宮城の農業普及現地活動情報

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平成28年産酒米作柄検討会を開催

2016年12月15日 13時33分52秒 | 先進的技術に取り組む経営体の育成・支援

 松山地区酒米研究会は,同地区の酒造メーカー(株)一ノ蔵と契約栽培を結び,酒米品種の「蔵の華」をはじめ,「トヨニシキ」,「やまのしずく」等を栽培しています。(株)一ノ蔵では清酒醸造だけでなく,酒米の栽培にも取り組んでおり,検討会に研究会会員として参加し,共に活動しています。検討会では,普及センターが平成28年産水稲作柄の総括について説明した後,JAみどりのが酒米の出荷実績について,一ノ蔵が酒米の品質について報告しました。今年の出荷量は平年を上回り,品質も白未熟粒,胴割粒とも少なく極めて良好でした。一方,平年に比べて千粒重が小さく,玄米窒素濃度が高かったことから,今後要因を解明し,次年度の栽培へ活かしていくことにしました。また,近年,トヨニシキの胴割れ米発生割合が高く,対策が求められているため,昨年度から(株)一ノ蔵と東北大学農学部が連携してケイ酸質肥料の施用による胴割れ米抑制対策試験を実施しています。今年は(株)一ノ蔵のほ場に加えて会員のほ場でも対策試験を実施しており,東北大大学院の浅見秀則さんからケイ酸資材を施用することで,胴割粒や白未熟粒の発生率が低下するとともに玄米収量も向上するという研究成果の報告がありました。さらに伊藤豊彰准教授よりケイ酸資材に加え,堆肥の施用,登熟期における稲体の活力を維持する施肥管理と水管理,作土深確保,稲わら処理など適正な土壌管理を組み合わせた全天候型の安定生産技術について講演がありました。昨年からケイ酸資材を施用している会員も多く,今年の品質が良好であったことから手応えを感じており,研究会としてより一層土づくりに力を入れていくべきだという声が多く聞かれました。

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