聖書通読日記 2

2001年ペンテコステに受洗、プロテスタントのキリスト者

エステル記4章 モルデカイ、エステルを説得する その1

2007年10月24日 | 旧約聖書日記
◆モルデカイ、エステルを説得する
『4:1 モルデカイは事の一部始終を知ると、衣服を裂き、粗布をまとって灰をかぶり、都の中に出て行き、苦悩に満ちた叫び声をあげた。
4:2 更に彼は王宮の門の前まで来たが、粗布をまとって門に入ることは禁じられていた。
4:3 勅書が届いた所では、どの州でもユダヤ人の間に大きな嘆きが起こった。多くの者が粗布をまとい、灰の中に座って断食し、涙を流し、悲嘆にくれた。
4:4 女官と宦官が来て、このことを王妃エステルに告げたので、彼女は非常に驚き、粗布を脱がせようとしてモルデカイに衣服を届けた。しかし、モルデカイはそれを受け取ろうとしなかった。
4:5 そこでエステルはハタクを呼んでモルデカイのもとに遣わし、何事があったのか、なぜこのようなことをするのかを知ろうとした。ハタクは王に仕える宦官で、王妃のもとに遣わされて彼女に仕えていた。
4:6 ハタクは王宮の門の前の広場にいるモルデカイのもとに行った。
4:7 モルデカイは事の一部始終、すなわちユダヤ人を絶滅して銀貨を国庫に払い込む、とハマンが言ったことについて詳しく語った。
4:8 彼はスサで公示されたユダヤ人絶滅の触れ書きの写しを託し、これをエステルに見せて説明するように頼んだ。同時に、彼女自身が王のもとに行って、自分の民族のために寛大な処置を求め、嘆願するように伝言させた。
4:9 ハタクは戻ってモルデカイの言葉をエステルに伝えた。
4:10 エステルはまたモルデカイへの返事をハタクにゆだねた。
4:11 「この国の役人と国民のだれもがよく知っているとおり、王宮の内庭におられる王に、召し出されずに近づく者は、男であれ女であれ死刑に処せられる、と法律の一条に定められております。ただ、王が金の笏を差し伸べられる場合にのみ、その者は死を免れます。三十日このかた私にはお召しがなく、王のもとには参っておりません。」
4:12 エステルの返事がモルデカイに伝えられると、
4:13 モルデカイは再びエステルに言い送った。「他のユダヤ人はどうであれ、自分は王宮にいて無事だと考えてはいけない。
4:14 この時にあたってあなたが口を閉ざしているなら、ユダヤ人の解放と救済は他のところから起こり、あなた自身と父の家は滅ぼされるにちがいない。この時のためにこそ、あなたは王妃の位にまで達したのではないか。」
4:15 エステルはモルデカイに返事を送った。
4:16 「早速、スサにいるすべてのユダヤ人を集め、私のために三日三晩断食し、飲食を一切断ってください。私も女官たちと共に、同じように断食いたします。このようにしてから、定めに反することではありますが、私は王のもとに参ります。このために死ななければならないのでしたら、死ぬ覚悟でおります。」
4:17 そこでモルデカイは立ち去り、すべてエステルに頼まれたとおりにした。

