薬屋のおやじのボヤキ

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暑くなった5月半ば、“冷たい物中毒”から脱却するチャンス!

2011年06月14日 | 冷え・アレルギー

暑くなった5月半ば、“冷たい物中毒”から脱却するチャンス!
 (この記事は2011年に大地震による原発事故の影響で電力不足になることを踏まえて記事にしたものですが、それに関わらず、毎年、初夏は“冷たい物中毒”から脱却する良いチャンスですから、表題を一部書き換え、この記事を残すことにします。)
 [冒頭の一部は2011年の特殊事情につき削除しました] 
 
例年、真夏にはガンガンに冷えた“冷たい物”を、ごく普通に飲んだり食べたりしていました。願わくば今夏もそうしたいです。
 のどが癒され、はらわたに染み渡り、生きた心地がしますからね。
 しかし、これをやり続けると大変なことになります。
 小生の失敗談を紹介しましょう。
 2004年は猛暑でした。でも、エアコンは体に良くないから、この際、汗をかこうとばかり、閉店後、居室に戻ってからは、エアコンを弱冷に設定していました。そして、晩飯。
 先ずはガンガンに冷えたビールを飲む。はらわたに染み渡るうー!
 
デザートには“〇〇屋の小豆バー”なるものが一番だ!
 これを毎日何本も何本も食って食って食いからかした。実にうめぇ。うめぇ・・・
 そして、秋の到来。
 小生の、漢方で言うところの「腎」(いわゆる泌尿器系)に突如として機能低下が発生!
 “出ん!弱った。わしも歳食ったのかなあ・・・”
 しかし、何か変だ? 時同じくして、小生と同様に、小豆バーを毎日何本も食べた女房に、リウマチの気が出てきましたから、どうやら原因は別にありそう。
 
2か月後に、他のことを調べていて、“ああそうだったのか”と、その原因を偶然に発見。
 小生の「腎」機能障害も、女房のリウマチも、ともに、何と“冷たい物中毒”が原因と分かった次第です。

 この“冷たい物中毒”は、腸を異常に冷やすことによって単に下痢するだけで、何ら問題はないと簡単に片付けられています。腸が丈夫なら下痢もしないし、便秘気味なら、起き掛けに冷たい水を1杯飲めば便が出やすくなる、と勧められさえしています。
 “冷たい飲食物は摂ってはイカン!”と声高に叫んでおられる医学者は、西原克成先生お一人を除いて、おられそうにありません。
 よって、“冷たい物は摂ってよろしい”とされてしまっている今日情勢です。

 ここで、西原氏の経歴を簡単に紹介しておきましょう。氏は、東京医科歯科大学を卒業後、東京大学医学部博士課程に進まれ、大学院卒業後も大学に残られたのですが、“講師”の身分のままで定年退官されました。今、話題になっている原発問題で、いい歳こいても“助教”(昔の助手)の身分のままの京都大学の小出裕章先生と同じ立場です。
 つまり、学会で認められている理論に対して、決してそれを認めず、異議を申すがために、“干されてしまい、相手にされない”人物です。
 えてして、こういう方の言われることが正しいのでして、今般の原発事故で、それがは
っきりしました。それと、同様に、“冷たい物中毒”の害は、孤軍奮闘されている西原氏の論が正しいと、小生は考えています。

 さて、“冷たい物”を大量に摂ると、体内でとんでもないことが起きるのです。
 西原氏が解明された恐るべき現実を説明しましょう。
 “冷たい物”を大量に摂ると、当然に腸が冷えます。わずか1、2度Cでも腸の温度が下がると、体内に「取り込んで良いもの」と「いけないもの」を判別するセンサー(これは免疫細胞の白血球が担っている)が作動しなくなります。
 冷えた刺身を大量に食べた後で、血液を顕微鏡で見ると、刺身に付いていた雑菌がたくさん見付かります。これは腸が冷えて、センサーが働かなくなり、雑菌が腸壁をすり抜けたからです。
 それと同時に、100兆個もいる腸内細菌の一部が腸壁をすり抜けます。
(2016.9.14挿入追記 注:2014年6月、順天堂大学の研究グループが、“腸内細菌が血液中に移行することを初めて発見した”と発表し、糖尿病との関わりだけを論文にしていますが、既にその10年前、西原氏は著「究極の免疫力」の中で、腸内細菌が血液中に移行することを様々な疾患との関わりの中で述べておられます。<挿入追記ここまで>
 ただし、腸内細菌は、免疫細胞に飲み込まれた状態で血液に入るようでして、その後、体中に運ばれて、吐き出され、どこかの細胞に潜り込むようです。
 体内侵入した菌が病原菌であれば、免疫細胞が、これは外敵であると感知して食い殺してくれるのですが、ヒトと共生を望む腸内細菌は特段の悪さをせず、ヒトの細胞に潜り込んで、細胞が作り出すエネルギーを少々横取りするだけですから、免疫細胞は腸内細菌を殺そうとはしません。
 でも、これは明らかに「寄生」です。もっとも、腸内細菌は、人の細胞に比べて非常に小さいですから、1回だけの“冷たい物”の摂りすぎであれば、何ら問題ありません。
 加えて、十分に健常体であれば、菌が潜り込んだ細胞の細胞膜は傷が付いており、免疫細胞によって欠陥のある細胞として認識されて破壊され、同時に菌も破壊されます。
 たとえ、見落としがあっても、細胞は新陳代謝しており、数ヶ月も経てば、古い細胞は破壊されて、新しい細胞に作り直されます。このときに、菌も破壊されます。
 しかし、頻繁に“冷たい物”を摂りすぎていると、その度に腸内細菌が体内にばら撒かれて寄生が蓄積し、エネルギーの横取りが無視できなくなります。
 その結果、体内温度が低下します。すると、新陳代謝が遅れますし、免疫細胞の能力がダウンしますから、寄生した腸内細菌の破壊もできなくなります。
 この悪循環で、ますます体温は低下し、低体温症になります。いわゆる「冷え症」です。
 これと、並行して、様々な疾病が生ずるようになります。
 
