Mの実験室 -科学教育啓発活動記録-

科学教育啓発活動を展開中! 科学実験・工作教室の活動記録、予定を書き込んだ日誌です。関連話題も掲載しました。

海外出前実験の準備

2010-11-29 | お知らせ、報告、日記
今年度の海外出前実験は、カンボジアを計画。
カンダール中学校教員養成校、バンティアスレイ小学校を訪問します。
テーマは、万華鏡とシャボン玉。どんな実験教室になりますか?楽しみです。


カンダール中学校教員養成校
段ボール箱1 33×56×28cm  10.8Kg
段ボール箱2 35×33×20cm   7.6Kg


カンダール中学校教員養成校3
段ボール箱3 47×33×32cm 10.5Kg


バンティアスレイ小学校
段ボール箱1 44×25×37cm   8.8Kg


バンティアスレイ小学校
段ボール箱2 47×33×32cm  10.5Kg

※シャボン玉液の材料は、水のみ現地調達する。
 カンボジアの水は硬水の可能性が高いので、現地にてミネラルウォーターを購入。
 Na,Mg等の含有量標記が一番小さな値の物を調達予定である。
 人が入れる大きなシャボン玉はこれまでに失敗は無かったが、可能な限り万全を
 期して望みたい。水が最も心配である。

以上の準備は、Nさん、Mさんの両名にお願いしました。2ヶ月近くかかりましたが、ようやく作業を終え一段落です。次の段階は、当日の詳細な進行を計画する必要があります。

第2回新潟県高等学校自然科学系クラブ交流会

2010-11-20 | 科学実験教室
■参加者日程
9:30~10:00  集合・準備(データ提出・ポスター掲示等) 
10:00~10:10  開会式(A講、挨拶・日程・注意事項)   
10:10~12:40  口頭発表会(A講)
12:40~13:20  昼食・ポスター発表(B講義室 ホール)
13:30      実験講座開講式(A講)
13:40~15:40  交流会(実験講座 各会場で) 
15:40~16:00  閉会式(成績発表・表彰・講評・連絡・閉会)

実験参加者: 8名
スタッフ:  T准教授、TA2名、私

実験講座が6テーマあり、下記テーマを担当。
4年前まで、学部3学年で実施のテーマである。その際は、午後の実験4回のテーマであるが、これを1時間50分で行う。体験濃密なスケジュールでハイスピードとなる。予備実験を実施し、実験装置を組立済みとし、試薬の一部を秤量しておく、操作を一部省略するなどで計画した。
本番では、さらに操作の一部を省略するなどで、なんとか無事終えることが出来た。
攪拌、過熱、環流、蒸留、抽出、乾燥といった、実験基礎操作を体験し、GC, FT-IRの分析機器を用いた同定を行った。
参加者の反応は良く「楽しかった」との声に準備の苦労が報われた思いで嬉しかった。
本学での会場のクラブ交流会は、3年後だそうである。

実験テーマ: ケトンの還元による二級アルコールの合成
■実験概要
 ケトンを還元すると二級アルコールが生成することは化学Iの教科書に載っている。本実験では、アセトフェノンの水素化ホウ素ナトリウムによる還元を行い、生成物の純度や構造を赤外吸収スペクトル等を用いて確認する。

■実験講座会場
 物質・材料3号棟3階実験室

【実験室準備】11/20(土)11:00~12:15
※2人1組で実験を行う。
1.必要な試薬は、あらかじめサンプル瓶に分注しておく。試薬の配置(宮)
2.安全眼鏡、白衣の準備(宮)
3.装置の組み立て(4セット) 
4.水浴の準備 13:50には、90℃としておく。
5.GC 2台、FT-IR 1台 スタンバイしておき、15:00使用可能としておく。
6.製氷機運転
7.アスピレーターの点検

第2回新潟県高等学校自然科学系クラブ交流会 実験講座③説明資料

「ケトンの還元による二級アルコールの合成」

【はじめに】一級アルコールや二級アルコールは酸化するとそれぞれカルボン酸やケトンを与える。一方、これらを還元すると、カルボン酸からは1級、ケトンからは2級アルコールが生成する。工業的にこれらの還元反応を行う時には、白金やパラジウムといった貴金属触媒と水素ガスを用いることが多いが、実験室では水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)や水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)がよく用いられる。今回の実験では、アセトフェノンを水素化ホウ素ナトリウムで還元して1-フェニルエタノールを合成する。その過程で、ガスクロマトグラフによる純度確認、赤外吸収スペクトルによる構造確認を行う。

※下記は、事前の予定表。
(13:40~13:45 実験前講義 5分)
①スタッフ紹介
②実験内容解説(竹中)
③実験室説明(非常口、試薬・天秤、GC、FT-IRの配置)
④安全指導(安全眼鏡、白衣、靴)


予め、セットは組み立てておいた

(13:45~14:10 仕込み、環流 25分)
1)滴下ロートと玉入り冷却管をつけた二口フラスコに、磁気攪拌子とNaBH4(2g=53 mmoL)を入れ、エタノール30mLに溶解させる。
  ※NaBH4は強塩基性、水素発生に注意!

2)滴下ロートにアセトフェノン(2.5g=21mmol)とエタノール10mLを入れ、均一な溶液にしておく。
3)アセトフェノンの溶液を5分くらいかけて滴下し、滴下が終わったらフラスコを90℃の水浴に浸けて10分間環流させる。
  ※予め準備しておく。投げ込みヒーターにはスライダックを接続し、温度コントロールに注意する。
※環流中に、分液ロートの操作法を説明する(コックはワセリンを塗らずに水で濡らす)。

(14:10~14:35 エタノール留去 25分)
4)玉入り冷却管と滴下ロートを外してから素早くト字管とリービッヒ冷却管に付け替え、エタノールを蒸留で追い出す。
  ※温度を下げずに(沸騰が続いた状態で)蒸留装置を組む。
  ※エタノール留去中に、FT-IRの話をする。



大部分のエタノールを追い出した後、アスピレーターを使用しさらに留去する。

(14:35~15:15 加水分解、抽出、乾燥 40分)
5)大部分のエタノールが無くなった二口フラスコに水100mLを加え、300mLビーカー(50mLの氷を入れておく)に注ぐ。ビーカーを冷却しながら3 mol/Lの希硫酸50mLをゆっくりと加える。
6)分液ロートに内容物を入れ、20mLのジエチルエーテルで2回(合計40mL)抽出する。
7)エーテル層を50mL飽和食塩水で1回洗浄してから取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。

分液ロートを使ったことがある人は、半数程度。

(15:15~15:30 GC, FT-IR 15分)
8)乾燥中のエーテル溶液について、ガスクロマトグラフで生成物の純度を確認する。(未反応の原料と生成物の割合)
9)乾燥後の溶液を少量取り出し、ドライヤーでエーテルを揮発させて残分の赤外吸収スペクトルを測定し、原料のスペクトルと比較して構造を確かめる。(カルボニル基(>C=O)の吸収帯の消失と水酸基(-OH)の吸収帯の出現)

GC測定
サンプル量:1 μL
測定条件 カラム:SE30
injection Temp.:250 ℃ カラム Temp.:160 ℃
Carrir gas:He 1 kg/cm2

FT-IR測定
  NaCl窓板にサンプルを塗布後、ドライヤーでエーテルを飛ばし、測定する。

スペクトルチャートをラミネート加工し、お土産にした。
記念品であるが、下敷きになる?

(15:30~15:35)
まとめの会5分
15:35 終了、移動5分

全員で記念撮影

15:40 閉会式 A講義室

科学おもしろ実験教室/化学あぶりだし(付属長岡小)

2010-11-16 | 科学実験教室

日時: 平成22年11月16日13:50~15:25
場所: 新潟大学教育学部付属長岡小学校
対象: 4年生36名、保護者34名
内容: 「化学あぶりだし」~酸性・アルカリ性のふしぎ~

進行
1.ムラサキキャベツの色変わり演示実験。
2.サンポール、重曹水でハガキに好きな絵を描く。
3.乾燥待ち時間に、あぶりだし、化学あぶりだしの説明。
  プリントの説明。
4.ムラサキキャベツの抽出液をハケを使って、ハガキ全面に塗る。
5.絵が出てきて、作品作りの完成。
6.2枚目の作品づくりに挑戦、乾燥待ち時間に次の実験の説明。
7.サンポール、酢、重曹水をパレットに入れ、ムラサキキャベツの抽出液を加えて、色変わり実験。
8.サンポール、酢、重曹水をリトマス試験紙でテスト。酸性、アルカリ性?
9.お土産にリトマス試験紙を渡す。







親子とも反応が良かったです。あぶりだしを知らない子が多いようで、知っていた子は2名。やはり、みかんで描いたそうです。この実験は、臭いの嗅ぎ方、スポイトの使い方、色変わりの観察といった化学実験の基礎操作を含んでおり、教科教育との関連性も高い。絵手紙風の作品づくりも楽しく、お親子教室にも好適なテーマであったと思う。大奮発で、リトマス試験紙をお土産とした。