4:1 When Mordecai learned of all that had been done, he tore his clothes in anguish. Then he dressed in sackcloth, covered his head with ashes, and walked through the city, wailing loudly and bitterly,
4:2 until he came to the entrance of the palace. He did not go in because no one wearing sackcloth was allowed inside.
4:3 Throughout all the provinces, wherever the king's proclamation was made known, there was loud mourning among the Jews. They fasted, wept, wailed, and most of them put on sackcloth and lay in ashes.
4:4 When Esther's servant women and eunuchs told her what Mordecai was doing, she was deeply disturbed. She sent Mordecai some clothes to put on instead of the sackcloth, but he would not accept them.
4:5 Then she called Hathach, one of the palace eunuchs appointed as her servant by the king, and told him to go to Mordecai and find out what was happening and why.
4:6 Hathach went to Mordecai in the city square at the entrance of the palace.
4:7 Mordecai told him everything that had happened to him and just how much money Haman had promised to put into the royal treasury if all the Jews were killed.
4:8 He gave Hathach a copy of the proclamation that had been issued in Susa, ordering the destruction of the Jews. Mordecai asked him to take it to Esther, explain the situation to her, and have her go and plead with the king and beg him to have mercy on her people.
4:9 Hathach did this,
4:10 and Esther gave him this message to take back to Mordecai:
4:11 "If anyone, man or woman, goes to the inner courtyard and sees the king without being summoned, that person must die. That is the law; everyone, from the king's advisers to the people in the provinces, knows that. There is only one way to get around this law: if the king holds out his gold scepter to someone, then that person's life is spared. But it has been a month since the king sent for me."
4:12 When Mordecai received Esther's message,
4:13 he sent her this warning: "Don't imagine that you are safer than any other Jew just because you are in the royal palace.
4:14 If you keep quiet at a time like this, help will come from heaven to the Jews, and they will be saved, but you will die and your father's family will come to an end. Yet who knows-maybe it was for a time like this that you were made queen!"
4:15 Esther sent Mordecai this reply:
4:16 "Go and get all the Jews in Susa together; hold a fast and pray for me. Don't eat or drink anything for three days and nights. My servant women and I will be doing the same. After that, I will go to the king, even though it is against the law. If I must die for doing it, I will die."
4:17 Mordecai then left and did everything that Esther had told him to do.』
(日本聖書協会 聖書 和英対照 和文・新共同訳 英文・TEV エステル記4章より)



注解書のまとめへ、つづく

マルコ福音書 十二人を派遣する

2007年10月23日 | 新約聖書日記
◆十二人を派遣する

『 6:6 それから、イエスは付近の村を巡り歩いてお教えになった。
6:6 Then Jesus went to the villages around there,teaching the people.

6:7 そして、十二人を呼び寄せ、二人ずつ組にして遣わすことにされた。その際、汚れた霊に対する権能を授け、
6:7 He called the twelve disciples together and sent them out two by two. He gave them authority over the evil spirits

6:8 旅には杖一本のほか何も持たず、パンも、袋も、また帯の中に金も持たず、
6:8 and ordered them, "Don't take anything with you on the trip except a walking stick-no bread, no beggar's bag, no money in your pockets.

6:9 ただ履物は履くように、そして「下着は二枚着てはならない」と命じられた。
6:9 Wear sandals, but don't carry an extra shirt."

6:10 また、こうも言われた。「どこでも、ある家に入ったら、その土地から旅立つときまで、その家にとどまりなさい。
6:10 He also told them, "Wherever you are welcomed, stay in the same house until you leave that place.

6:11 しかし、あなたがたを迎え入れず、あなたがたに耳を傾けようともしない所があったら、そこを出ていくとき、彼らへの証しとして足の裏の埃を払い落としなさい。」
6:11 If you come to a town where people do not welcome you or will not listen to you, leave it and shake the dust off your feet. That will be a warning to them!"

6:12 十二人は出かけて行って、悔い改めさせるために宣教した。
6:12 So they went out and preached that people should turn away from their sins.

6:13 そして、多くの悪霊を追い出し、油を塗って多くの病人をいやした。
6:13 They drove out many demons, and rubbed olive oil on many sick people and healed them.』
(日本聖書協会 新約聖書 和英対照 和文・新共同訳 英文・TEV マルコによる福音書から)


新約聖書略解 日本基督教団出版局 を、まとめて
『イエスは十二人の派遣を始める。
8~9節は持ち物の指示ですべての携行品を否定するマタイとルカと比べて、杖とサンダルと一枚の下着という旅の最低限の装備を認めて、現実的である。

