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ヒトの本来の食性は、主食が芋、副食に野草・果物・豆類なのです。肉を全然受け付けない体質なのです。

2011年09月07日 | 食養

ヒトの本来の食性は、主食が芋、副食に野草・果物・豆類なのです。肉を全然受け付けない体質なのです。

 現代のヒトは、エスキモーのように完全な動物食の民族から、ベジタリアンのように完全な植物食で通す人々まで、様々です。
 
動物食も、単に肉だけではなく、血、内臓さらには一部の骨が加わりますし、エスキモーともなると、腸管内の半消化の海藻も食べますから、そう単純ではありません。加えて、動物食には、乳、卵がその範疇に入りますし、さらには、魚介類、昆虫など幅広いです。
 植物食も、野菜の葉っぱ、茎、根、実という食物繊維中心のものから、デンプン質中心の芋類、そして脂肪やタンパク質をけっこう多く含む穀類や豆類まであります。それ以外にも、海藻、木の若葉や芽、シダ類の若芽、ときには花も加わります。そして果物です。
 こうしたことから、ヒトは雑食動物とされているのですが、本当にそうでしょうか。
 消化器官、消化酵素が、それにうまく対応しているでしょうか。甚だ疑問です。

 これは、民族によって違いがあるとも言われます。たしかに、ドイツ人の胃袋の厚さは日本人の3倍の厚みがあると言われ、肉を消化する力が強いですし、逆に腸の長さは日本人の方が2メートルほど長く、デンプンの消化と食物繊維の処理に都合が良いです。
 こうした民族による食性の違いが生じ始めたのは、高々数万年前と思われ、はっきりとした違いは約2万年前からと思われます。この程度の年数の経過では、新たに身に付けた食に対する消化機能が十分に適応するのには無理がありましょうし、エネルギー変換された後に生ずる老廃物の処理ともなると、これは容易なことではありません。

 先に老廃物の処理を考えて見ましょう。炭水化物や脂肪は、エネルギー変換(酸化)されれば、水と二酸化炭素というクリーンなものになり、人体にとって無害です。
 ところが、タンパク質はアミノ酸(窒素化合物)で構成されていますから、これがエネルギー変換されると、窒素の遊離体が発生し、これは猛毒です。これは直ちにアンモニアに姿を変えますが、これも毒性が強いですから、大半は尿素に変換され、無毒化されるのですが、一部尿酸が出来てしまいます。水にあまり溶けない尿酸が血液中に増えてくると、結晶化して痛風を発症するなど厄介なことになるのは、直ぐ前に記事にしました。
 やはり尿酸は毒なのです。肉食動物は、そのために尿酸酸化酵素を持っているのですが、ヒトも類人猿も長らく完全な植食性を通したがために、その酵素を失っており、それを復活させることは永久に不可能ですし、代替酵素を獲得するには100万年でも無理で、通常1000万年かかることでしょう。
 そのとき、ヒトはヒトでおられるか?と考えると、やはりヒトには永久にタンパク質は毒だから、一切の動物食をしてはならぬ、そればかりかタンパク質の多い豆類や穀類もほどほどにしなければ駄目だ、ということになってしまいます。これは極論ですが、ヒトの理想的な食は何かを考えると、そう言わざるを得ないのです。