2年前の化学のおもちゃ箱のテーマであったが、ムラサキキャベツの塗布を先に行うか、後にするか、または塗り方はスプレーかハケ塗りかを試行錯誤したことが懐かしい。今年は、試薬を使っての指示薬づくりで、濃度の試行錯誤を行った。サンポール、酢、重曹水で描いた後の乾燥にうちわを使うが、これも物質・材料系のロゴマーク入りで手作りした。様々な苦労の末に、諸条件が決まった実験テーマであり、定番テーマになりそうである。気があれば、自宅でも実験可能なテーマである。他のテーマに比べ、準備が容易である。

準備品・レシピ等、備忘録・・・・・・・
指示薬: 赤キャベツ色素(25g)和光純薬工業(株)181-01262 @4,700
       濃度 4.0g/1L(ハガキ2枚×100人分 OK)
※自宅で行う方は、ムラサキキャベツをミキサーにかけガーゼで漉した抽出液を用いる。
  ミキサーにかける際は水を加える。水の量は、ミキサーがうまく廻る必要最少量が良い。
飽和重曹水、酢、サンポール、サンプル瓶、うちわ
ハケ、ハガキ、スポイト、パレット、リトマス試験紙、古新聞紙


講演会/畑村洋太郎

2010-11-11 | お知らせ、報告、日記

畑村洋太郎先生の講演会に参加した。
題目: 失敗学から危険学へ -技術者共通の基盤素養として-
以前に先生の著書「失敗学のすすめ」を読んだことから、参加した。
とても面白い講演でした。テーマが身近であるものの、話されている内容の視点が鋭く、唸ってします。多くの聴衆者が聞いて良かったと思っていることでしょう。
今年度、安全関係のメンバーで毎月会議があるが、先生のご指摘に感ずることがありました。

・全ての産業の成長と衰退が同じカーブを描き、30年で衰退期を迎える。
・失敗は予測が出来る、他分野を学べ。
・日本は、過剰機能の過剰品質の製品を過剰生産している。「3つの過剰」
・成長、発展には失敗が必要。(しかし、失敗すれば良いというものでもない)
・コンプライアンスとは何か
 ○社会の要求に柔軟に対応する
 ×形の上だけ法律に従う
 ※コンプライアンスの意味は、「やわらかさ」

追伸)
会場での配付資料は、「複写禁止」との明示があった。講演会資料では、初体験でした。


教育講演会/左巻 健男

2010-11-03 | お知らせ、報告、日記
左巻健男さんの講演会に出席しました。
「読書は実体験を伴っていてイメージできる」は、納得でした。
ミニオフ会の続編の雰囲気で話されていたように感じました。
大人数を前にした講演でありながら4~5人を相手に話されている
ような雰囲気で、素直に飾らない持論なんだろうなと、頷きなが
ら聞けました。帰宅後の夕食時に家族に講演会の話をしました。
良いお話が聞けました。

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日程 : 11月3日(水・祝) 時間:9:50~11:20
定員 : 150名実施会場 : 朱鷺メッセ
テーマ :『教育、それは未来をつくる力「理系アタマ」育て塾〜理科が好きになる子どもへ、親ができること〜』
講演者 :左巻 健男氏

<左巻氏 プロフィール>
中学校・高校理科教科書編集委員・執筆者(東京書籍)
Rika Tan(理科の探検)誌 編集長
所属 法政大学生命科学部環境応用化学科教授
経歴 1949年生
   千葉大学卒業
   東京学芸大学大学院修士課程修了
   東京大学教育学部附属高等学校教諭
   京都工芸繊維大学アドミッションセンター教授
   同志社女子大学現代社会学部現代こども学科教授
   などを経て現職
最近の著書
   「大人のやりなおし中学化学」(ソフトバンククリエイティブ)
   「水はなんにも知らないよ」 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)
   「新しい高校化学の教科書」(講談社)  など多数。



新理科教育MLオフ会

2010-11-02 | お知らせ、報告、日記
11/2の18時半から開催の標記オフ会に参加しました。
代表の左巻健男さんが11/3の講演会の講師で新潟入りされるのに併せて開かれました。
参加者は幹事の県立大のH先生、中学校教員3名に左巻さんと私の6名。
サイエンスカフェにいがたとRikaTan
の関係者である。会場は新潟駅前の居酒屋「網元
網元名物「えびしんじょ揚げ」は、ふわふわでとっても美味しかった。肴、日本酒も美味。

サイエンスカフェ、ML・ツイッターの利用方法、ゆとり教育、科研費・・・・
理科教育他の色んな話題で盛り上がりました。