マルコの強い関心は10~11節のことばのほうにあろう。
十二人を受け入れる所と拒絶する所での対応の指示であり、「分化」の構想と合致する。
一方で迎え入れてくれた家に、その所から出立するまで、留まることを求める。
他方は彼らを受け入れることも「聞く」こともしない所についてである。
「そこから出て行く」という分詞句は、新共同訳のように「・・・出て行くとき」と副詞的にとらず、「そこから出て行け」との命令として理解できる。
続けて「あなた方の足の下の埃を払い落とせ」といわれる。あらゆる交わりの破棄を宣言する行為である。
それに「彼らに対する証言のために」が付される。終わりの日に責任を持たないことの宣言である。 』

新聖書購解シリーズ2 マルコの福音書 泉田昭著 いのちのことば社 を、まとめて
『郷里のおける宣教のあと、イエスは近くの村々を回って伝道し、さらに弟子たちを宣教に派遣された。
彼らを派遣するに際し、イエスは特に三つのことを教えている。
第一は、神に対する信頼を確かにするように、ということである。
神のメッセージを人々に伝える伝道者や、キリストの救いを携えて世界の各地に遣わされる宣教師に必要なことは、神に絶対の信頼をおいて、神のメッセージを忠実に伝えることである。
現代における宣教は、この基本を忘れている。大きな組織、巨額な資金、多くの物資などに安住して、本当の意味での神に対する信頼を見失ってしまう危険がある。
また貧しい国に対する宣教は、使徒3・6のペテロのことばのように、金銀で無くキリストを差し出すことに徹するのでなければ、結局は大きな誤りを犯すことになるだろう。
第二に、人を信頼することを教えている。神を信じることは、人を信頼することにもつながる。
10節の「家に入る」には、その家の人を信頼することと、その人を祝福することの二つに意味がある。
未知の世界で初対面の人の家に入ることには、信頼と勇気がいる。
弟子たちにとって、宣教は同時に人を信頼することを学ぶ生きた訓練でもあったのである。
また、イエスは、人々が福音を受け入れなかったなら、足の裏のちりを払い落としなさい、と言われた。
これは、相手といっさいの関係を断ち、神のさばきと責任が向こうにあることを表す動作である。
ユダヤ人には、異邦人の地から帰ってきた時、汚れを捨て去る意味でちりを払い落とす習慣があった。
第三は、結果は全て神にゆだねよ、ということである。
人は福音を伝える時、誠実に働いてなすべき分を果たせばよいのであって、結果がどのようになっても、それにとらわれてはならないのである。
こうして弟子たちは出て行き、悔い改めの福音を宣べ伝え、多くの悪霊を追い出し、大勢の病人を治し、自分たちの思いをはるかに越えた成果を収めたのであった。
それは神の働きの賜物であったが、弟子たちの信仰の結果でもあった。
信仰による決断と実行こそが豊かに実を結ぶ秘訣なのである。』




お祈りしますm(_ _)m
恵み深い天の父なる神さま
この小さき者をもお使いくださいますように。
神を信じ、人を信頼し、福音を伝えることができますように。
すべてを神にゆだねることができますように。
主イエス・キリストの御名によって、お祈りします。
アーメン


CD聖書を聞きながら、聖書を読む。

2007年10月07日 | わたしの思い
最近、いや、わたしはもともと活字が大の苦手で。
読書も小さい頃から大嫌い。(マンガは大好きやったけど、今はもう見なくなった。)
どうしても読まないといけなかったのは学校の教科書くらい。
まあ、その程度。

ので、聖書を読むのも、注解書を読むのも、わたしにはかなりの大変な作業でして。。。

そんなわたしが、最近見つけた、楽な(←不謹慎?)聖書の読み方。
CD聖書を聞きながら、聖書を開いて見る。

そしたら、自分で字を黙読しているよりも、かなり進む。かなり頭に入る。
ちょっと止めたいときには、CDを一時停止。また繰り返しもできるし。
そうすると、自分で黙読してたときとは違った言葉が頭にズンッと入ってくる箇所がある。
黙読とは違う言葉が「光って見える」。

