雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

自然に寄り添う ・ 小さな小さな物語 ( 915 )

2017-04-22 13:24:27 | 小さな小さな物語 第十六部
東京では、11月の降雪ということが話題になっています。何でも54年ぶりということですが、1962年(昭和37年)の場合は、雪は降ったのですが積もらなかったそうで、東京都心での積雪となれば、1875年(明治8年)の統計開始以来初めて、ということらしいですから、これはなかなか大変な記録といえましょう。

今回の東京都心における積雪量は「0センチ」だそうで、これは積雪があったということだそうです。
テレビ報道を適当に聞いていただけなのですが、何でも積雪量というものは、積雪がない場合は「積雪無し」となり、積雪がある場合は、「0センチ」「1センチ」「2センチ」といった具合に数えるそうです。
そこで、「積雪0センチ」というのはどんな状態を指すのかということになります。私自身は、「ミリ」の単位で四捨五入するのだと思っていたのですが、実は、観測地点の芝生の部分が半分以上白くなっていて、計器測定では「1センチ以下」の場合に、このように表すそうです。
この説明に間違いはないと思うのですが、なかなか人間的な測定方法で、何かうれしい気がします。

そう言えば、気象に関する観測方法の中には、なかなか味のあるものがあるようです。
例えば、毎年、富士山の初冠雪がニュースになりますが、この初冠雪というのも、実際に富士山頂に雪が降った日を指すのではなく、気象庁の担当者が下界から見て「富士山が雪帽子をかぶったァー」と確認できた日が「初冠雪の日」になるそうです。つまり、雲がかかったり、大雪の為なので下からお山が見えない間は、初冠雪の宣言はなされないそうです。おそらく、先祖から語り継がれた麓の人々の知恵に基づいている部分があると思うのですが、粋な決め方だと思いませんか。
他にも、桜の開花もそうですが、タンポポの開化などの草花の生育や、トンボやセミなどの昆虫が姿を見せた時なども観測しているそうです。

渡り鳥などの観測もきっとしているのでしょうが、どうも人間の生態については観測対象にはなっていないようです。
私たちは、春夏秋冬に衣服を変えます。例えば、一枚のスナップ写真を見るだけで、おおよその季節が分かることは多いように思われます。ただ、そうだからと言って、人間の服装や行動パターンによって、気候の動向を予想しようと考える研究者はいないようです。
残念ながら、草花や鳥や虫は自らの本能によって花を咲かせたり地上に姿を見せたり、遠い地に向かって飛び立ったりしていますが、人間という奴は、雨が降るかどうかさえ天気予報を見ないと判断が出来ず、今日着ていく服も、気温の予想を聞かないことには判断できないのですから、どうも情けない話です。
風の匂いを感じ取って海外旅行をスタートするのは無理だとしても、私たちは、今少し自然に寄り添うのも良いのではないでしょうか。

( 2016.11.26 )
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