腸内細菌は、体内に均質に侵入するものではなく、宿主の体質により、入りやすい所とそうでない所があるようです。よって、小生の場合には「腎」に入り、女房の場合は「関節」に入ったと考えられるのです。人によっては、「膵臓に入って糖尿病を引き起こす」ことがあるようで、糖尿病の原因は、何も過食だけではないようです。
 このように、“冷たい物”の摂りすぎ、つまり、“冷たい物中毒”は、非常に恐ろしいものとなります。なお、低体温になると、アトピーや花粉症などのアレルギーそしてガンになる危険性が高まることが分かっていますから、こうした面からも要注意です。

 さて、寄生した腸内細菌を一掃する方法ですが、残念ながら、これと言った良い方法はありません。免疫細胞によって食い殺してもらうしかないのですが、エネルギーの横取りが無視できない程度に寄生が進んでいると、体内温度が低下していて、免疫細胞にその力がなく、お手上げ状態です。
 小生や女房の場合は、1夏でそれに気づき、以後、“冷たい物”を極力避け、また、体を温める漢方薬などを毎日飲んだお陰で、少しずつ体内侵入した腸内細菌を退治できたようで、症状が緩和できたのですが、それでも、ほぼ元に戻るには1年かかりました。そして、2人とも残念ながら完全には直りきらず、今日に至っています。
 症状が進んだ方となると、1年や2年では、なかなか改善しないようです。改善効果が実感できるようになるには、少なくとも数年はかかると覚悟せねばならないようです。
 何にしても、“冷たい物中毒”から脱却するのが、先決です。
 そして、生活習慣を改め、体内温度を高くする工夫をし、新陳代謝を促し、自然治癒力(免疫細胞の活性化)を高めるしかありません。
 これを根気良く、気長に取り組むしかないのです。

 今年の夏は、電力不足という「禍」を転じて福となす、絶好の機会です。
 「常温飲食物」を努めて摂ることによって、“冷たい物中毒”から脱却なさってください。
 
なお、“冷たい物中毒”の発生は、冷蔵庫の普及によるもので、冷蔵庫文化が原因です。そのあたりのことは、過去記事「 アトピーの本質的な原因を考える(その2) 」をご覧ください。参考文献も、そこで紹介しています。

 蛇足になりますが、ここで、薬屋のおやじのボヤキを一言。
 これほどまでに冷蔵庫文化が普及してしまっては、家電業界、ビール・清涼飲料水・冷菓業界などなどにとって、いまさら“冷たい物中毒”を持ち出されたんでは、業界の存亡にかかわるではないか! なんせ、“神様のような”お客様も皆、冷たい物に大喜びされておられるんだから。
ましてや“冷たい飲食物を摂っても何ら問題ない”と、今まで医学界も言ってきたではないか。ここのところは、西原氏のような“変人”の言うことは無視して、電力不足の今年こそ、“夏の熱中症対策には冷たい物を”と、大いにPRしようではないか。
 こうして、各種製造業界と医学界、加えて政府までもが、皆ぐるになって
、“冷たい物中毒”を完全に無視し、抹殺してしまいそうな雲行きです。
 清涼飲料水自販機も、何だかんだ屁理屈をこねて、例年どおり、ガンガンに冷えた物を供給するようですし・・・
 まこと、いやになりますなあ。
 


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1 コメント

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はじめまして (チコリー)
2011-07-03 09:06:35
いつも実家の両親宛に送っていただいているボヤキを楽しく読んでいます。今回の記事は特に興味深かったので更にネットで調べていたら、このHPを見つけました。印刷物よりもさらに詳しいことが書かれていて、勉強になりました。私も、自分の子どもを西原式を取り入れて育てています(離乳食は遅くから、など)。これからも楽しみにしています♪

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