この「光って見える」っていうことについて。
昔、ある牧師さんが、聖書を読んでいくと、言葉が光ってみえるところがある。。。って、わたしに教えてくれた。
ほんとに聖書の文字がピカッと光るってわけないけども、読んでいくと、心にズンと響く言葉がある。。その文字がその言葉が他のところよりも光ってそこだけ目に焼きつく。
他が暗くみえてその言葉だけが明るく照らされる。
ほんとうに、そういうところがある。
ハッと気がつく言葉。そうか。。。と納得する言葉。心がスーッと軽くなる言葉。重たい重たい肩の荷が一瞬にして重さが無くなっていくような言葉。涙がこみ上げてくるような言葉。
ほんとに、ほんとに、沢山光って見える。
読むたびに、違う言葉が光るんやけどね。
読むたびに、違う理解ができたりするんやけどね。不思議やね。

まあ、そんなこんなで、活字大嫌い人間のわたしでも、そんな言葉を持てることはありがたいことですm(_ _)m

さて、わたくし、40代も半ばを過ぎてきますと、小さな字がとても読みにくくなってきました( ̄□ ̄;)
ああ、老眼。。。
で、ホームセンターで安い老眼鏡をば買ってきました。
これ、一番軽い度の物ですが、結構字が読みやすいです。
ほんと便利です~~~ありがたい~~~

めがねをかけてみましたが。。。さて、似合ってるでしょうか?????まあ、本を読むときだけやし。。。(⌒◇⌒;)

マルコ福音書 ナザレで受け入れられない その2

2007年10月07日 | 新約聖書日記
つづき

新約聖書略解 日本基督教団出版局 を、まとめて
『町名は無く、「故郷」、実際は「父の(町)」と言われる。
会堂で単に教えたことと聞いた人々の驚きが記される。
彼らの発する問いの核心は、驚くべき「このようなこと」と彼らの前にいる「この人」との関係である。
故郷の人々にとってイエスは「大工」(木を扱う職人一般)であり、「マリアの息子」であり、兄弟、姉妹も輩(ともがら)である。(イエスの兄弟のうち「主の兄弟ヤコブ」は将来のエルサレム原始教会の中心的存在である。)
彼らはイエスについて精通するがために、自ら立てた「どこから」の問いに対して、「天(神)から」と答えることができず、彼らはイエスに躓いた。』

新聖書講解シリーズ マルコの福音書 いのちのことば社 を、まとめて
『イエスは御自分の郷里ナザレでも、罪を悔い改めて神の国の福音を信じるように宣べ伝えられたのである。
私たちも、まず家族に福音を伝え、郷里で伝道する責務を負っている。

郷里の人々の反応はどうであったか。
ナザレの人たちは、イエスの教えのすばらしさと力強い奇蹟に驚いたが、その関心はそれらの知恵や力をどこから得たのかという二次的なことに流れてしまった。
また、人間的にイエスをよく知っていたために、かえってメシヤとしての本質を悟ることができなかった。
彼らも、理解するよりむしろ誤解してしまったのである。
家族に証しをし、郷里で伝道することはなんと難しいことか。
親しい人たちは、人間的な面は見ても、肝心の福音のメッセージには耳を傾けようとしないものである。
しかし、私たちは、真実を語って人から誤解されるのを恐れてはならない。
神は人間の信仰に左右されるお方ではないが、その人間の信仰に応じて働かれるのも事実である。』



お祈りしますm(_ _)m
恵み深い天の父なる神さま
イエスさまの教えられる福音を、父にも伝えることができますように。
イエスさまによって、父が救われる者となりますように。
父を支え、守り、苦しみを担い、お救いくださいますように。
主イエス・キリストの御名によってお祈りします。
アーメン

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マルコ福音書 ナザレで受け入れられない その1

2007年10月07日 | 新約聖書日記
◆ナザレで受け入れられない

6:1 イエスはそこを去って故郷にお帰りになったが、弟子たちも従った。
6:1 Jesus left that place and went back to his hometown, followed by his disciples.

