次の日、京子は卵管検査の予約を入れた。看護士は運良く、キャンセルが出たので
来週の月曜日にしましょうと、言った。
京子の不安げな声に気づき、労わる様に話した。
「大丈夫ですよ。痛みを感じない方が多いですから。」
電話を切った後、京子は、先日買った本を、片っ端ら読み始めると、ちょうど、1冊読み終わった所で、玄関のチャイムが鳴った。
「ねえ、奥さんちょっと開けてよ。面白い話が・・・」
その声の主に気づき、京子は大きなため息をついた。
隣人羽崎慶子。マンション内ではちょっと知られた女で、招かれざる客だ。歳は50位で、貧相な顔立ちをしているが、目だけが、終始ぎょろぎょろと動いている。年老いた夫と2人暮らしだ。
京子は、居留守を装っていたが、いつまでも鳴り続ける玄関のチャイムに、居た堪れなくなり、ついには玄関の扉を開けた。
今起きたと思わせる為に、大きな欠伸をした。
「どうしたんですか?」
「あらあ、寝てたの?ちょっとごめんね。」
そう言うと、ずかずかと部屋へ上がり込み、居間にあるソファに座った。
そして、京子が隅に隠した本を見つけ、子供できないのと呟いた。
「何の御用なんですか?こちらもこれから、来客があるんです。」
「ああ・・・ごめんね。2階の田中さんの旦那さん不倫してるらいいのよ。」
慶子は京子の反応を見る様に、顔を覗きこんだが、
「それで?すいません。忙しいので、これで。」
と京子が台所に立ったので、のろのろと帰った。
慶子に見られたら、マンション中の噂になることは解っていたが、
あの本を見られた以上、仕方なかった。
妊娠できれば、噂は消えると解っていたので、暫く我慢することにした。
来週の月曜日にしましょうと、言った。
京子の不安げな声に気づき、労わる様に話した。
「大丈夫ですよ。痛みを感じない方が多いですから。」
電話を切った後、京子は、先日買った本を、片っ端ら読み始めると、ちょうど、1冊読み終わった所で、玄関のチャイムが鳴った。
「ねえ、奥さんちょっと開けてよ。面白い話が・・・」
その声の主に気づき、京子は大きなため息をついた。
隣人羽崎慶子。マンション内ではちょっと知られた女で、招かれざる客だ。歳は50位で、貧相な顔立ちをしているが、目だけが、終始ぎょろぎょろと動いている。年老いた夫と2人暮らしだ。
京子は、居留守を装っていたが、いつまでも鳴り続ける玄関のチャイムに、居た堪れなくなり、ついには玄関の扉を開けた。
今起きたと思わせる為に、大きな欠伸をした。
「どうしたんですか?」
「あらあ、寝てたの?ちょっとごめんね。」
そう言うと、ずかずかと部屋へ上がり込み、居間にあるソファに座った。
そして、京子が隅に隠した本を見つけ、子供できないのと呟いた。
「何の御用なんですか?こちらもこれから、来客があるんです。」
「ああ・・・ごめんね。2階の田中さんの旦那さん不倫してるらいいのよ。」
慶子は京子の反応を見る様に、顔を覗きこんだが、
「それで?すいません。忙しいので、これで。」
と京子が台所に立ったので、のろのろと帰った。
慶子に見られたら、マンション中の噂になることは解っていたが、
あの本を見られた以上、仕方なかった。
妊娠できれば、噂は消えると解っていたので、暫く我慢することにした。