 ここで、人類進化の歴史を振り返ってみましょう。1000万年前は、ゴリラもチンパンジーもヒトも誕生しておらず、その共通の祖先がいただけです。その時の食性は、果物を主食とし、足らず前は柔らかい木の葉っぱで補い、花も時折食べていたことでしょう。東南アジアに現生するテナガザルのような食性であったと考えられています。
 500万年前になると少し変化したと思われます。ここからは人類水生進化説(小生の別立てブログ:永築當果のブログ)
によりますが、ヒトの祖先は水辺での生活が中心となり、現生ゴリラが好む水生植物を主食としたことでしょう。なお、果物が手に入れば果物を食べたでしょうが、果物はどれだけも手に入らない状態に置かれたものと思われます。
 この時代の食性は、野草が主食で、果物が副食です。
 これが200~300万年間続いた後、ヒトの祖先の生活域で乾燥化が始まり、順次、陸での生活もせざるを得なくなります。そこで、先ずは、サバンナで暮らす現生チンパンジーは豆を食べますので、彼らと同様に豆類を食べ始めたでしょうが、ついに、地中にある芋を発見し、これを主食にするようになります。
 これは、チンパンジーやゴリラにない食性です。当時は、まだ火の使用を習得していませんでしたから、生食で、イノシシと同じです。この食性を覚えた初期は、デンプン消化酵素があまり出ず、少しでも食べ過ぎると腹を壊したでしょうが、元々持っている酵素ですから、100万年もすると、現在と同程度に、イノシシ並みのデンプン消化酵素が小腸内にたっぷり出るようになったことでしょう。加えて、ヒトは、唾液からもデンプン消化酵素が出せるようになりました。この能力を手に入れるのにも100万年程度はかかったことでしょう。
 200万年前には、ヒトの第1弾が“出アフリカ”します。芋を探しての旅立ちです。
 この当時の食性は、芋が主食で、副食に野草と果物そして豆類です。
 通説では、この時代に既に狩猟採集生活に入っていたことになっていますが、200万年前の東部アフリカには草食動物がウジャウジャいましたから、なぜに“出アフリカ”して、草食動物が疎らにしかいない森林地帯に入り込んでいったのか説明が付きません。
 また、魚介類を主食にしていたという説もありますが、そうであれば、“出アフリカ”したら海縁に踏みとどまるはずです。なお、魚の骨や貝殻がまとまって出土しだしたのは、十数万年前からで、魚介類は比較的新しい食文化と考えられます。
 こうしたことから、当時は、芋を探し回っていたと考えるしかないのです。現在の狩猟採集民も、芋が自生していれば、先ず芋を採集し、それを主食としていますからね。
 その後、100万年前、数十万年前にも、第2弾、第3弾の“出アフリカ”がありましたが、これも第1弾と同様と考えて良いです。
 最後の“出アフリカ”そしてアフリカ全域への散開が、十数万年前から、現生人類(ホモサピエンス)に、五月雨的に起きました。これも同様でしょうが、違うのは、このときには既に火の利用を習得していて、動物狩りを覚え、どれだけか動物食を始めていたことです。
 でも、主食は芋であったことは疑いようがないです。まだまだ東部アフリカには草食動物がウジャウジャいましたから、動物食中心に移行していたら、“出アフリカ”する必要はどこにもないですからね。
 よって、この当時の食性は、芋が主食で、副食に野草と果物と豆類、そして月に1回程度は満月の晩にでも祭事にかこつけて動物食をしていたものと、小生には思われます。
 これは、現在のアフリカの狩猟採集民に近い食性です。もっとも、彼らは毎日のように動物食をしますが、そのウエイトは思ったほど高くなく、3割程度のものです。
 現在のヒトの主食になっている穀類を食べるようになった歴史は浅く、高々1万数千年前からです。これは人口が段々と増加してきて、食糧採集に時間がかかるようになり、面倒な調理をしてでも穀類を食べざるを得なくなったからです。
 そして、1万年近く前から、効率よく穀類を収穫するために、穀物栽培を始めます。ここに、主食が穀類となったのです。麦の栽培は中東から始まり、米の栽培は中国の長江下流域から始まりました。
 
穀類に頼らなくても、まだまだ芋が十分手に入る東南アジアやインドは米の栽培が遅れましたし、芋も穀類も栽培が適さない地域では、中東で麦の栽培とほぼ同じ頃に始まった牧畜が主体となり、動物食のウエイトを高めていきます。
 なお、日本列島では、縄文人の食文化に見られるように、代替食は木の実です。
 ここから先は、地域地域の環境の違いによって食性が多様化していき、そして文明の発生とともに食文化の融合が始まり、どんどん幅広い食性へと移っていきます。

 繰り返しますが、ヒトの本来の食性は、芋が主食で、副食に野菜と果物と豆類です。
 消化器官も、それに適応するように出来ていますし、消化酵素も、それに合ったものとなっているのです。芋という炭水化物をエネルギー源とし、必須脂肪酸(脂肪)と必須アミノ酸(タンパク質)は、少々の豆類から十分過ぎるほど得られ、ビタミン、ミネラルは野菜と果物そして豆類で充足されるというものです。
 忘れてならないのが多量に摂取する食物繊維です。これによって、腸内環境が改善され、便通が良くなるだけでなく、免疫力を高めてくれますし、腸内善玉菌の働きによって、食物繊維が有機酸やビタミンに変換され、これがヒトの栄養にもなるのです。