6:2 安息日になったので、イエスは会堂で教え始められた。多くの人々はそれを聞いて、驚いて言った。「この人は、このようなことをどこから得たのだろう。この人が授かった知恵と、その手で行われるこのような奇跡はいったい何か。
6:2 On the Sabbath he began to teach in the synagogue. Many people were there; and when they heard him, they were all amazed. "Where did he get all this?" they asked. "What wisdom is this that has been given him? How does he perform miracles?

6:3 この人は、大工ではないか。マリアの息子で、ヤコブ、ヨセ、ユダ、シモンの兄弟ではないか。姉妹たちは、ここで我々と一緒に住んでいるではないか。」このように、人々はイエスにつまずいた。
6:3 Isn't he the carpenter, the son of Mary, and the brother of James, Joseph, Judas, and Simon? Aren't his sisters living here?" And so they rejected him.

6:4 イエスは、「預言者が敬われないのは、自分の故郷、親戚や家族の間だけである」と言われた。
6:4 Jesus said to them, "Prophets are respected everywhere except in their own hometown and by their relatives and their family."

6:5 そこでは、ごくわずかの病人に手を置いていやされただけで、そのほかは何も奇跡を行うことがおできにならなかった。
6:5 He was not able to perform any miracles there, except that he placed his hands on a few sick people and healed them.

6:6 そして、人々の不信仰に驚かれた。
6:6 He was greatly surprised, because the people did not have faith.

(日本聖書協会 新約聖書 和英対照 和文・新共同訳 英文・TEV
 マルコによる福音書 より)



新約聖書略解、新聖書講解シリーズへつづく



ヤイロの娘とイエスの服に触れる女 その2

2007年10月07日 | 新約聖書日記
つづき

新約聖書略解 日本基督教団出版局 を、まとめて
『再び、対岸のユダヤ人地域である。死者復活の物語であるが、病人が死ぬまでの時の経過のために別の癒しが挿入されている。従って三部に分かれる。

会堂長の一人ヤイロが来る。彼はイエスの足下に身を投げ出し、原文では、娘が「最後(瀕死)の状態である」から「来て、彼女の上に手を置いて下さい。(彼女が)救われ、生きるためです」と懇願する。

慢性的な子宮の出血など、何かの理由で「十二年間、血の流血の中にいる女」である。
レビ15・25以下では不当にも不浄とされ、彼女が触った物や人も汚れる。
彼女の行動の直接の動機が「彼の衣(複数)に触りさえすれば、(私は)救われるだろう」とある。
新共同訳では関連を示さないが23節のヤイロの言葉にもあり、34節のイエスの「あなたの信仰があなたを救った」に引き継がれていく「救う」があった。
イエスに癒された女を襲ったのは恐怖である。しかしこの女は逃げ出さず「・・・彼の前に身を投げ出し、彼にすべての真実を言った」。
彼女は弟子たちとも対照的に、信じる者としてそこにおり、イエスも「あなたの信仰が・・・」と祝福して送り出している。

女の癒しによる停滞は、会堂長が期待した「救われ、生きる」奇跡を不可能としたように思われた。
恐怖と対を成す次元の「信仰」は、人々の信仰が終わるところから始まる。イエスは、新共同訳の「そばで聞いて」より積極的に「語られた言葉を聞き過ごして、会堂長に言う、『恐れるな、ただ信じなさい』」。
「少女はすぐに起き上がって、歩き出した」。
「それを見るや、人々は・・・」でなく、実際は、驚きは立ち会った弟子たちと両親に限定されている。その驚きは、死者の復活という終末論的出来事に対する尋常で無い驚きを表す。』


新聖書講解シリーズ マルコの福音書 いのちのことば社 を、まとめて
『ここでは二つの奇蹟が折り合わされ、イエスが病気と死を支配する方であることを明らかにし、さらにすべてを支配するメシヤであることを強調している。
ここでは特に三人の人物に焦点をあて見ていく。

