雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

薬師寺の万灯会 ・ 今昔物語 ( 12 - 8 )

2016-10-11 08:38:37 | 今昔物語拾い読み ・ その3
          薬師寺の万灯会 ・ 今昔物語 ( 12 - 8 )

今は昔、
薬師寺の万灯会(マンドウエ)は、この寺の僧である恵達(エダツ)が初めて行ったものである。
昼は本願薬師経(ホンガンヤクシキョウ・薬師本願経とも)を講じて一日の法会を行う。寺の僧たちは法衣を調え、みな色衆(シキシュウ・法会の際の役僧の総称)を勤める。法会は音楽を中心として歌舞が休みなく奏せられる。夜は万灯を掲げて様々に飾られる。これらはみな、寺の僧の経営であり、施主の寄進によるものである。
三月二十三日と定められ、この法会は今もなお絶えることなく続いている。
わが国の万灯会は、これから始まったのである。

かの恵達は後に僧都になった。
在世中はこの法会を自ら行った。死に臨んで、寺の僧たちに託した。
この恵達僧都は寺の西の山に葬られた。この万灯会を行う夜は、その墓に必ず光がある。

これを思うに、何ともしみじみとして貴いことである。信仰心のある人は必ず参って結縁すべき法会である、
となむ語り伝へたるとや。

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