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スローフード(伝統的食文化)と身土不二(地産地消)・一物全体(丸ごと食べる)、これが食の原点

2012年01月02日 | 食養

スローフード(伝統的食文化)と身土不二(地産地消)・一物全体(丸ごと食べる)、これが食の原点

 世界で一番の強国は米国で、2番がフランス。
 強国とは、先進国の中で、多量の農産物輸出ができる国です。
 フランスの国際的な発言力が異常に高いのは、これが最大の背景となっています。
 日本は形式上独立国となっていますが、食糧・飼料、外食産業は、米国の支配が着々と進み、日本国は米国の51番目の州に限りなく近づいています。
 欧州各国は、米国をことのほか警戒し、自国の農産物自給に必死です。

 ノホホーンとしていると言われるイタリアですが、1986年、ローマに米国のファーストフード店・マクドナルドが進出して以来、イタリア国内で「スローフード運動」が起きました。
 イタリアの伝統的食文化を守ろう、という運動です。そのために、伝統的な食材を生産する農業者の保護や子供の食育までも取り組んでいます。
 フランスも負けていません。マクドナルドの進出は裁判沙汰に発展。
 日本も遅ればせながら1999年にNPO日本スローフード協会が設立されましたが、米国国内同様に、ますますファストフードが幅を利かせています。
 これに危機感を持ちたいです。日本人の健康を支える「おふくろの味」文化を伝授するに残された時間は、あとわずかです。老人パワー、頑張れ!

 お隣の韓国で盛んな「地産地消」運動。地域で生産した食材をその地域で消費すべし、というもので、これは日本でも古来から各地で同様なことが言われてきました。
 瀬戸内海では「島で採れた物だけ食べていれば病気しない」、京都では「三里四方の野菜を食べていれば長寿延命疑いなし」などなど。
 これを東洋医学では「身土不二」と言います。
 人の身体と住む土地とは切っても切れない関係にある、という意味です。
 自然を敬い、全ての生き物と共生していくことにより、人も生きていける、という宗教観にもとづくものです。人が自然を支配する以外に生きていけない、寒くて厳しい劣悪環境にあるような地域では、こうした考えは生じないでしょうが、豊かな自然に囲まれた環境の良さから生まれた思想です。
 人の手が加わっていない生態系に暮らす野生動物は病気しないと言います。そうした所は「身土不二」の法則が成り立っているからではないでしょうか。

 今日の日本では「身土不二」は不可能ですが、もうひとつの「一物全体」の法則は守りたいものです。
 人が生き物を口にするときは、その全てを頂戴しなくてはいかん、という考えです。
 これは洋の東西を問わず実行されてきたことです。
 栄養バランスの観点からも是非とも実行したいことです。
 例えば、米を食べるのであれば玄米食とすべきです。どうしても白米食にしたかったら、糠漬けの漬物を必ず添えることです。これで、多少とも玄米食に近づけましょう。
(注:玄米の早炊きは厳禁。このブログの「玄米VS白米論争」をご覧ください。)

(この記事は当店「生涯現役新聞」2004年2月号を再掲したものです。)


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