■参加者日程
9:30~10:00 集合・準備(データ提出・ポスター掲示等)
10:00~10:10 開会式(A講、挨拶・日程・注意事項)
10:10~12:40 口頭発表会(A講)
12:40~13:20 昼食・ポスター発表(B講義室 ホール)
13:30 実験講座開講式(A講)
13:40~15:40 交流会(実験講座 各会場で)
15:40~16:00 閉会式(成績発表・表彰・講評・連絡・閉会)
実験参加者: 8名
スタッフ: T准教授、TA2名、私
実験講座が6テーマあり、下記テーマを担当。
4年前まで、学部3学年で実施のテーマである。その際は、午後の実験4回のテーマであるが、これを1時間50分で行う。体験濃密なスケジュールでハイスピードとなる。予備実験を実施し、実験装置を組立済みとし、試薬の一部を秤量しておく、操作を一部省略するなどで計画した。
本番では、さらに操作の一部を省略するなどで、なんとか無事終えることが出来た。
攪拌、過熱、環流、蒸留、抽出、乾燥といった、実験基礎操作を体験し、GC, FT-IRの分析機器を用いた同定を行った。
参加者の反応は良く「楽しかった」との声に準備の苦労が報われた思いで嬉しかった。
本学での会場のクラブ交流会は、3年後だそうである。
実験テーマ: ケトンの還元による二級アルコールの合成
■実験概要
ケトンを還元すると二級アルコールが生成することは化学Iの教科書に載っている。本実験では、アセトフェノンの水素化ホウ素ナトリウムによる還元を行い、生成物の純度や構造を赤外吸収スペクトル等を用いて確認する。
■実験講座会場
物質・材料3号棟3階実験室
【実験室準備】11/20(土)11:00~12:15
※2人1組で実験を行う。
1.必要な試薬は、あらかじめサンプル瓶に分注しておく。試薬の配置(宮)
2.安全眼鏡、白衣の準備(宮)
3.装置の組み立て(4セット)
4.水浴の準備 13:50には、90℃としておく。
5.GC 2台、FT-IR 1台 スタンバイしておき、15:00使用可能としておく。
6.製氷機運転
7.アスピレーターの点検
第2回新潟県高等学校自然科学系クラブ交流会 実験講座③説明資料
「ケトンの還元による二級アルコールの合成」
【はじめに】一級アルコールや二級アルコールは酸化するとそれぞれカルボン酸やケトンを与える。一方、これらを還元すると、カルボン酸からは1級、ケトンからは2級アルコールが生成する。工業的にこれらの還元反応を行う時には、白金やパラジウムといった貴金属触媒と水素ガスを用いることが多いが、実験室では水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)や水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)がよく用いられる。今回の実験では、アセトフェノンを水素化ホウ素ナトリウムで還元して1-フェニルエタノールを合成する。その過程で、ガスクロマトグラフによる純度確認、赤外吸収スペクトルによる構造確認を行う。
※下記は、事前の予定表。
(13:40~13:45 実験前講義 5分)
①スタッフ紹介
②実験内容解説(竹中)
③実験室説明(非常口、試薬・天秤、GC、FT-IRの配置)
④安全指導(安全眼鏡、白衣、靴)
予め、セットは組み立てておいた
(13:45~14:10 仕込み、環流 25分)
1)滴下ロートと玉入り冷却管をつけた二口フラスコに、磁気攪拌子とNaBH4(2g=53 mmoL)を入れ、エタノール30mLに溶解させる。
※NaBH4は強塩基性、水素発生に注意!
2)滴下ロートにアセトフェノン(2.5g=21mmol)とエタノール10mLを入れ、均一な溶液にしておく。
3)アセトフェノンの溶液を5分くらいかけて滴下し、滴下が終わったらフラスコを90℃の水浴に浸けて10分間環流させる。
※予め準備しておく。投げ込みヒーターにはスライダックを接続し、温度コントロールに注意する。
※環流中に、分液ロートの操作法を説明する(コックはワセリンを塗らずに水で濡らす)。
(14:10~14:35 エタノール留去 25分)
4)玉入り冷却管と滴下ロートを外してから素早くト字管とリービッヒ冷却管に付け替え、エタノールを蒸留で追い出す。
※温度を下げずに(沸騰が続いた状態で)蒸留装置を組む。
※エタノール留去中に、FT-IRの話をする。
大部分のエタノールを追い出した後、アスピレーターを使用しさらに留去する。
(14:35~15:15 加水分解、抽出、乾燥 40分)
5)大部分のエタノールが無くなった二口フラスコに水100mLを加え、300mLビーカー(50mLの氷を入れておく)に注ぐ。ビーカーを冷却しながら3 mol/Lの希硫酸50mLをゆっくりと加える。
6)分液ロートに内容物を入れ、20mLのジエチルエーテルで2回(合計40mL)抽出する。
7)エーテル層を50mL飽和食塩水で1回洗浄してから取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
分液ロートを使ったことがある人は、半数程度。
(15:15~15:30 GC, FT-IR 15分)
8)乾燥中のエーテル溶液について、ガスクロマトグラフで生成物の純度を確認する。(未反応の原料と生成物の割合)
9)乾燥後の溶液を少量取り出し、ドライヤーでエーテルを揮発させて残分の赤外吸収スペクトルを測定し、原料のスペクトルと比較して構造を確かめる。(カルボニル基(>C=O)の吸収帯の消失と水酸基(-OH)の吸収帯の出現)
GC測定
サンプル量:1 μL
測定条件 カラム:SE30
injection Temp.:250 ℃ カラム Temp.:160 ℃
Carrir gas:He 1 kg/cm2
FT-IR測定
NaCl窓板にサンプルを塗布後、ドライヤーでエーテルを飛ばし、測定する。
スペクトルチャートをラミネート加工し、お土産にした。
記念品であるが、下敷きになる?
(15:30~15:35)
まとめの会5分
15:35 終了、移動5分
全員で記念撮影
15:40 閉会式 A講義室