宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

低コスト稲作の切り札、「水稲乾田直播実演会」を開催

2010年05月31日 16時11分56秒 | 地域農業の構造改革に向けた取組支援
 大崎・加美地方では、ほ場の大区画化により水稲作の低コスト化を図るとともに、集団転作による大豆作を推進するなど、攻めの水田農業に取り組んできました。
しかし一方で、生産技術の地域格差が拡大するとともに、大規模な設備投資が必要となる割には収入の少ない水田作に対し、経営としての魅力を失いつつある農家も出現し始めています。
そこで、管内農業者の水田農業への意識啓発・先進的技術の普及を図る事を目的に、低コスト省力化稲作の切り札である「水稲乾田直播」(広畝成形方式)について、大崎市高倉地区の大区画ほ場を会場に実演会を開催したものです。

 同地区の農事組合法人「アグリ高倉」は、2年3作のブロック・ローテーション方式による大豆集団転作を経営の基幹とする法人であることから、乾田直播は大豆跡復元田を利用した無肥料栽培とする事で、大幅なコスト削減を図っています。また、同方式は育苗作業が不要となること、および収穫期が遅くなる事で作期分散が図れる事から、省力的でもある事も大きなメリットとなっています。
 作業の実演には100psのパワークローラー・トラクターが大活躍、1haを約2時間程で仕上げてゆくスピードに、当日訪れた見学者からは声も出ない状況でした。
 しかし、同法人の橋本組合長からは、「大型で高能率の作業機も重要ではあるが、それよりも本暗渠とパイプライン灌水設備のある水田である事の方がより一層重要」と、水田の汎用化の必要性を強調されていました。

当普及センターでは、今後も、水田農業の低コスト省力化に向けて、水稲直播栽培の指導・支援を行っていきます。

<連絡先> 宮城県大崎農業改良普及センター 先進技術班
 TEL:0229-91-0726 FAX:0229-23-0910
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