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2013初夏・北欧バルト海紀行 #006:タリン→タルトゥ ハイテクITバスで行く、エストニア縦断快適バス旅行

2013-05-18 | 旅行
Tallinna lennujaam タリン空港・ターミナルビル


#005:夜のバルト海を越え、エストニアまで一っ飛びからの続き

2013年4月28日

エストニアでの最初の夜が明けました。
今日は、朝からバス旅行。首都タリンでは到着後一晩寝ただけで、すぐにエストニア第二の都市タルトゥに向かいます。


エストニアの北岸、バルト海のフィンランド湾に面した港街タリンから、南部のロシア国境にも程近いタルトゥまでおよそ200キロ弱、国土の小さなエストニア共和国をほぼ縦断する旅です。
早速、朝になったらタリンの鉄道駅へ…といきたいところですが、今回は残念ながら鉄道旅行ではありません。

エストニアではソ連からの独立後、国内の鉄道網が大幅に整理された結果として旅客列車の運行数が激減してしまい、首都と第二の都市を結ぶ「エストニアの東海道新幹線」とでも言うべき主要幹線でも都市間直通の旅客列車は1日3往復程度が運行されるのみ。しかも早朝と夜だけの運行で、日中は全く列車が走らないという悲惨な状況になっているのです。

その代わり、エストニアでは国内各都市を結ぶ高速バス路線が非常に発達しています。
また、IT産業が盛んで“eストニア” と称されることもある国らしくバスの利用環境もIT化が進んでいるようで、高速バスのチケットは各社共通のホームページからオンラインで簡単に予約が可能です。
僕も今回、予め日本でタリンからタルトゥまでのバスをeチケットでネット予約してきました。価格は税込みで片道10.8ユーロ、千数百円といったところ。
ところで、予約ページでバスの時刻を調べていたら、タリン発タルトゥ行きのバスは毎時2~3往復も運行していて、しかもわざわざバスターミナルまで行かなくても途中でタリン空港に立ち寄る便もあることが判明。
「なんて便利なんだ… スゴイぞeストニア!」

朝10時。ホテルから空港まで、昨夜歩いた道を再び戻って来ました。
空港のターミナルビル入り口には、タルトゥ行き高速バスのチケット自販機もありました。

一見、ゴミ箱みたいなデザインですが(笑)、クレジットカード対応でオンラインのタッチパネル式の優れものです。

僕は自宅のPCでプリントアウトしてきたeチケットの控えを持ってきているのですが、
試しに自販機に予約コードを打ち込んでみたらちゃんとチケットが発券されましたよ。

「おいおい、こりゃ日本より便利じゃないか… スゴすぎるぜeストニア!」

タリン空港のターミナルビル前には、バス停がいくつか並んでいます。

これはタリン市街方面行きの路線バス乗り場ですね。


これがタルトゥ方面行き乗り場です。英文で案内が書かれているのですぐに分かります。


タリン空港を経由するタルトゥ行きは、Sebeというバス会社が運行する路線です。
本当に運転本数が多いですね。しかも深夜バスまで走っているようです。こりゃあ、鉄道が衰退する訳だよなぁ…

午前10時半、定刻通りにタルトゥ行きのバスがやって来ました。

全身紫色というド派手な巨大バスです。


運転手さんにチケットを見せて、トランクを荷物スペースに収納してもらってさぁ出発!
タリン空港を出たら、タルトゥ市街地までノンストップで突っ走ります。
ビジネス客はあまり利用しないであろう日曜日の午前中の便のせいかタリン空港から乗った乗客は僕一人でしたが、車内は乗車率70~80%といったところで結構混んでいました。


タリン郊外の風景はこんな感じ。薄曇りの空の下、針葉樹の森が続いています。
それにタリンからタルトゥまでを結ぶ国道2号線は路線改良工事の真っ最中のようで、工事現場の中を走るような殺風景な車窓が連続します。

でも、車窓が味気無くてもエストニアの高速バスは車内サービスがスゴイ!

革張りシートの背もたれにはパーソナルモニタ完備です!
そしてこのモニタのメニューがこれまたスゴイ事になっています。
無料で映画や音楽が楽しめるのは勿論のこと、何とインターネット接続にも対応していてウェブサイト閲覧まで可能なのだ!


タッチパネルで「INTERNET」ボタンを押すと、閲覧可能なサイトのアイコンが表示されます。
ニュースサイトが一通り揃っていますね。


CNNのサイトもこの通り。
走行中のバス車内から誰でも無料で、ネットで世界の最新ニュースを見られるとは…
eストニアのバス恐るべし!

でも、一番便利で楽しいのはやっぱりこのサービスかな。

GPSでバスの現在位置を表示してくれる地図情報サービス。
これもカーナビの画面をそのまま表示している訳ではなく、バス専用のシステムが用意されているようで、
次のバス停までの距離や到着時間予想まで表示してしまう優れものです。
特にバス停周辺の地図情報が一目で解るので、初めての街を訪れる旅行者にとっては、バスを降りた後に取るべき行動も予め見極めることが出来て、実に便利です。
「参ったねこりゃ… 気合い入り過ぎだろ、どこまでやってくれるんだeストニア!!」

モニタのサービスの充実ぶりに感心することしきりですが、
バスがタルトゥに近付くにつれて天気もよくなってきました。





ヨーロッパらしい澄み切った群青の青空の下に、大平原と森と、雪解け水で潤う豊かな農地が広がります。


タリンから約2時間半。
お昼の零時半に、Sebe社の紫色の高速バスは無事タルトゥ市のバスターミナルに到着しました。
実に快適で、そしてエストニアのIT社会の発達ぶりに圧倒されるような気分も味わったバスの旅でした。

さて、今回の旅の最初の目的地であるタルトゥの街に到着しました。
これからすぐ、お目当ての「御本尊」が鎮座まします場所へと向かいましょう。僕はこれを観るために、遥々日本からエストニアの南の街までやって来たのですから…

#007:Science Centre AHHAA -タルトゥ科学館「AHHAA」-に続く


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