 現代人は、この食性から大きく外れています。何といっても、肉の多食と脂肪の摂り過ぎです。そして、あえて申しますが、穀類も摂り過ぎです。
 胃にとっては、多量のタンパク質と脂肪は、想定外のことですから、胃は疲れ果て病むのは当然です。肝臓や膵臓そして小腸は、タンパク質と脂肪の消化酵素を必死になって出すものの、未消化のタンパク質と脂肪がどうしても大腸に入り込み、腸内環境を随分と悪くしています。腸が荒れ、ポリープが出来るのは当然のことになります。
 肝臓は、別のことで、また疲れます。解毒作用の主体は肝臓が担っていますから、タンパク質の代謝産物を大量に処理せねばならないからです。
 腹八分で止まっていれば、何とか持ちこたえてくれるでしょうが、飽食すれば、内臓諸器官がギブアップするのは当然でしょう。ヒトの膵臓はデンプン消化酵素を出す力が抜群と言えども、膵臓は脂肪やタンパク質の分解酵素も必死になって出し続けているのですから、疲れ果て
てしまうのは必然的で、インスリンをたっぷり出すことまでは手が回らず、高血糖になってしまうのも、うなずけますよね。

 さて、ヒトが健康を維持するためには、ヒト本来の食性に戻さねばならないのですが、いきなりそうすると、必ず健康を害します。一番の問題はタンパク質欠乏に陥ることです。
 ヒトの体はタンパク質で出来ていると言っても過言ではありません。
 新陳代謝して新たな細胞を作るとき、多量のアミノ酸が必要になります。各種アミノ酸を繋ぎ合わせて必要なタンパク質を作るのですからね。
 このアミノ酸は、本来はリサイクルされて使われるべきものですが、恒常的にタンパク質を多量に採っていると、摂取するタンパク質から多量にアミノ酸が作られますから、それを使うのが手っ取り早くなり、アミノ酸のリサイクル機能が錆び付いて働きが悪くなっていると考えられます。
 加えて、アミノ酸は、毎日のように動物食をすることによって、本来の利用目的から離れてエネルギー源となってしまいましたから、エネルギー回路に回して早々に消費するものとして、全身の細胞が機能してしまっていることでしょう。
 よって、ある日突然、タンパク質の摂取量がガクンと落ちると、新陳代謝に使うアミノ酸が決定的に不足してしまいます。また、ホルモンの多くもアミノ酸が必要ですから、これも出来なくなります。こうして、タンパク質欠乏症に陥り、大変なことになるのです。
 
アミノ酸のリサイクル機能が正常化するまでに、どれだけの日数が必要なのかは分かりませんが、順次減らして様子を見ながら進めるしかないでしょうね。

 なお、タンパク質の毎日の摂取必要量は、日本では、体重1kg当たり0.8~1gが基準とされ、厚生省の2010年版「日本人の食事摂取基準」では、推奨量として、成人男子60g、女子50gとされています。でも、WHO(世界保健機関)では、体重1kg当たり0.6gで足りるとしています。
 ちなみに日本人が1日当たりどれだけのタンパク質を摂っているかと言いますと、2010年国民健康・栄養調査では、成人男子76g、女子63gとなっています。
 これでは、あまりにも摂り過ぎです。私が思うには、低タンパク食に慣れてくれば、意識して摂る必要は全くないのが、タンパク質です。
 こうしたこともあって、米国では、肉食を大幅に減らすことによって、生活習慣病を改善し、また、予防できるからと、政府がPRに躍起です。ところが、日本国政府は、畜産振興がために、こんなことは絶対に言いません。農林水産省の力が強く、厚生労働省を黙らせているといったところでしょうか。
 何度も申しますが、
ヒトの本来の食性は、約100万年前には完成したと思われる、芋が主食で、副食に野菜と果物と豆類なのですからね。これを守らねば健康を害するのです。
 動物食をしてはイカンゾウです。胃・肝臓(いかんぞう)が、そのうちに反乱を起こして、命に関わる事態が発生するかも。生活習慣病が、その前兆ですよね。


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