雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

阿吽の呼吸 ・ 小さな小さな物語 ( 979 )

2017-06-18 08:35:06 | 小さな小さな物語 第十七部
「文書はあったのか?なかったのか?」
「確認できなかった」
「現役の官僚さえ、存在を告発している」
「再調査の結果、一部文書の存在を確認した」 
等々・・・。

何だかよく分からないうちに、どうやら国会は閉会になるようです。
「欧米先進国に比べ、日本は平和だ。問題があるといっても、せいぜい『学園ドラマ』ですから」と、どなたかが発言されていました。
大荒れのようにみえる国会ですが、私たちの国民生活からすれば、「共謀罪」だとか「テロ等準備罪」だとか発言者によって呼び名が違う「改正組織犯罪処罰法」とやらは、相当重要な法律だと思うのですが、「学園ドラマ」と同レベルの問題として扱われているようで、国会の会期を延長することもなく成立してしまいました。
与党の思惑はともかく、野党の追及のあり方も、どうも「学園ドラマ」の方が一般受けが良いと考えているらしい感じが見え、国家の重要性よりも大向こうの受けを優先したのではないかと感じてしまいました。
おまけに、ご苦労なことに徹夜の会議らしいものを経て行われた投票では、例によって牛歩戦術らしい行動に出ていた何人かが投票時間を過ぎたとのことで無効扱いになりました。何とも格好の悪いことですが、どんな手段をとってでもテレビに映りたい一心だったとすれば、戦略は成功したことになります。

ところで、「学園ドラマ」の第二話の方ですが、見方によりいろいろな問題点が浮かび上がってくるのでしょうが、個人的には、省庁間の争い、官邸と官僚の争い、あるいは官僚間の価値観のバラツキと言った部分が見えてきたように思われます。
獣医学科を一つ新設するのがこれほど大変で、多くの利益団体が絡み合っているらしいことは、私などでは全く知らなかったことで、その点では、今回の騒動は、いくつかの闇の部分が浮かび上がってきたのは結構なことだと思われます。

それにしても、「阿吽の呼吸」などという行動は、すでに過去の遺物なのでしょうか。
「阿吽(アウン)」という言葉は、もともと仏教における真言(呪文)の一つで、サンスクリット語からきています。「阿」というのは口を開けて発する最初の音で、「吽」は口を閉じて発する最後の音です。つまり、「阿吽」とは「万物の最初と最後」を表しており、「一切が帰着する知徳」を表しているそうです。
神社の狛犬や仁王が「阿と吽」の形を示しているのは、大宇宙の摂理を示しているのかもしれません。
利害がぎしぎしとぶつかり合う私たちの日常の潤滑油として、「阿吽の呼吸」などという行動が生まれたのだと思うのですが、どうも絶滅危惧種になりつつあるようです。
阿吽の呼吸だと思った会話がメモとなり、しかも、時には流出し一人歩きしてしまったり、忖度(ソンタク)が悪者扱いされてしまったりと、いわゆる大人の知恵がどんどん失われていっているような気がしてならないのです。
どんどん住みにくくなっていく世の中を、ほんの少しでも緩和してくれるような知恵を、私たちは探し出す必要があるように思うのです。
『コラム』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 金貨を握って生まれる ・ ... | トップ | 心の花園は自由自在 ・ 心... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL