雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

懸命のエールを送ります ・ 小さな小さな物語 ( 847 )

2016-10-12 15:16:14 | 小さな小さな物語 第十五部
よく言われることですが、苦境の中にある時にこそ人の本性が見える、というのは本当だと思います。
人間の本性は善であるという性善説と、人間の本姓は悪であるという性悪説という二つの考え方があることもよく知られていますが、そのどちらが本当なのかは知らないのですが、熊本を中心とした地震に関する報道を見ていますと、性善説を信じたくなってきます。

熊本県を中心に発生した大地震は、未だ終息の気配を見せていません。余震の回数は若干減少してきているようですが、その余震とされるものが、どの地震に対する余震なのかが明確でないとすれば、安易な結論を出すことは控えるべきだと思われます。
今回の地震に関する公式発表において、最初本震としていたものが実はあれは前震だったという報道がありましたが、これについては、今後、発表のあり方について検討される必要があるように思われます。もし、最初の震度7の地震の時に、今後も数日間の間は同程度あるいはそれ以上の地震が発生する可能性があるとしておれば、二度目の震度7での被害を少しは抑えることが出来たのではないかと、今だから言える勝手な想像ですが思っています。
かつて、あるテレビ番組で、有名国立大学の外国人教授の方が、地震予知に関する討議の中で、「地震の予知など出来ない」と明快に答えられていたのを覚えています。あれから数年経ちますが、その教授の意見を否定するような状況は一度も発生していません。
つまり、地震予知はそれだけ難しいということです。

今なお身体に感じる地震が数多く発生している時に、地震予知云々を論じることなど意味がないことは、全くその通りだと思います。
また、防災体制や救援体制についての非難の声も聞こえてきますが、そんなことより、今日、明日の被災者支援を実行していくことの方が大切なのであって、大所高所からの非難や苦情は、避難者の生活が落ち着いてからにしていただきたいものです。
その一方で、支援体制は、被災直後の混乱を脱しつつあるようです。公私の数多くの団体や企業などが組織的で機能的な活動が力を発揮してくれています。被災者でありながら、もっと大変な人の為にと、水を提供したり、一日中清掃にあたっている人の姿も伝えられていました。
人間の本性が善か悪かは知りませんが、少なくとも、人間の心の中には優しものが宿っていることは間違いないような気がします。

しかし、被災された方々への支援活動はまだスタートしたばかりです。車中や傾きかけた家を離れられない人などに対して、水や食事の支援さえもできていない所もまだあるかもしれません。それでも、このまま余震が落ち着いて行ってくれれば、そのような支援の網に漏れてしまっているような方々も含めて、十分とは言えないまでも、生活を支える体制を進めてくれるはずです。私たちの国は、それだけの力と優しさを有しているはずです。
そうとはいえ、実は、本当の意味の支援となれば、もっと長期のスパーンで考える必要があります。阪神淡路大地震をほんの少しばかり体験した者として申しますと、被災直後は、被災者も支援者も、多くの人がハイ状態になっている傾向があったように思うのです。地震被災に限りませんが、私たちの多くは、とてつもない困難に直面した場合、神経が高揚することがあるようです。やがて、時間の経過とともに現実を冷静に理解出来るようになると、苦しみや悲しみが大きくのしかかってくるようです。
その頃に、支援の手が離れてしまうことはあってはならないと思います。
直接支援にあたっている方々のご苦労に感謝しますとともに、何の力にもなれない身としましては、せめて被災地域の方々に懸命のエールを送り続けたいと思います。

( 2016.04.24 )
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