第一の人物は、会堂管理者ヤイロである。ヤイロはユダヤ人の間で、社会的にも宗教的にも尊敬されていた人物であった。そのような人物が、イエスのもとにわざわざやってきて、しかもその足元にひれ伏して、娘の病気を治してやってくれるよう願った。
「娘が治って、助かるようにしてください」は直訳すると「救われて、生きるように」となり、「そうすれば救われて、生きることができます」という意味にとれる。このことばに、父親である彼の必死の願いと、イエスに対する信頼がよく現れている。

二人目は、長血の女である。彼女は十二年もの間その病気に悩み、精神的にも経済的にも苦しみ続けてきた。そして最後の望みをイエスに託し、群衆に紛れ込むとそっとイエスの着物にさわった。
「お着物にさわることでもできれば、きっと治る」と信じていたからである。彼女のうちにも、ヤイロと同じ絶対の信仰があった。
イエスは自分に触った者を捜そうとされた。弟子たちは誰が触ったか分かるわけがないと答えた。しかし、女はイエスの前に名乗り出た。
ここに三者三様の姿がある。
信仰はまさにイエスと当事者との一対一の関係であり、たとえ弟子たちでも第三者にはうかがい知ることはできない。

三人目はヤイロの娘である。使いが来て娘の死を告げた。使いの者は無意識にイエスは病気を治すことはできても死人を生き返らせることは不可能だと思った。会堂管理者や他の者たちも、一瞬深い絶望に襲われたことであろう。しかし、イエスは言われた。「恐れないで、ただ信じていなさい」
少女はすぐ立ち上がって歩き出した。死人を生き返らせたことは、大きな衝撃を呼び、一同の驚きは波紋のように広がっていった。』



お祈りしますm(_ _)m
恵み深い天の父なる神さま
人間の小さな狭い経験から考える信仰は、神様の大きな愛と恵みをすべて理解することはできません。
どうか人知を超える大きな愛の中で生かされていることを感じることができますように。
イエスさまを信頼し、救われ生かされる者となりますように。
イエスさまは必ず求める者を捜され見つけられ、恵みと信仰を与えられます。
信仰が与えられますように。
主イエス・キリストの御名によってお祈りします。
アーメン


ヤイロの娘とイエスの服に触れる女 その1

2007年10月07日 | 新約聖書日記

◆ヤイロの娘とイエスの服に触れる女


 5:21 イエスが舟に乗って再び向こう岸に渡られると、大勢の群衆がそばに集まって来た。イエスは湖のほとりにおられた。
5:21 Jesus went back across to the other side of the lake. There at the lakeside a large crowd gathered around him.


 5:22 会堂長の一人でヤイロという名の人が来て、イエスを見ると足もとにひれ伏して、
5:22 Jairus, an official of the local synagogue, arrived, and when he saw Jesus, he threw himself down at his feet


 5:23 しきりに願った。「わたしの幼い娘が死にそうです。どうか、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、娘は助かり、生きるでしょう。」
 5:23 and begged him earnestly, "My little daughter is very sick. Please come and place your hands on her, so that she will get well and live!"


 5:24 そこで、イエスはヤイロと一緒に出かけて行かれた。大勢の群衆も、イエスに従い、押し迫って来た。
 5:24 Then Jesus started off with him. So many people were going along with Jesus that they were crowding him from every side.


 5:25 さて、ここに十二年間も出血の止まらない女がいた。
 5:25 There was a woman who had suffered terribly from severe bleeding for twelve years,


 5:26 多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけであった。
 5:26 even though she had been treated by many doctors. She had spent all her money, but instead of getting better she got worse all the time.


 5:27 イエスのことを聞いて、群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた。
 5:27 She had heard about Jesus, so she came in the crowd behind him,


 5:28 「この方の服にでも触れればいやしていただける」と思ったからである。
 5:28 saying to herself, "If I just touch his clothes, I will get well."


