専業農家への道

自然の営みに沿って、みなさんとわたしたち家族を養ういのちを育み、暮らしてゆくためのまなび

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井上雅央さんの獣害対策実地指導

2008-03-20 01:37:14 | Weblog

井上雅央さんのおっしゃっていたこと

 

◇獣害の一番の原因は"コシヒカリ"

コシヒカリは早いところで8月末には刈り取りを終える→”ひこばえ”がいーっぱい出てくる!!冬に鹿がお腹いっぱい食べさせて、冬を越させてやってるようなもんや

そのまま耕運しないから株間にスズメノカタビラなどがびっしり生えてしもうとる。これも餌付けになる

近年、イノシシ、シカが増えてきているというのはそれだけの餌の量があるということ

◇山の上にある携帯電話のアンテナかなんかに行くために作られた道や、林道整備事業できれいにされたのり面に冬でも枯れない寒地型の牧草が吹きつけられてる。
山のテッペンから麓まで帯状に餌がある。これはシカを増やそうと思ったらベストな方法や。雪に埋もれず餌が常にどっかで食える。

◇餌には2種類ある!もう、これだけ覚えててくれたらええ。

ひとつは食べると人間が怒る餌→栽培しているお米や野菜

もうひとつは食べても人間がおこらないえさ→不良果などの残渣。電気柵やトタンなどの外側の草

◇このどっちもゆるしたらあかん。食べられても痛くないものでも食べるのをゆるしたら餌付けしてることになる。

◇獣を目撃しても何もしなければだんだんと人慣れしてきよる。石を投げておどかせ!軽トラで追いかけまわせ!
これが人と動物が平和に共存できる道。

◇集落全体をぐるっと囲うなら、その外側に確認通路を設けること。そうせんと柵のすぐ傍までやってくる。ニンゲンはこの柵から外には出えへんことを学習して、そこでだんだんニンゲンに慣れてきてしまう。

そやからこの確認通路の草刈りもせなあかん。そんで人が歩くようにする。

あと、作る時は中に動物を囲い込まないように。

10kmの柵を作ったら内と外の草刈りするから20km草刈りすることをあらかじめ意識しとく。
2つのブロックにわけた方がええ場合もある。

よくある失敗のパターンはみんなの理解を得んまま、見切り発車した時や。柵を作ったんはええけど管理がでけへんようになる。

 

 

実地~



これはこの高さまで秋に草を刈った形跡や。
この長い草があるところは最後にかったのは夏やろう。
秋に草を刈ったら新芽が吹いてきて短く青いもんが出てきてまう。これが鹿のエサになってまうんや。
「鹿が道路にまで出てくる」ってゆうけど、道路にこそ冬でも青いくさがあるんや。


ここはメリケンカルカヤの高さがちょっと低いな。夏の終わりごろ刈ったんやろな。


これは起こしとかんと冬中シカの餌になっとる。


あっ、これは碍子(ガイシ)が反対向きに付いとる。外側に付けんと効果が半減する。
気持はわかる。内側からの方が作業がしやすい。

でも柵を立てる位置はいいなぁ。この角度やと獣は入りにくい。


ここに溝があるやろ。これだけ隙間があったら角のある雄シカでも入れる。器用に足を折り曲げてな。
イノシシやったら100%入れる。


セイタカアワダチソウも秋の中途半端な時期に刈るとこんな風に短く再生して餌になってまう。


チガヤは昔から日本にあって、刈って短いのが生えてきても冬には枯れてくれる。


おととしのセイタカアワダチソウも残ってる。何年もほったらかしでぜんぜん刈ってないからシカの餌がない。下手に何もしないほうがいいことがある。
獣害対策っていって歯を食いしばって汗水垂らす必要はない。手ぇ抜くとこは抜く。

冬を越させなければいい。それで流産したり子供が育たなくなって増えへん。
春はどうせ食いきれないほど餌はある。

 

ヌートリアと思われる被害はたいていタヌキやキツネなど。
ヌートリアは夜行性やけどモソモソっとしててよく目撃されるからよう敵にされてる。
臆病な動物で川から離れるのに勇気がいる。
ある事例でアスパラが食われるのでヌートリアの映像を撮ろうと思ったらタヌキだったということがあった。


これはええ例やな。
最初、トタンで防いでたんがだめやったから上に電気柵を付け足した。
撤去せずに付け足し付け足しでいくと効果がある。
まだトタンが余ってたら柵のしたに敷いとくといい。踏むとバリバリなるし、電線にあたったとき電流がよく流れる。


網はやわらかく手前にたらした方が効果的や。垂らした先にハウスの余った小さい部品や廃材をくっつけると地形に合わせて這わすこともできる。

カラスをみたら花火を打つ。誰が打つか覚えてきよるから100人が100人打つと効果がある。


これはええな。
ワイヤーメッシュの目からはウリ坊が入れる。ほんで中でウリ坊が困ってたら母親は必死になって入ってくる。こんな風に目の細かいネットを足すといい。


この電線の高さがちょっと高い。
シカがワイヤーメッシュのところで「なんやろなぁ~」ってやってるとこに、ここらへんに鼻が当たってビリッとくるようにする。


ここを飛び越して入ることはないやろう。
餌を食うためにここまではせえへん。オス同士の喧嘩とか犬に追われたりしたら助走で飛び越すかも知れへんけど餌食うために戻って助走つけて飛ぶことはあらへん。


