雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

言葉は怖い ・ 小さな小さな物語 ( 934 )

2017-04-22 10:09:39 | 小さな小さな物語 第十六部
つくづく怖いと思います。
つい、気軽に発する言葉が、時には、人を傷つけたり、判断を誤らせたりしてしまうのですから、言葉というのは恐ろしい存在だと思います。
言葉というのは、話し言葉に限定されたものではなく、文字やその他の意志の伝達手段すべてを含めていいと思うのですが、ここでは、話し言葉を問題にしたいと思います。

書き言葉、つまり文字などによって書き残された物も、時には遥かに話し言葉より強烈に人を傷つけることがあるのは確かです。しかし、やはり文字などに書き残すとなれば、それなりの配慮や躊躇が働くものです。
それが口から出る言葉となれば、公式な場所などではともかく、日常生活の中では、書き言葉よりはるかに気軽に発言してしまいます。言いっぱなしで、すべてその場限りで消えてしまうような錯覚があるからでしょうか。しかし、傷つけられた人にとっては、生涯恨みに思うこともあるかもしれませんし、傷害事件や時には殺人事件にまで発展することさえあるのは、世間では決して珍しいことではありません。

「物言えば 唇寒し 秋の風」というのは、名句というより名言だと思うのですが、ついついいらぬことを言ってしまった後の自分自身に対する苦々しさは、まさにこの心境だと思うのです。
「物も言いようで角が立つ」というのは、ほとんどの人が耳にした言葉だと思いますし、単純な教えだと思うのですが、肝心な時に、これがなかなか頭に浮かばないのですよねぇ。
「雉も鳴かずば撃たれまい」とか「口は禍の元」「口は禍の門」と言った金言もありますし、「病は口より入り、禍は口より出ず」という、すばらしい教えもあります。
反対に、「物言わねば腹ふくる」という言葉もありますが、まあ、少々腹が膨れる程度は辛抱した方が無難ですよ。

最近では、ツイッターと言ったような伝達手段があり、当ブログも似たような物かもしれませんが、確かに「文字」が伝達手段になっているのですが、その発信動機は、話し言葉とあまり変わりがないような気がします。
こうした意思発信手段にまつわるトラブルは少なくなく、時には事件にまで発展しまうことも報道されています。
あまりに悪質なものに対して規制が必要だという声も強いようですが、実現はなかなか難しいようです。それに、世界のリーダーと目される人物も、なかなかお盛んな発信を続けているようですから、これが現代という社会なのだと覚悟して、受け取る方が対応を考えなくてはならないようです。

( 2017.01.25 )

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