雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

訴える力 ・ 小さな小さな物語 ( 978 )

2017-06-15 08:36:00 | 小さな小さな物語 第十七部
テレビで国会中継を見ていて、ふと思いました。自分の思いを人に訴えることはつくづく難しいことだと。
「自分の思い(考え)を訴える」というのは、「自分の思い(考え)を伝える」というのとは少し違う感じがします。
訴える力、つまり訴求力とは、辞書などでは「宣伝・広告で、買い手にうったえかける力」とありますから、私が見た国会中継は、質疑応答の場面ですから、訴求力とは少し違う性質の能力かもしれません。ただ、「もっとまじめに答えてください。テレビが入っているんですよ・・・」といった発言(正確ではないかもしれませんが)もありましたから、ほとんど同じものかもしれません。

古来、自分の思い(考え)を相手に伝えることは難しいこととされているようです。それも、伝えるばかりでなく、自分の思いに賛同させたり、それに沿って行動させることは簡単な事ではないのは誰もが経験したことなのでしょう。
それは、言葉に限らず、文章であれ、表情であれ、時には念力のようなものも含めて、様々に工夫し、その手法を後世に伝えようとしたりしています。現在、私たちは、そうした先人たちの様々な教えを文字で知ることが出来ますが、残念ながら万能薬は含まれていないようです。

政治家といえばその範囲が広くなりすぎますが、例えば国会議員に限って、その発言や文書を見た場合、ごくごく端的なもので全体を評価するのはどうかと思いますが、雄弁な人、何故国会議員などになったのかと思われるほどたどたどしい発言の人、様々おいでのようです。文書を見る機会はほとんどないのですが、語り口ではなく発言の内容そのものを文章として考えた場合には、巧拙が浮かび上がってきます。
また、どんな雄弁よりも真実を述べている場合がもっと訴求力がある、と言った人もいましたが、さて、それもきれいごとに過ぎるような気がします。

テレビでの国会中継を見ていて私が知った現実は、激しく論争になるような事柄の多くは、主義主張、あるいはそれぞれの立場などによって考えが一致しない物が多いと思われるので、どちらが真実かという事はともかく、何とか相手を説得させようとか、説得させようと追い詰めているように見せるためには、最大の武器は、声を張り上げること以外にはないような気がしてしまいます。
絶叫することで相手をおどそうというわけではないのでしょうが、説得力を高めるには、その効果はともかく、古来最大の手段だと考えられてきているような気がします。
残念ながら、ややもすれば、声の大きい人の考えが通ってしまうという事実も少なくないようですから、絶叫を咎めることは出来ないことになります。ただ、あまりにも憎々しげで、見るに耐えないような発言を止めることは出来ないのでしょうかねぇ。
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