ばくだん皮膚科医のばくだん発言

大阪市鶴見区の皮膚科形成外科
三輪皮フ科形成外科 
院長三輪恒のブログ

開院しました。院長 三輪ひさしの自己紹介

2011年04月12日 | 日記
 私は、名古屋生まれの岐阜育ちです。

大阪の大学に進学したため、今までの人生の後ろ半分は大阪で過ごしてきました。

大阪が好きなので、大学卒業後も大阪で暮らしています。

 この度、大阪市鶴見区にて皮膚科形成外科クリニックを開業いたしました。
全てのトラブルに対応出来る皮膚科のホームドクターとして地域の皆様に貢献したいと思っています。


 私が育った岐阜は、田舎でしたが空気や水がきれいでした。

私は、アトピー性皮膚炎を患っています。
幼稚園の頃より、膝の裏や肘などにアトピーの症状が度々できていましたが、それほど酷くはありませんでした。
 
ところが、大学進学に伴い、大阪に引っ越してきてから、全身にガサガサジュクジュクの湿疹が広がり、目も当てられない様な状態になってしまったのです
...というのも、水・空気があまりきれいでないのに加え(・・・失礼)、
一人暮らしをしていたのが家賃3万円・築30年以上の畳の文化住宅、ろくに掃除もしなかったため畳の上はホコリだらけ、おまけにクーラーなし、シャワーもなしで、夏の暑さによる発汗、脱水で一気にアトピーが悪化したのでした。
 
自分の通っていた大学の付属病院の皮膚科(後の職場)を受診し、症状は速やかに落ち着きました。

このエピソードが私が皮膚科医になろうと思ったきっかけです。

 卒業後は希望通り大学の皮膚科に入局しました。

...実は当初は学者を目指していました。
アトピーだけではなく他の皮膚疾患で苦しんでいる方々を救いたい、その為に何か新しい発見や発明をしてやろうと思っていたのです。

日々研修医として入院・外来患者様の治療に携わりながら大学院に進学しようと考えていました。


 

 ところが、皮膚科医として2年程経った時、ある事実に納得がいかない自分がいました。

皮膚疾患は、大きく2つに分けることが出来ます。(本当はもっと細かく分類があります。)
   
    1.アトピーや水虫のように炎症性の疾患。
       主に飲み薬や塗り薬で対処するグループです。
  
    2.皮膚癌を初めとする皮膚腫瘍。
       もちろん悪性だけでなく、良性腫瘍やホクロやアザも含まれます。
       主に手術で治すグループです。
 
 ほとんどの皮膚科医は、1. は診断・治療することが出来ます。
しかし、2. は診断が出来たとしても治療することが出来ないのです。皮膚腫瘍だって皮膚疾患なのに、

      「治療は形成外科に行ってください。」だなんて

形成外科に行ってくださいならまだ良心的です。ひどい場合は「良性だから治さなくていいですよ。」なんて言う医師もいるんです。
 
もちろん、皮膚外科という分野があって、皮膚科医でもこの分野に習熟している医師はいます。
しかし、ごく一握りの皮膚科医のみがマスターしているに過ぎないのです。

 私は皮膚腫瘍の治療が出来ない皮膚科医になるのはイヤでしたので、形成外科にはローテーション(修行)しました。

その後も皮膚外科に従事する機会が増えていきました。
 
幸いなことに、入職後4年目に転勤した勤務先の病院の上司の計らいで腕の良い形成科医に師事することとなり、以後、皮膚外科で必要とされる知識や技術を身につけることができました。
 

 
  ところが、皮膚科医として5年程経った時、別のある事実に納得がいかない自分に気がつきました。

 下肢静脈瘤という疾患があるのを御存知でしょうか?

ふくらはぎや内太ももにボコボコと血管が蛇のように浮き出る疾患です。
下肢静脈瘤はただ単に血管がボコボコになる疾患ではありません。
血流が悪くなる病気であるため、湿疹が出たり、ふくらはぎの皮膚が硬く黒ずんだり、酷い時には穴が開いて汁が出る「皮膚潰瘍」というのが出たり引いたり繰り返すのです。
足はむくみ、だるくなり、こむら返りが頻発します。

二次的にとはいえ、皮膚症状が出てくるのに

       「治療は血管外科に行ってください。」だなんて

血管外科に行ってください、ならまだ良心的です。
ひどい場合は「死ぬことはないから、放っておけばいいよ。」なんて言う医師もいるんです。

明らかに、静脈瘤が原因で出来た皮膚潰瘍に対し、静脈瘤の治療をせずに皮膚移植をする医師もいます。(全く意味がありません。移植した皮膚にまた潰瘍が出来るだけです。)

私は静脈瘤による湿疹や皮膚潰瘍を根本から治すため、下肢静脈治療の出来る皮膚科医になりたいと思いました。

 先述の上司の計らいで腕の良い血管外科医に師事することとなり、以後、下肢静脈瘤の診断と治療に必要な知識や技術を身につけることができました。
 
 その後は身に付けた一般皮膚科・皮膚外科・静脈瘤の知識・技術に磨きをかけ、訪れてくださった患者様の多くに満足して頂けたものと思っています。


 
 ところが、皮膚科医として8年経った時、また別の事実に納得がいかない自分に気がつきました。

割合としては少ないのですが、受診してくださった方の中で
「先生、このシミ何とかなりません?」
「最近シワが目立ってきて・・・」
「脇の臭いや汗が気になる」等、今まで身につけてきたことでは、対応しきれない訴えが存在しているのです。
「太ってきたので、痩せる薬がほしい。この脂肪先生にあげるわ。」という方までいる始末。(もちろん、冗談で言われたものだと分かっていますが・・・)

 脇の汗や臭いについては保険診療が認められているため、まだ疾患として捉えることができますが、病気じゃないでしょうと、笑ってごまかしていました。

  …でも病気じゃなくても、皮膚に関する訴えに変わりはないのです。

 私は能力的に「治すことが出来ない」ことをできないと言わずに、「治す必要がない」と言って誤魔化すのがイヤでした。

 努力して出来るようになるのであれば諦めたくはないと思い、一念発起し、大学を辞めてある美容外科クリニックに就職いたしました。
 
 たまたま門を叩いたクリニックではありましたが、幸いにも腕の良い美容外科医に師事する事が出来ました。

指導医は口下手でしたが、人情があり、単なる金儲け主義者ではありませんでした。

兄弟弟子に当たる同僚の医師達は、形成外科出身、耳鼻科出身、私と同じく皮膚科出身と経歴は様々でしたが、いずれも劣らぬ名医の集団でした。

互いに切磋琢磨し合って、お互いに知識や技術を分かち合い、教え合ったため、比較的早い時期に曲がりなりにも一人前と言われるようになる事が出来ました。


 私が小さいながらもこうしてクリニックを立ち上げることが出来たのも、診療を通じてたくさんのヒントを与えてくださったたくさんの患者様や、指導者や仲間に恵まれてきたおかげだと感じています。
身に付けた知識と技術を受診して頂いた皆様に還元すべく、今後も初心を忘れることなく、自分に与えられた責任と義務を全うしていきたいと思っています。


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