大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

「地籍問題研究会」第2回研究会

2011-12-19 06:27:46 | インポート

今年もラスト2週となりました。今週は、もう会としての「公式行事」はない・・・・はずです。

「地籍問題研究会」の第2回研究会が、12月10日に早稲田大学で開催された・・・・ということなので、そのことについて。

私は、諸般の事情から行けなかったのですが、「地籍問題研究会」のホームページ(http://www.chiseki.org/)から、研究会の録画が視聴できる(会員のみ)ということなので、観てみました(今回行かなかったのには、いろいろ理由があるのですが、7月31日の第1回研究会の際には無理して行ったところ、あとでインターネットでの録画視聴もできる、という話を聞いたので、それならわざわざ遠いところに行くこともないか、と思った、というのも理由の一つでした。)

いくつかある演題の半分以上を視聴したのですが、・・・・やっぱりよく聞き取れないし、見えないし、で、直接現場に行くのとの違いは大きいですね。それでも、なんとなく雰囲気はわかりました。

私が見た中でよかったと思ったのは、岩手会菅原会長の 「東日本大震災と登記・地図・境界(被災後9か月、現状と課題)」 という報告です(他の講演・報告が、ほとんど聞き取れなかったのに対して、菅原会長のゆっくりと訥々とした話しぶりが、意外と聞き取りやすかった、ということもあって)。

調査士が「現場」で感じたことを「制度」の問題に架橋する、というのが、「地籍問題研究会」の役割の一つだと思います。その趣旨に沿った、とてもいい報告・提言だった、と思います。行政や研究者の方々が、この「現場」の声を受け止めて、今後の施策に活かしていっていただくことを期待したいと思います。

菅原会長の報告・提言の中で、特に心に残ったのは、「これからの地籍調査は「質」が重要」ということです。

他の講演・報告のなかで「事前復興」という概念が言われ、「地籍調査」を「事前復興」として考える、ということが言われており、それはそれで学ぶべき視点なのだろうな、と思いましたが、何が何でも「地籍調査」が行われれば役に立つ、というのは、違うのではないか、と思います。過去にあったような「粗製」の地籍調査が行われてしまうと、かえって阻害になってしまいさえする、というのは、以前から指摘されてきたところです。

また、菅原会長は、「被災地には教材がたくさんある」として、被災地の現実から学び、考えることの必要性を説いていました。わたしたちは、まさに「実務家」として、現実を前にして、現実への解決をもたらさなければならないのであり、それを組織化・制度化していく、という方向を目指すべきなのだ、とあらためて教えられた気がします。

それにしても、取り組むべき課題が数多くある中で、基本的な方向性を見据えて、整理して進むことの必要性を強く感じさせられます。