ここもシカが飛びこさんように高したんやろうけどこのくらいの高さに張ったらええ。


こんな急なこう配でも道つくって降りてくる。
スキーとかしたら急やなと思たら斜めに降りるやろ。そんな風にや。

「あっ!足跡がある!!」

 

 


こうゆうのは嫌いよる。足が引っ掛かるから近寄らへん。

 

シカ対策を始めた頃は一時的に被害が増える。増えたシカが必死になってるからや。でも、そこでこそ続けてほしい。

 

 


これはええ見本や。堆肥は柵の中に。
堆肥ん中には幼虫とかがいっぱいおる。それをイノシシが食うねん。


この笹見てみ。こんな笹まで食うてるのはよっぽど切羽つまった状態や。

今年は子供が相当死んどる。こうゆう年こそがんばらな。


こーゆータイプの網と…、

こーゆータイプの網がある。
こっちは引っ張ったらのびる。でも、のばしたら下も同じように引っ張られる。

100mのやつを延ばして安上げたろと思って120mにしたりすると下から入られる。
このタイプの網を引っ張りたかったら上にマイカ線を通してカーテンみたいにしたらええ。


これ、柵の中と外で地面の色がちゃうのがわかるやろ。


ここはたぶんねぐらになっとる。
ねぐらに蚊取り線香の真ん中に爆竹の導線つけてタイマーでおどかしたったらええ。


電気柵の下にU字溝とかがある場合はナットとかボルトとかをおもりにして下に下げたらええ。

 

もし、古い魚網なんかを買ったときは真水であらうか、川につけてあらう。
そうせんと網についてる塩をなめる。
いっつも決まったとこで立ションしたらシカはそこでペロペロなめとる。塩分補給をしよる。

 

 

無農薬でやってる人はあかんかもしれへんけど、農道の真ん中の盛り上がってるとこの草はラウンドアップ使って、崩れたらあかん肩の部分はバスターを使ったりするという方法もある。

 

 


カドが90度とかになると柱にあたって漏電しやすい。カドは碍子(ガイシ)を2本つけてやったほうがいい。

 

孟宗竹(モウソウチク)はタケノコがイノシシの餌になる。タケノコを食われて緊急に出した小さいタケノコも食われて…孟宗竹があると1月から7月までイノシシの餌となってしまう。
竹藪が広がらないようにする。ただ広がる外側で何をやっても無駄。
昔の人の知恵で、株間を1mに間伐してやると広がる勢いが弱くなって外側で抑えやすくなる。

 

 

 

◇優良事例とか言って聞こえてくるのは苦労とお金をかけたところ。
ほんとうに成功したとこはあっさり止められて別に声を大にしたりしない。
そういうとこと組んで情報を交換し合ってほしい。

 

 

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6 コメント

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Unknown (大きいノン)
2008-03-21 09:09:53
本当に実現されたのですね。
綾部での講演時に師が奥大野にも来ていただきたいとおっしゃっていたのがこんなに早く実現するなんて!
詳しいレポートありがとうございました。
リンクを張りました。 (犬の紳士)
2008-03-21 12:28:29
今日の話にリンクを張りました。

多くの人が見てくれることを望みます。
獣害について (かめ)
2008-03-21 14:59:07
>大きいノンさん

この話はS原さんの方から持ちかけてくださいました。お師匠が井上さんに来ていただけないかS原さんにお願いしようと思っていたところにです。


>犬の紳士さん

この話は世間一般の常識となるべきことだと思います。
井上さんはおっしゃっていました。
「獣害対策でやっとることは台所に魚のアラとかを放っといて(捨てといて)なんでハエが出んねやろうって蠅たたきで叩きまわったりしとるようなもんや」
全員協力がキーワードになってきますが、非農家が多い昨今、いかに協力していただくか。
私も多くの方が見ていただきたいと思い、私情や意図は込めず、レポート形式でお伝えしました。
勉強になりました。 (マンゴー)
2008-09-05 01:31:51
何事も経験/知識/継続であると改めて勉強させていただきました。
レポート形式で大変わかりやすく読ませて戴きました。
ありがとうございました。
深刻な鳥獣害 (かめ)
2008-09-05 07:59:46
鳥獣外は深刻な問題です
これの解決なくしてはいくら別のところに補助金を出しても新規就農者はその地域に入ることができません。
もし何も知らず入っていったらすぐにやっていけなくなることに気付くでしょう
まずは圃場の周りを強固に囲うという投資から入ります
Unknown (名無し)
2013-01-30 19:08:59
鹿対策に狼の導入 日本オオカミ協会ホームページの"Q&A"参照

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