 5:29 すると、すぐ出血が全く止まって病気がいやされたことを体に感じた。
 5:29 She touched his cloak, and her bleeding stopped at once; and she had the feeling inside herself that she was healed of her trouble.


 5:30 イエスは、自分の内から力が出て行ったことに気づいて、群衆の中で振り返り、「わたしの服に触れたのはだれか」と言われた。
 5:30 At once Jesus knew that power had gone out of him, so he turned around in the crowd and asked, "Who touched my clothes?"


 5:31 そこで、弟子たちは言った。「群衆があなたに押し迫っているのがお分かりでしょう。それなのに、『だれがわたしに触れたのか』とおっしゃるのですか。」
 5:31 His disciples answered, "You see how the people are crowding you; why do you ask who touched you?"


 5:32 しかし、イエスは、触れた者を見つけようと、辺りを見回しておられた。
 5:32 But Jesus kept looking around to see who had done it.


 5:33 女は自分の身に起こったことを知って恐ろしくなり、震えながら進み出てひれ伏し、すべてをありのまま話した。
 5:33 The woman realized what had happened to her, so she came, trembling with fear, knelt at his feet, and told him the whole truth.


 5:34 イエスは言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい。」
 5:34 Jesus said to her, "My daughter, your faith has made you well. Go in peace, and be healed of your trouble."


 5:35 イエスがまだ話しておられるときに、会堂長の家から人々が来て言った。「お嬢さんは亡くなりました。もう、先生を煩わすには及ばないでしょう。」
 5:35 While Jesus was saying this, some messengers came from Jairus' house and told him, "Your daughter has died. Why bother the Teacher any longer?"


 5:36 イエスはその話をそばで聞いて、「恐れることはない。ただ信じなさい」と会堂長に言われた。
 5:36 Jesus paid no attention to what they said, but told him, "Don't be afraid, only believe."


 5:37 そして、ペトロ、ヤコブ、またヤコブの兄弟ヨハネのほかは、だれもついて来ることをお許しにならなかった。
 5:37 Then he did not let anyone else go on with him except Peter and James and his brother John.


 5:38 一行は会堂長の家に着いた。イエスは人々が大声で泣きわめいて騒いでいるのを見て、
 5:38 They arrived at Jairus' house, where Jesus saw the confusion and heard all the loud crying and wailing.


 5:39 家の中に入り、人々に言われた。「なぜ、泣き騒ぐのか。子供は死んだのではない。眠っているのだ。」
 5:39 He went in and said to them, "Why all this confusion? Why are you crying? The child is not dead-she is only sleeping!"


 5:40 人々はイエスをあざ笑った。しかし、イエスは皆を外に出し、子供の両親と三人の弟子だけを連れて、子供のいる所へ入って行かれた。
 5:40 They started making fun of him, so he put them all out, took the child's father and mother and his three disciples, and went into the room where the child was lying.


 5:41 そして、子供の手を取って、「タリタ、クム」と言われた。これは、「少女よ、わたしはあなたに言う。起きなさい」という意味である。
 5:41 He took her by the hand and said to her, "Talitha, koum," which means, "Little girl, I tell you to get up!"


 5:42 少女はすぐに起き上がって、歩きだした。もう十二歳になっていたからである。それを見るや、人々は驚きのあまり我を忘れた。
 5:42 She got up at once and started walking around. (She was twelve years old.) When this happened, they were completely amazed.


 5:43 イエスはこのことをだれにも知らせないようにと厳しく命じ、また、食べ物を少女に与えるようにと言われた。
 5:43 But Jesus gave them strict orders not to tell anyone, and he said, "Give her something to eat."


 (日本聖書協会 新約聖書 和英対照 和文・新共同訳 英文・TEV マルコによる福音書より) 


 


新約聖書略解、新聖書講解シリーズマルコの福音書、へ、つづく