつも、何か一つでも前向きに捉えていただき、これを“福”と転じていただければと思い、記事にさせていただきました。

 さて、動物界においては、春は断食の季節です。昨秋に野山で植物がもたらしてくれた豊穣も冬には底を突き、春は、少々芽吹いた草や木の芽を食べるしかありません。
 少食を余儀なくされます。冷たい雨が降ればどこかで雨宿りし、その日は断食です。
 体に蓄えた脂肪を燃焼させて、日々のエネルギーにします。
 そして、このとき、体中の毒素を排出し、イキイキとした体を取り戻すのです。
 ヒトも動物で、春になると、生体反応は、そのようになります。
 解毒の仕事は肝臓が担っていますから、春には、肝臓の働きが強まります。
 中医学(漢方)では、その長年の経験から、「春は肝の季節」としています。

 ところで、肝臓の仕事は、真っ先に、胃腸で消化吸収された栄養を再分解・再合成することにあるのですが、これが連日大量に捌かねばならないとなると、解毒がお留守になりがちですし、また、余った栄養を肝臓で蓄えざるを得なくなり、脂肪肝となって、肝臓全体の働きを鈍らせます。
 こうした飽食生活を続けていますと、肝臓が酷使されて弱り、それが高ずれば、やがて肝臓の病気へと進展します。
 今日の日本人は、こうした傾向にある方がたいへん多いです。
 よって、春は少食にし、肝臓への負担を軽減させてやり、この時期の肝臓の最大の役割である解毒が円滑に進められるよう、配慮する必要が大です。

 日本人が1日3食取るようになった歴史は浅く、戦国時代までは、上から下まで1日2食で、朝食は取りませんでした。江戸時代に“太平の世”になって、武士や江戸町人が朝食を食べるようになりましたが、一般庶民は、明治初期まで、1日2食を通しました。
 朝起きて、水を飲むだけで午前中いっぱい力仕事をしたのです。
 室町時代や幕末・明治初期に日本を訪れた欧米人は皆、日本人庶民のあまりの健康さに驚きを上げ、その様を本国へ報告しています。
 その健康の源は、日本食の内容にもありますが、1日2食を通し、毎日、ミニ断食を行っていたことが大きな要因であったと思われるのです。
 なお、武士、これは鎌倉時代からですが、出陣に当たっては、梅干を食べるだけで、食事は取りませんでした。空腹であって、はじめて戦ができるのです。
 
これは、現代でも行われています。プロレスラーの力道山は試合の当日は食事を取りませんでしたし、最近ではスピード・スケートの清水宏保はレースの数時間前には食事を終え、空腹状態で臨んだなど、ミニ断食してこそ、はじめて人は活動的になれるのです。
 ちなみに、野生のライオンは、通常は1週間に1食で、獲物を食べた後、数日経って空腹状態になってから狩りを始め、2、3日獲物を追いかけて、やっと食事にありつけるという生活をしています。

 人も、2、3日断食をすると、非常に健康体になれるのですが、突然行うと、あまりの変化に生体が着いて行けませんから、体調を崩しやすいです。
 小生も、そうしたことから、1日断食しかやっていないのですが、最大の注意点は、復食にあります。いきなり通常食にすると胃腸を壊すことになります。
 よって、1日断食するに当たっても、復食は、肉は取らず野菜を中心にしたものとし、腹五分に抑えています。また、よく噛んで胃に負担をかけないようにしています。
 なお、小生は1日1食(夕食のみ)を10年近く続けており、1日断食するときは、前日もそのような食事とし、実質上は3日程度の準断食になります。
 こうすると、体調を壊すことなく、断食中に畑仕事も難なくこなせます。
 よって、被災地の皆様も、救援物資の食料が大量に入荷したとしても、その日は、消化に良いものを少量だけ食べるに止めてください。

 さて、被災者の皆さんは、被災のストレスから、胃が荒れていることが多いでしょう。
 消化に悪いものは、確実に胃を痛めます。ゆっくりとよく噛んでお召し上がりなさってください。目安として、1口30回噛むのが良いとされています。

 次に、中医学(漢方)では、先ほど申しましたように、春は肝の季節でして、肝臓の働きが高くなります。よって、中医学の“味学”からは、この時期、肝臓に良い酸味を補いたいです。ただし、酸味が強いと胃を荒らしますから、胃に良い甘味が欲しいです。
 これにぴったりなのが、「梅干入りのおにぎり」です。ご飯をよく噛めば甘味が生じますから、酸味に甘味が加えられるからです。そして、適度な塩味・・・これは腎臓に良い・・・もあります。欲を言えば、苦味・・・これは心臓に良い・・・を添えると理想的ですが、食材が限られているでしょうから、苦味健胃薬を1粒でもなめていただけると良いです。なお、お子さんは、胃も心臓も丈夫ですから、苦味は不要です。
 肝臓の働きを円滑にするために避けねばならないのが、肝臓が嫌う辛味です。もっとも、辛味は肺に良いですから、ゼロにする必要はありませんが。
 
よって、春の避難生活では、カレーライスは、なるべく避けたいです。もし、カレーしかないとなったら、薄めに調理していただきたいです。
 中医学では、こうした五味のバランスを重視します。季節ごとの五味のバランスにより、健康な体が作られていくことが分かっているからです。(詳細については、このブログのカテゴリー「漢方栄養学」の記事を、また、春以降の五味については、順次、このブログで取り上げます。)

 まともな食材がない避難生活で、漢方の五味のバランスを取るのも、絶対量を確保するのも、大変でしょうが、この“禍”は、少食による健康増進と、酸味で肝臓を生き返らせる絶好の機会でして、これが復興時には、きっと“福”に転じることでしょう。

 また、被災を免れた地域の方も、被災地の方々の食生活を頭に思い浮かべながら、贅沢もほどほどにし、この際、少食と酸味を意識した食生活を取り入れ、春の健康増進そして夏の健康飛躍を目指してください。(なお、少食健康法については、このブログのカテゴリー「朝食抜き・断食で健康」の各記事をご覧ください。)


コメント    この記事についてブログを書く
« 春は、何と4月16日で終わり! | トップ | 今月の笑い話ベスト5<チャ... »

コメントを投稿

朝食抜き・断食で健康」カテゴリの最新記事