雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

多士済々 ・ 小さな小さな物語 ( 887 )

2016-10-12 09:35:55 | 小さな小さな物語 第十五部
ほぼ毎日、早朝にウォーキングを心がけていますが、結構多くの人と出会います。
その三分の一くらいの人は、犬を連れての散歩です。これまでに、猫に紐をつけて散歩させている人、子山羊を連れている子供に会ったことがありますが、どうやら散歩のお供というのは犬に限られているようです。これは、わが国だけの現象なのでしょうかねえ。テレビなどでみる限り、ワニやブタを連れて散歩している様子がニュースになっていましたから、やはり、外国でも犬が定番なのでしょうか。
もっとも、犬をお供にというより、犬がご主人のような散歩も多くなってきているような気がします。

昨日の朝は、三匹の犬を連れている人に会いました。大きくて真っ黒な犬と、白くて中型の犬と、茶色で毛糸の縫いぐるみのような小さな犬の三匹ですが、大きな犬はおとなしいのですが、中型の犬があちらこちらへ行きたがって、飼い主は大わらわです。どうやら、日頃散歩させることはないらしく、紐の扱いも犬たちとの会話も思うに任せられないようで、実に微笑ましい姿を楽しませてもらいました。
複数の犬を連れている人は意外に大勢います。これまで見た最高は五匹で、どれが誰だか分からないようなよく似た小型犬でした。
そこで、複数の犬を連れている場合の種類を見てみますと、同種類で一見見分けがつかないような場合と、大きさや色などが違う場合とが、半々くらいに感じられるのです。正しく数えたわけでもなく、私が出会うごく限られた例だけで云々するのもどうかと思いますが、どうも、対照的な二つの考え方があるように思うのです。

つまり、飼い犬に子供が生まれた場合は別として、自分の好みで二匹以上の犬を飼う場合、もちろん猫でも一緒だと思うのですが、同種類、あるいは同じ色のものを好む人と、逆に対照的な組み合わせ、バラエティーを重視する考え方があるように思われます。
同一視するのはどうかと思いますが、東京オリンピックのエンブレム選考に当たっても、多色を好むか、単色を好むかといった考え方のせめぎあいがあったように思われます。
もっと飛躍させると、今回のオリンピックを見ていますと、実に多くの国家があり、その国家あるいは団体には様々な形態があり、また様々な人種があることを改めて教えられました。
比較的他人種と交流することの少ないわが国としては、ブラジルのような多人種国家のバイタリティーに圧倒されそうです。また、ヨーロッパを大合併させようという構想の大きさを今更のように驚くとともに、イギリスの脱退問題は、つきつめると、すべての人が納得できるような価値観の統一は難しいのではないかと思ってしまいます。

「多士済々」という言葉があります。この言葉は、中国の古典から生まれた言葉で、もとは、「済々たる多士」だそうで、「優れた人が大勢いること。あるいは、その状態」を指します。
二匹の犬をどう選ぶかということとはだいぶ違うと思いますが、国家であれ、政権であれ、社会であれ、「多士済々」の状態の方が、一人の天才らしい人物に指導されるより、より多くの人を幸せにできるような気がするのです。
ところで、「多士済々」の読みは、「たしせいせい/たしさいさい」のどちらも正しいようです。本来は「たしせいせい」のようで、辞書や放送などでもこちらを優先しているようです。しかし私なども「たしさいさい」で覚えましたが、多くの考え方を容認しているようでこの言葉が気にいっています。
但し、「多士済々」は、大勢の人が集まればよい、という意味ではなく、「優れた人が・・・」がついていますので、念のため。

( 2016.08.28 )
『コラム』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« もう一日欲しい ・ 小さな... | トップ | 挫折 ・ 小さな小さな物語 ... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL