雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

普通程度 ・ 小さな小さな物語 ( 870 )

2016-10-12 13:07:46 | 小さな小さな物語 第十五部
先日のことになりますが、総務省が発表した2015年国勢調査の「1%抽出速報」なるものが発表されました。
各紙幾つかのデーター分析がなされていましたが、その多くは、「六十五歳以上の人口が全人口の四分の一を越えた」というものでした。正確に言えば、調査開始以来最高の26.7%になったというものです。1%の抽出によるデーターがどの程度正しいのか知らないのですが、高齢化が進んでいて、さあ大変だというわけです。

最近では、少子化という言葉もセットのようになっていて、新聞などの記事をちょっと意識して見ていますと、「少子高齢化社会」といった言葉を見つけ出すのは簡単なことです。
目下、参議院選挙の真っただ中ですが、候補者や各党の方の公約(だと思うのですが)を見てみますと、全員の分を見ていませんので断言はできないのですが、「少子化対策」「高齢化対策」といったことに触れていない候補者なり党はないのではないでしょうか。そうだとすれば、たとえ何方が当選しようと、これらの問題はそう心配することはないのでしょうね、きっと。

それに、ふと思ったのですが、「高齢化が進んだため滅びた国家」というものはあるのでしょうか。
大分前のことになりますが、わが国の人口減少に伴い消滅する市町村が多数できるようなことが公表されました。人口問題、地方自治問題などに一石を投じたようですが、あれ、大地震発生の予報とどちらが信憑性があるのでしょうか。地方の市町村を中心に、人口が激減する地域は今後も出てくるでしょうが、普通程度にしっかりした首長がおり、郷土を愛する人がそこそこいる限り、どっこい町や村は消滅したりしないはずですよ。
国家も同じことで、高齢化社会がいくら進もうと、普通程度の内閣が組成され、この国を愛する人がそこそこいる限り、それが原因で国家が滅びることなどないはずです。

それにしても、「高齢化社会」の問題が表面化してから何年経ったのでしょうか。幾つかの対策は検討され実施もされているのでしょうが、例えば、十年前に比べてこの問題が緩和されたとは思われません。ほころびそうな所を張っていくような対策では、高齢化の進展に追いつけないということなのでしょう。 
若干の資金と少し本気を出しさえすれば解決できると思われる、保育所の充実さえ遅々たるものなのですから、国家は滅亡しないとはいえ、この問題の一応の解決は、そうそう簡単ではないようです。
例えば、年金でいえば、一定の国家予算の投入は必要だとしても、自分の年金は自分で積み立てる方式に変えない限り解決しないと思うのです。子供や孫の世代が親や祖父の世代を背負うという麗しい道徳を前提とした仕組みも、少子高齢化で持続が困難になってきたなんていうのは、ネズミ講の親玉の泣きごとに似ているような気がしてしまいます。まあ、こんなことは誰でも承知していることで、それでも実現させられないのが政治の難しい所なのでしょうね。
どの公約を見ても、そのほとんどに納得してしまいます。同時に、そのほとんどに「言うのは勝手だからなあ」とも思ってしまいます。しかし、それでもなお、『普通程度の内閣が組成される』ことを祈って、一票を投じることにします。

( 2016.07.05 )
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