雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

ワン・プラス・ワン ・ 小さな小さな物語 ( 885 )

2016-10-12 09:46:26 | 小さな小さな物語 第十五部
リオ・オリンピック、連日感動を与えてくれています。
日頃見ることなどほとんどない競技でも、しかも日本の選手が出場していない、あるいは予選で早々に姿を消してしまっている競技でも、たまたま見る機会があって見ていると、やはり、そこにもそれぞれのドラマがあり感動がありました。栄冠には遠く及ばない場面であっても、優勝を争うのに匹敵する感動が秘められていることも少なくないのでしょう。
それも、感動やドラマ性を云々しているのは、日本人としての私の目を通してのことですから、それぞれの国民などの目を通した場合などを考えれば、多くの問題点を克服していく必要があるとしても、オリンピックの持つ不思議な力を大切にしたいものと感じています。

とはいえ、やはり、わが国の選手がメダルに絡む戦いは、一味違うのは否定できません。今回の大会では、その場面が何度も何度も出現するのですから、テレビ観戦で疲れてしまいそうです。
本稿は最終日の競技が終わる前に書いているのですが、すばらしい大会だったと感謝しています。
それにしても多くの感動場面の中でも、男子400mリレーの銀メダルには、体が震えるほど感動しました。ボルトの後を追い、アメリカやカナダチームとの競り合いに勝利したのですから、どう表現すればいいのでしょうか。

「『1+1』が『2』ではなく、『3』になり『4』になるように努力しなさい」といった言葉は、時々耳にします。
なかなか含蓄のある言葉といえないこともありませんが、むしろ「ベタな教訓」の部類のような気もします。確か、ある芸人さんがこんなことを言っていました。「2人で演じると2.1人分の力が出るのであれば漫才をしなさい。1.9人の力しか出ないのであれば、ピン芸人を目指しなさい」と若手にアドバイスをしているというのです。「2人で演じると2人分の能力が出る場合はどうなのか」を私は聞きたかったのですが、その人はそれ以上のことは話しませんでした。
わが国に限ったことではないのかもしれませんが、また、スポーツに限ったことではないかもしれませんが、「最後は根性だ」とか、「チームワークの勝利だ」とか、「『1+1=3』にせよ」といった考え方が、よく登場します。確かに、スポーツに限らず人間が能力を発揮するぎりぎりの場面では、精神力の持つ面の大きさは否定できないでしょう。
しかし、どちらかと言えば私自身は、精神面を強調し始めた場合は大体負け戦だという考えを持っているのですが、今回の男子400mリレーの活躍を見ると、これまでの考え方が揺らいできました。

もちろん、チーム力というものが、個々の能力の組み合わせ方や相乗効果により、単純に個々の力の総和に一致しないことは認識しています。
しかし、今回のリレーメンバーにしても、個々の走力を磨くのは当然としても、その上に、よく言われているようにバトンパスのレベルアップ、走るコースへの対応など、単なる走力以外の部分の壮絶な努力があったはずです。そう考えれば、チームワークや精神力を強調し過ぎるのには若干抵抗感があるのですが、同時に、神懸かり的な快挙というものはあるのだと、この目で見させていただきました。
「ワン・プラス・ワン」は、最大幾つまで膨らますことが可能なのでしょうかねぇ。

( 2016.08.22 )

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