雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

社会秩序の再構築 ・ 小さな小さな物語 ( 913 )

2017-04-22 13:26:59 | 小さな小さな物語 第十六部
アメリカの大統領選挙は、多くの予想に反してトランプ氏が勝利しましたが、その余韻といいますか、余震のような物がまだ続いているようです。
アメリカ国内では、トランプ氏の大統領就任に反対するデモが数多く行われているようですが、選挙だけで決着できない人々も少なくないようで、少々意外な感じを持っています。
それに、今回の選挙は、同国の過去の大統領選挙に例を見ないほどの非難合戦であったようです。候補者本人への中傷合戦は、醜くはあっても、比較的後を引くものは限定的でしょうが、今回の場合は、人種や宗教をはじめ、私たちが理性で押さえてきていたけれど、本当は完全に身についていない様々な差別感情などを大っぴらに口にしてしまったのですから、この収束はなかなか大変なのではないでしょうか。
つまり、大きく傷つけられたこれまでの社会秩序を、どのような形で再構築するのか、世界を主導してきた国の知恵を見守りたいと思います。

社会秩序を、どのように定義するかは、辞書の説明だけではなかなか納得できない感があります。
今回のアメリカの大統領選挙に限って考えた場合、極端な論調をするものでは、トランプ氏の登場がこれまでの社会秩序を壊したというものさえあります。あるいは、史上最悪といわれる選挙戦が国民を二分させ、社会秩序に大きな傷跡を残してしまった、といった論調は、結構数多く見られました。
しかし、社会秩序を価値観を共有することにあると考えた場合、アメリカの、そして先進国のエリートとか知識人とかいわれ、これまで社会をリードしていたとされる人たちの多くが、今回の選挙結果を予測できなかったということは、社会の大層の価値観の変化を読み切れなかったということで、すでに社会秩序は大きく変化していたということではないでしょうか。

様々な意見はあるとしても、超大国アメリカの次期大統領は決定し、閣僚などの人事が進められており、何人かはすでに内定しているようです。何でも、大臣や補佐官や高級官僚を含めて、政治運営の上層部の四千人以上が交代するそうですから、留任はあるとしても、相当の変化があるのは当然と言えましょう。
そうした中で、わが国の首相は早々に次期大統領と会談しており、大変な関心が寄せられているようです。極めて薄い人脈の、再構築を進めているのでしょうが、この行動を好意的に評価している人が多い中、朝貢外交だと非難している人もいるようです。
政治的な立場、価値観の差からくる発言でしょうが、国際秩序が大きく変化しようとしていることを認識したうえでの発言なのでしょうか。

今年は、イギリスのEU離脱、アメリカの予想外の選挙結果、といった、民主主義の先進国と考えられる二か国で大変な変化、国家秩序の崩壊に近い変化が起きていることは無視すべきではないと思うのです。
規模も内容もかなり違いますが、近隣国の政治混乱も、直接原因は一握りの人物の犯罪行為だとしても、その根底には、社会秩序の変化があるのではないでしょうか。
昨今、数多くの国内犯罪や、社会の指導層たる人たちの犯罪・怠慢を数多く経験しているわが国ですが、世界の国々と比べれば、比較的安定していると考えられますし、多くの人がそう思っていると考えられます。
しかし、もしかすると、わが国においても、声が小さく主張も控えめの大きな層で、社会秩序の崩壊が進んでいる可能性も十分考えられるのではないでしょうか。

( 2016.11.20 )
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